便秘は大腸癌になりやすい!これってウソ、それともホント?

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便秘の人は、大腸癌(がん)になりやすいといわれてきました。便秘だと、腸内に便の毒素がたまり、それによって大腸癌のリスクが高まると信じられてきたのです。ただし、確かな因果関係は解明されてないといわれています。実際のところはどうなのでしょうか。便秘と大腸癌の関係についてまとめました。

  1. 大腸癌とは
  2. 便秘と大腸癌の通説
  3. 便秘は大腸癌と無関係?
  4. たかが便秘、されど・・・
  5. まとめ

1.大腸癌とは

大腸癌は、長さ約2mの大腸(結腸・直腸・こう門)に発生する癌です。日本人ではS状結腸と直腸に癌ができやすいとされ、大腸癌の70%が直腸とS状結腸にできています。
背景には、食事の欧米化、特に動物性脂肪やタンパク質の過剰摂取などが指摘されてきました。2011年の大腸癌による死亡数は国内で約45,000人。50年前の約9倍です。毎年約6万人が患い、胃癌を抜くのも時間の問題とさえいわれています。患う頻度は男性、女性ともほぼ同じ。60代が最も多く、70代、50代と続いています。

2.便秘と大腸癌の通説

2-1.70%の癌は便がたまりやすい場所に集中

冒頭にあるように、便秘の人は、大腸癌になりやすいと信じられてきました。原因は特定されていないようですが、注目すべき点は、大腸癌の70%が直腸とS状結腸に集中してできている事実です。直腸とS状結腸。いずれも大腸の出口付近、要するに便がたまりやすい場所です。この点を考えると、便秘が癌のリスクとなっている可能性は十分あると思います。

2-2.便の毒素が癌を誘発?

便秘になると、便は腸内にたまりどんどん腐敗していきます。その結果として生まれるのが有毒ガス・物質です。このガス・物質が腸の粘膜を刺激し、大腸癌の発生リスクを高めてしまうのではといわれています。大腸癌になっている人は、便が腸内にできたガンのコブにひっかかるので、便秘になりやすいといわれてきました。逆に、「便秘の人は大腸癌になるリスクが高まる」という見方も、否定できないものがあると思います。

3.便秘は大腸癌と無関係?

便秘の人は大腸癌になりやすいという説に対して、この説を否定する調査研究があれば、因果関係がうかがえるような研究もあります。2つのケースを紹介しましょう。

3-1.便通は大腸癌のリスクと関係ない!

厚生労働省の研究班は、便通と大腸癌のリスクの因果関係を調べるため、1993年から2002年にかけて追跡調査をしました。40~69歳の男女約58,000人のデータを分析してまとめています。追跡期間中に、大腸癌を患った方は男性303人、女性176人でした。
調査では、対象者の便通の頻度を「毎日2回以上」「毎日1回」「週2-3回」のグループに分けて、大腸癌の罹患(りかん)率を比べています。その結果、「便通が2-3回しかなくても、毎日ある人と比べ、大腸癌のリスクが高くなることはなかった」と結論づけました。部位別に結腸と直腸に分けても、差はなかったということです。
研究班は、便秘と大腸癌の関係は、わずかな関連がある可能性は否定していませんが、はっきりした関連は見いだせていません。ただ、週に2-3回の便通程度では、大腸癌になるかもと悩む必要はないということです。

3-2.下痢便は直腸癌のリスクに?

普段の便の状態が、大腸癌と関係しているのではとの仮説もあります。厚生労働省の調査では、この点についても調べました。普段の便の状態を「下痢」「軟便」「普通」「硬め」「下痢と便秘を繰り返す」のグループに分けて、大腸癌のリスクを比較しています。
すると、結腸癌と直腸癌に分けた場合に、男女とも下痢便で直腸癌のリスクが上昇する傾向が明らかになりました。ただし、今回の調査だけでは判断できないとのことで、もっと調査が必要なようです。

3-3.少ない便通は大腸癌発症リスクに

厚生労働省の調査に対して、便秘で大腸癌発症リスクが増大する可能性を示唆するのは、東北大学の研究チームです。1990年から1997年までの間に、40-64歳の41,670人を追跡調査しています。うち、251人に大腸癌の発症が確認されました。
調査では、最近1年間の頻度について、「1日1回以上」「2-3日に1回」「4-5日に1回」「6日に1回以下」に分けて聞いています。
その結果、便通回数が1日1回以上の人に比べて、1回未満の人が大腸癌を発症リスクは1.35と高い数値を示したということです。結腸癌と直腸癌のリスクを解析すると、直腸癌のリスクに関連が見られました。

3-4.下剤によってもリスクは高まる

東北大学の研究チームは、下剤使用と大腸癌の関係についても調査しました。「いいえ」「時々飲む」「週に2回以上飲む」に分けて聞いています。
その結果、未使用者に比べて、使用者の大腸癌発症リスクは1.31と、やはり高いリスクの数値になりました。特に、結腸癌の発症リスクと関連しているということです。
大腸癌の発症リスクが1.35と1.31。この数値について、東北大学研究チームは、統計学的には有意ではないと受け止めています。しかし、やはり因果関係を否定はできないでしょう。たとえば、動物実験では便秘と下剤の使用が大腸癌に関係しているという知見が報告されています。人間を対象とした一部研究でも、同様です。研究チームは、大腸癌の発症者数が少ないことや下剤の詳しい成分がわからない点を限界としてあげ、さらなる検討が必要とみています。

3-5.便秘と大腸癌の関係の今

便秘と大腸癌の因果関係について、「可能性は否定しない」厚生労働省に対して、「可能性がある」とする東北大学。2つの調査研究は、一見すると正反対のようです。でも、よく読むと、同じようなことをいっているようにも思えます。
わずかな可能性を指摘するよりも、これまでの通説と違う結果をアピールした厚生労働省。一方、可能性がある以上、この点を強調したい東北大学。要は、主張のポイントをどこに置くかということではないでしょうか。現実は、まだ解明できていないということだと思います。
でも、下痢と大腸癌の関係については、ちょっと気になりませんか?2つの研究とも同様な見解です。ただ、大腸癌と関係しているとすれば、その原因が下痢そのものによるものか、下剤を含めて下痢を起こす要因になったものが関係しているのか。このあたりを、今後の解明していただきたいものです。

4.たかが便秘、されど・・・

便秘と大腸癌の因果関係は、残念ながらまだ解明されていないようです。でも、便秘は、ならないにこしたことはありませんよね?便秘になると、腐った便から発生した有毒ガス・物質が腸壁から吸収され、血液内に入ってしまいます。すると、血流ととともに全身に回り、美容・健康上でさまざまな不調をもたらすのです。肌荒れ・肩こり・だるさ・ストレス・頭痛などがあげられます。
便秘が原因で腸閉塞になり、亡くなった例もあるくらいです。便秘に苦しんでいる方からは叱られるでしょうけど、たかが便秘という風潮はあります。でも、されど便秘なのです。
便秘にいいとされることを、簡単に紹介します。

  • 食物繊維が多い食事をする
  • 脂肪を適度に摂取する
  • 水分を十分にとる
  • 排便を習慣づける
  • おなかをあたためる
  • おなかをマッサージする

下剤の使用には抵抗がある方には、和漢生薬を使ったお薬をおすすめします。熊の胆のうを原料にした熊胆(ゆうたん)を配合した伝統薬「複方熊胆円」です。和漢生薬なので、安心して毎日の生活に取り入れることができます。ただし、熊胆と称しながら、実際には安価な動物胆を使ったものもありますから、お薬選びには注意してください。

5.まとめ

因果関係があるといわれてきた便秘と大腸癌。実際はどうなのかを紹介しました。結論をいえば、まだはっきりと解明されたわけではないということです。

  1. 大腸癌とは
  2. 便秘と大腸癌の通説
  3. 便秘は大腸癌と無関係?
  4. たかが便秘、されど・・・
  5. まとめ

便秘だけでなく、どんな原因でも癌にはかかりたくないものです。でも、便秘と癌との関係を考えるよりも、むしろ、便秘にならないように、日頃の生活に気をつける方がはるかに大切だと思います。
週に2、3回の便通ならば、大腸癌の心配までしなくていいようです。もっとひどい便秘や、ずっと下痢が続く場合は、大腸癌に限らず、何らかの病気の可能性が考えられます。病院に行かれるのが賢明です。

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