膝の痛みを放置してはいけない理由

膝の痛みを放置してはいけない理由と今からできる3つの対策

監修: 光伸メディカルクリニック院長 中村 光伸  免責事項について

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膝の痛みにはさまざまな理由があります。最初の症状は軽いものに思えても、悪化したことがわかったときには、すでに遅すぎる場合もあるのです。違和感を感じたときにすぐに対策をはじめるのが大切なのはなぜでしょうか。今からできる対策も含めて膝の痛みを放置してはいけない理由を徹底解説いたします。

  1. 膝に痛みが出る原因
  2. 膝の痛みを放置するとどうなるのか
  3. 膝の痛みはどのように進行するのか
  4. 膝の痛みに対処する3つの方法
  5. よくある質問
  6. まとめ

1.膝に痛みが出る原因

この項では、膝に痛みが出やすい理由や、膝の痛みが症状として現れる病気について解説します。どのような病気になると、痛みが症状として現れるのでしょうか?

1-1.膝に痛みが出やすい理由とは?

膝関節は、太ももの骨とすねの骨、さらに膝蓋骨(膝のお皿)とそれをつなぐ腱や筋肉でできています。膝関節は体重を支えている場所ですので、どうしても負担が大きくなり、痛みも出やすいのです。若い年代では、膝関節を繋ぐ腱や筋肉、さらに膝蓋骨の損傷による痛みが出やすいでしょう。特に、スポーツをしている人は膝を酷使しやすいので痛みが出やすい傾向にあります。

年を取るにつれて、太ももの骨とすねの骨の先端についてくる軟骨のすり減りが早くなり、硬い骨同士がぶつかりやすくなるのです。そうなると、歩くたびに痛みを感じるようになるでしょう。また、膝関節の周りには負担を和らげるために水分が存在しています。この部分が炎症を起こすと、膝の水分が増えて痛みが出てくるでしょう。これが、「膝に水がたまる」という状態です。

1-2.膝の痛みが症状として現れる病気

膝関節の痛みが症状として現れる病気の代表格に、変形性膝関節症があります。これは、年を取るにつれて膝関節が負担に耐え切れなくなり、変形していく病気です。重度になると膝関節が曲がったまま、まっすぐに伸びなくなることもあるでしょう。また、膝関節以外にも、全身の関節が痛む病気として、関節リウマチや痛風があります。関節リウマチは女性に発症しやすく、痛風は男性に発症しやすい病気です。この2つの病気は、放っておけば悪化の一途をたどります。おかしいな、と思った時点で病院に行きましょう。

2.膝の痛みを放置するとどうなるのか

2-1.原因がわからない場合の危険

膝をぶつけたり捻挫(ねんざ)をしたりなど、膝が痛いことの原因に思い当たる場合には、それほど大きな問題はありません。もちろん、しっかりと対処しなければ、何年もたってから膝に問題を抱えることもあるため注意は必要です。しかし、膝の痛みにはさまざまな原因があるので、自己診断だけに頼るのは避けてください。リウマチや痛風(つうふう)も膝の痛みの原因になります。また、細菌に感染していることが原因になることもあるのです。原因が何であるかによって行うべき対策も異なります。わずかな違和感でも膝の痛みの原因はしっかりと把握して適切な対処を行うようにしましょう。

2-2.軟骨が減っている場合の危険

年齢が増すごとに膝の痛みの原因として多くなっていくのが、軟骨が減ることによって生じるものです。この症状は、必ずしも膝の痛みで気づくのではなく、こわばるような違和感を抱くことから始まることがあります。軟骨が減ることによる膝の痛みの場合には、早い段階での対処をしなければ、回復が大幅に遅れてしまうので注意が必要です。やがて、膝の痛みだけではなく、膝を曲げることも難しくなります。炎症がさらに進むと膝に水がたまってしまうのです。確かにこのような膝の痛みがどのように進むかを知るだけでも、放置してはいけない理由がわかるでしょう。しかし、もっと気をつけなければいけないのは、膝の痛みを放置することによって生じる別の問題です。

2-3.膝の痛みによって生じる別の問題

膝の痛みが進んでいくと歩くことがつらくなります。やがて、膝をかばうようになり生活の行動範囲を狭めてしまうでしょう。気持ちも暗くなっていき、家の外に出歩くことが少なくなります。やがてそのような習慣が運動不足を招いて、生活習慣病になりやすくなるのです。そして、最も危険なのは活動範囲が少なくなることや精神的に暗くなることにより、認知症にかかりやすい環境になってしまうことでしょう。ですから、膝の痛みや違和感は決して放置しないようにするべきなのです。

3.膝の痛みはどのように進行するのか

3-1.体重がかかったときに感じる痛み

一般に、50代以上の年齢になってから原因がはっきりしないのに膝の痛みを感じる場合は、軟骨がすり減っていることがその理由であることを疑ってください。膝には体重全体の重さがかかってくるため負担が大きく、年齢とともに関節の軟骨がすり減ってくることが多いからです。また、年齢が進むにつれて足の筋肉が衰(おとろ)えてくるため、膝の関節に負担がかかりやすくなることも痛みが生じる理由となります。軟骨がすり減ると、やがてイスから立つときに膝に違和感を抱くこともあるでしょう。このような状態は膝の痛みが進行していくときの初期症状です。この状況を放置すると、やがて階段を上るときなど膝に体重がかかったときに痛みを感じるようになります。

3-2.膝を曲げるときに感じる痛み

膝の痛みをそのまま放置しておくと、状況は着実に悪化していきます。歩くときにいつも痛みを感じるようになり、体重が関節にかかっていない状態でも膝を曲げるだけでつらく感じるようになるでしょう。ちょうど軟骨がすり減ってしまい、骨と骨が直接すり合ってしまうような状態となるわけです。そうなると当然ながら炎症が生じ、熱をもつようになってしまいます。

3-3.杖をつかなければ歩けなくなる

膝の関節に炎症が生じたときには、その炎症を抑えようとして関節液が分泌(ぶんぴ)されます。この状況がいわば「膝に水がたまる」というものです。ここまで症状が悪化すると、杖(つえ)をつかなければ歩けなくなるほど痛みが強くなってしまいます。また、「膝の水を抜く」といった対策も考えなければいけなくなるでしょう。膝に水がたまると一層痛みが悪化することもあり、また違和感に苦しむことになります。このような症状になるまで膝の痛みが悪化することがないようにするためにも、放置せずに早めの対策が必要なのです。

4.膝の痛みに対処する3つの方法

4-1.積極的に動くようにしよう

膝の痛みがあるとはいえ、毎日の生活で歩くことが減っていくなら症状は一層悪化します。なぜなら、歩かなくなることにより足の筋力が弱まり、膝の関節により負担がかかってしまうからです。ですから、膝の違和感に負けずに行動するようにしましょう。気持ちを元気に保つことも、その他の病気や症状を悪化させないようにするためのよい方法です。ウォーキングなどを習慣とすることもよいでしょう。

4-2.膝への負担を減らす

筋力の衰えを避けるために動くようにすることも大切ですが、同時に余計な負担を膝の関節にかけないようにすることも必要です。たとえば、膝への負担を少なくするためにできるだけ正座ではなくイスに座るように心がけることもよいでしょう。サポーターの活用や適度なマッサージも効果的です。もし、膝に炎症が起きていないのであれば、温タオルなどで膝を冷やさないようにすることもできます。しかし、膝に炎症があって熱があるなら、温めたりマッサージをしたりすることにより症状が悪化することもあるので注意しましょう。必要な対策は医師から詳しく確認するようにしてください。

4-3.膝関節の痛みを予防・緩和するサプリメントを使用する

膝関節の痛みの予防や軽減を宣伝するサプリメントは、いろいろなメーカーから販売されています。このようなサプリメントは、軟骨を形成する成分であるコラーゲンやグルコサミンが入っているものが一般的です。しかし、通常のコラーゲンやグルコサミンは体内に入るとアミノ酸に分解されてしまい、軟骨を形成や再生を助ける効果は期待できません。

ただし、非変性Ⅱ型コラーゲンは経口で摂取してもアミノ酸に分解されにくく、軟骨の生成を助ける効果が学術的にも証明されているのです。

楽らく歩は、非変性Ⅱ型コラーゲンと同じ構造であるUC-Ⅱという食品素材に加え、痛みを和らげる成分である西洋シロヤナギやプロテオグリカンなどもバランス良く配合しています。膝の痛みが気になるという人や、膝の痛みを予防したい人は一度利用してみてください。

5.よくある質問

Q.膝の痛みが安静にしていれば治る場合は放置しておいても大丈夫ですか?
A.変形性膝関節症の初期は、安静にしていれば痛みを感じません。動き出すと痛む状態が続いている場合は、整形外科を受診してください。

Q.膝の痛みが出る場合は、整形外科を受診すればいいのでしょうか?
A.はい。まずは整形外科を受診してください。

Q.至急病院を受診したほうがよい症状はありますか?
A.膝関節が腫れ、安静にしても症状が治まらない場合は、すぐに病院へ行きましょう。

Q.サプリメントを飲んではいけない人などはいますか?
A.食品から栄養素を抽出した成分が含まれている場合は、その食品にアレルギーがある人は飲めません。よく表示や注意書きを確認してください。

Q.整体は、膝の痛みに効果がありますか?
A.整体は、筋肉をほぐしてコリを軽減したりする施術をしてくれるところで、医療施設ではありません。関節の治療は整形外科でしか行えませんので、そちらを受診してください。

6.まとめ

膝の痛みは決して放置しないように心がけましょう。年齢が進むごとに膝の痛みを抱える危険は増えていきます。

膝の痛みを放置すると

  • 歩くたびに痛みを感じる
  • 行動範囲が狭くなる
  • 生活習慣病や認知症などにかかりやすい環境になってしまう

などの危険があります。

膝に負担の少ない運動を今からはじめてください。膝に違和感を抱いたり痛みを感じたりする前から、しっかりとした栄養補給を心がけて膝の痛みに負けない対策をしていきましょう。

光伸メディカルクリニック院長中村 光伸

監修者

中村 光伸
光伸メディカルクリニック(東京 新宿)院長
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科認定スポーツ医
日本整形外科認定リウマチ医
日本体育協会公認スポーツドクター
日本抗加齢学会認定専門医
日本胎盤臨床医学会認定専門医
日本美容皮膚科学会
日本レーザー治療学会

東京生まれ。北里大学医学部卒業、北里大学整形外科入局。
学位習得後、フンボルト大学外傷再建外科学(ドイツ)・チャンガン大学形成外科美容外科(台湾)へ留学。 Jリーグヴァンフォーレ甲府チームドクター、山梨学院大学陸上競技部(駅伝)チームドクターを歴任。 北里大学整形外科専任講師、北里大学救命救急整形外科部長、松倉クリニック&メディカルスパ等を経て、2011年12月、自身の理想とする医療を実現するため「光伸メディカルクリニック」を開業。 “リバースエイジング・健康寿命を延ばす”を命題に“見た目”の大切さと“動き目”の大切さを唱え、「整形外科」「美容外科」「美容皮膚科」「リハビリテーション科」を一つの科として診療している。

著書
「3か月で10歳若返る わたしはリバースエイジングドクター」(H304月1日発刊予定) メディア掲載歴
『Domani』2018年3月号、『VoCE』2017年11月号、『厳選 クリニックガイド』、『VOGUE』2017年9月号、『VoCE』2017年4月号、『VoCE』2017年3月号、『ViVi』2016年8月号、『VoCE』2016年6月号、『InRed』2016年6月号、『VOGUE』2016年1月号、『DRESS』2016年2月号、『MAQUIA』2016年2月号、『VoCE』2015年2月号、『VOGUE』2015年1月号、『MyAge』2015年秋冬号、他多数