「苦しい便秘」の解消法。種類別の原因・生活習慣改善策を紹介!

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「何日も便通がない」「市販の便秘薬を飲んでもすっきりしない」便秘は誰にとっても辛(つら)いものですよね。苦しい便秘は放置し、重篤な病気になってしまうこともあります。便秘解消には、まず便秘になりやすい体質や便秘の種類を知ることが大切です。今回は、便秘解消法をご紹介します。

  1. 便秘の定義
  2. 便秘の種類
  3. 便秘の原因
  4. 便秘の症状
  5. 放置する危険性
  6. 便秘の解消法
  7. 便秘の薬について
  8. 便秘の治療法
  9. 便秘の予防法
  10. 子どもの便秘

この記事を参考にして、便秘にならない体作りをしてみましょう。


1.便秘の定義

便秘は女性に目立つ症状です。女性の80%が便秘経験者で、お腹(なか)の張りや痛みに限らず、頭痛・吐き気・むくみなどの副症状も感じやすいもの。
便秘の感じ方は人それぞれ異なります。一般的には、3日以上の排便がない・週2回以下の排便に留(とど)まっていることが便秘です。

2.便秘の種類

便秘は症状により、急性と慢性が存在します。種類とそのメカニズムを知り、ご自身の状態と比べてみてみましょう。

2-1.急性便秘

多くの便秘は機能性便秘に分類され、胃・小腸・大腸など消化器系臓器の機能低下を示す症状です。大腸の蠕動(ぜんどう)運動が低下することで起こる急性便秘は、一過性であることがほとんど。食物繊維不足・水分摂取不足・環境の変化によるストレスなどが主な原因となっています。
まれに、寝たきりで胃腸機能の低下・無理なダイエットによる極端な食事制限でも起こるものです。

2-2.慢性便秘

慢性便秘も機能性便秘に含まれます。大腸に便が停滞し、数日排便がない状態が日常化することで発生するものです。
慢性便秘にも種類があり、弛緩性便秘・痙攣性便秘・直腸性便秘があります。

 3.便秘の原因

便秘の原因は、それぞれ異なります。年齢や生活習慣によっても変わりますので、ご自身の症状と比べてみてください。

3-1.慢性便秘の種類別原因

3-1-1.弛緩(しかん)性便秘

腹筋や筋力低下する高齢者や出産経験者の女性に多く見ることができます。

3-1-2.痙攣(けいれん)性便秘

ストレスによる自律神経の乱れが原因です。便秘解消薬の乱用で腸が過剰な運動をするため、便秘と下痢を繰り返すのが特徴でしょう。

3-1-3.直腸性便秘

便意が脳に伝わらない・便意を我慢する・浣腸(かんちょう)を頻繁に使うなどの理由で起こります。

3-2.自律神経の乱れ

環境によって、人の体は左右されます。仕事が忙しく、人間関係にトラブルを抱えている人ほど、自律神経の乱れが起こりやすくなるのです。自律神経のバランスが崩れるため、腸の動きも悪くなります。

3-3.食物繊維不足

1日3回きちんと食事を取り、規則正しい生活を送っていない人は、便秘を引き起こしやすくなります。無理なダイエット・少食・偏食も、食物繊維摂取量が減少して便秘になるのです。運動不足も便秘の原因となります。

3-4.排便を我慢する

直腸性便秘に多いともされているのは、排便を我慢すること。便意を感じたときに排便するタイミングを逃し、便の水分が体内に吸収されてしまいます。便が固くなり、出にくい状態になってしまうのです。

3-5.妊娠による腸の圧迫

女性は、妊娠を機に便秘になったという方が多いのです。胎児の成長とともに子宮が肥大して腸管を圧迫し、黄体ホルモンの影響で腸の蠕動(ぜんどう)運動が悪くなります。
食事や運動を見直し、生活習慣で改善するケースが多い便秘です。

4.便秘の症状

便秘の具体的な症状をご紹介します。

4-1.お腹(なか)が張る

腸の蠕動(ぜんどう)運動が低下するため、大腸の便が停滞します。停滞した便は水分がうしなわれて固くなり、お腹(なか)が張ったような感覚を抱くはずです。排便後も残便感を抱くのが特徴でしょう。

4-2.ころころした便が出る

副交感神経の興奮で腸管が緊張し、排便がスムーズに行われない状態です。ころころした便が出て、食後に腹痛を感じることがあります。過敏性腸炎などでも起こりやすく、便秘と下痢を繰り返す傾向があるのです。

4-3.便意を感じない

排便を我慢することが多い方は、排便反射が鈍ってしまいます。直腸に便が運ばれても、なかなか便意を感じなくなるのです。排便まで時間がかかり、便も固くなる傾向があります。

5.便秘解消法

ご自身でできる便秘解消法をご紹介します。無理のない範囲で日常生活に生かしてみてください。

5-1.おすすめ体操

うつぶせ寝になります。ひざは伸ばし、大きく上下に足を動かしてください。バタ足をイメージするといいでしょう。うつぶせ寝になるとき、手のひらでお腹(なか)を温めるようにし、固くなっている部分・少し膨らんでいる部分を指で優しく圧迫します。
うつぶせ寝になることで、腸と骨盤底筋が鍛えられ、排便する力をアップすることができるのです。毎日続けてやってみてください。

5-2.食事法

食物繊維には2種類あります。果物や海藻に多く含まれる水溶性食物繊維は、腸内に溜(た)まった便を柔らかくする作用があるのです。
穀類・根菜・豆などに多く含まれる不溶性食物繊維には、腸内の水分を吸収し、蠕動(ぜんどう)運動を活発化する作用があります。2種類の食物繊維をバランスよく摂取することで、便秘解消につながるのです。

5-3.よく効く食材

便秘解消には、発酵食品がいいとされています。不溶性食物繊維が豊富な納豆と乳酸菌の宝庫であるキムチの組み合わせが最高です。
食物繊維とオリゴ糖を含むバナナにビフィズス菌が配合されているヨーグルトも、便秘解消に役立ちます。腸内の善玉菌増殖や活性化を促すのです。

5-4.効くツボ

便秘解消には2つのツボが効くとされています。へそから左右に指3本分の場所にある天枢と呼ばれるツボです。もう1つは、みぞおちとへその中心にある中かんというツボ。ツボ刺激には、指先をあてて上下に揺らすように行います。仰向(あおむ)けで寝て刺激するとより効果が得られるツボです。

5-5.注意点

便秘解消法を取り入れ、いったんすっきり出るようになったからといって、すぐに元の生活スタイルに戻すことが危険です。便秘にもリバウンドがあり、生活習慣を改めなければ何度でも便秘を繰り返してしまいます。

6.放置する危険性

常に便秘体質の方は、苦しくないなら問題ないと思い込んでしまうことがあります。しかし、便秘を放置することは、腸内に老廃物を溜(た)め込んでいる状態です。本来排出されるべき老廃物が体内に残っていることで、口臭や体臭となって嫌な臭いを出し始めます。
代謝機能低下も起こるため、肥満体質になることもあるでしょう。ダイエットを意識するなら、便秘解消から始めるべきです。
肌のくすみ・ニキビ・乾燥肌などのトラブルも、便秘のサインだと捉(とら)えていいでしょう。
近年注目されているのは、大腸がんのリスクです。便秘が長引く影響で、大腸がんなど深刻な症状が発見されることもあります。大腸がんは、日本の死因第3位です。決して甘くみてはいけません。

7.便秘の薬について

便秘解消に、便秘薬を使うことがあります。一時的にすっきりした感覚を抱いても、腸の蠕動(ぜんどう)運動を鈍くしてしまうことがあるのです。便秘薬の使い過ぎには注意が必要で、腸内の善玉菌の働きを悪くしてしまう作用もあります。
便秘薬を使うより、生活習慣の見直しなどで便秘解消できるよう努力してみてください。

7-1.複方熊胆円

便秘・軟便・腹部の違和感などを解消し、消化器機能を正常化する働きを持つのが複方熊胆円です。原料である熊の胆のうを配合し、胆汁分泌を促す作用があります。古くから解熱鎮痛薬としても使用されるなど、さまざまな病気へ生かされてきました。
腸内環境を改善し、弱った消化器を本来の状態へ戻す効果があります。生薬を使用しており、化学薬品を使うことにためらいを感じている方にはおすすめです。
飲酒の機会が多く疲労感が抜けない方にも効果があり、ダメージを受けた肝臓の働きも高めてくれます。

7-2.刺激性便秘薬

腸の動きを活発にする刺激性便秘薬は、大きくわけて2種類です。
センナ葉・アロエ・漢方である大黄などが属するアントラキノン系と、ビオフェルミンなど医療機関でも処方されることがあるジフェニルメタン系便秘薬があります。
アントラキノン系とジフェニルメタン系の刺激性便秘薬は、大腸をを刺激して腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進する作用が期待できるものです。ヒマシ油など小腸へ刺激を与えて蠕動(ぜんどう)運動を活性化するものもあり、大腸へ刺激を与えるタイプより副作用も少ないとされています。

7-3.機械性便秘薬

便と腸へ水分を与えて排出を促す機械性便秘薬があります。機械性便秘薬の特徴として、便がやわらかく膨らみ、排出しやすい状態へ導くことが挙げられますが、即効性がないことがデメリットでしょう。サトラックスが代表的です。
マグネシウムを加えることで大腸内の水分をコントロールし、蠕動(ぜんどう)運動を促進する働きを持つのは酸化マグネシウムや硫酸マグネシウムなど。マグネシウムは浸透圧が高い物質であるため、腸が吸収して効果を発揮するものです。

7-4.浣腸(かんちょう)

浣腸(かんちょう)は、肛門(こうもん)から液体を注入して使います。腸内に停滞している便をやわらかくする作用を持ち、便のすべりもよくなる働きをするものです。主成分は、グリセリンやソルビトールが一般的。浣腸(かんちょう)が苦手な方は、ほかの便秘薬を希望するケースもあります。

8.便秘の治療法

便秘症状が長引くなら、肛門(こうもん)科・消化器内科などを受診して、早めの治療を受けるようにしてください。下剤や整腸剤などを用い、正常な便通に戻す治療が施されます。
弛緩(しかん)性便秘なら、食物繊維をなるべく多く取ることで解消するでしょう。しかし、痙攣(けいれん)性便秘では同じ方法では解消することはありません。
便秘の診察には問診後、お腹(なか)の触診で便の状態を確認します。必要に応じ、血液検査・腹部レントゲン・大腸内視鏡検査を行うのが一般的です。胃・小腸・大腸・肛門(こうもん)など臓器から始まる症状なら、命の危険性も高まるため便秘の治療は早めに行うべきでしょう。

9.便秘の予防法

便秘は、まず原因を知ることが解消への第一歩となります。ご自身の便秘に合う治療法も大切です。

9-1.生活習慣の見直し

生活習慣で改善するなら、食生活・運動・体質改善で便秘解消が可能でしょう。
ヘルシーな食事ばかりでは、かえって便秘を招くことがあり、油脂類を含む食品の摂取も大切です。スムーズな排便が望めます。普段から水分摂取量が少ない方は、朝目覚めに1杯の水を飲むように心がけてください。朝の水は、腸を刺激して排便を促すきっかけになります。

9-2.お腹(なか)や腸のマッサージ

腰回り・腹部・腰は温めるようにしましょう。血流がよくなり、腸の動きも活発化します。腹巻きやカイロを上手に活用し、冷えが起きないように配慮してください。
入浴時の温まった体にマッサージを行う方法もおすすめです。入浴後に仰向(あおむ)けになり、腰の下に枕を入れて腹部を伸ばすように横になります。4本の指でへそ周辺を「の」の字を描くように、30回ゆっくりとマッサージしてみましょう。ポイントは、右回り。溜(た)まった便が排出されるよう、右回りで排便を促してみてください。

10.子どもの便秘

子どもの排便は、特に心配ないものが多いのですが、長引くようなら受診することをおすすめします。

10-1.月齢別の排便状況

月齢により回数が異なります。

  • 新生児期(8〜10回)
  • 生後6か月まで(5〜6回)
  • 生後6か月〜1歳(2〜3回)
  • 1歳以降(1〜2回)

子どもの便秘は一時的であることが多く、長引かないなら心配はいらないでしょう。便の回数より臭い・固い状態が重要で、 同じような便が続くなら受診すべきです。
乳児期の場合、母乳やミルク不足が原因で便秘を起こすことがあります。授乳回数やミルクの飲み具合などを確認し、受診する際の参考にしてみてください。日常生活の状態がわかれば、医師も指導する指針とすることができます。

10-2.治療法

子どもの場合、投薬治療より先に自宅でも改善の糸口はあります。対処法はさまざまですが、スキンシップも兼ねて実践してみてください。

10-2-1.乳児期のケア

自分では動けない月齢では、運動不足によるものが原因です。仰向(あおむ)けにして足を伸び縮みする運動を取り入れ、腸を刺激する運動が効果的でしょう。綿棒で肛門(こうもん)を優しく刺激する方法もおすすめ。大人用綿棒の先端にオイルをつけて行います。

10-2-2.幼児期のケア

離乳食で便が固くなることがあります。腹筋が未発達でいきむ力も弱いのも、幼児期に見ることができる特徴です。野菜など食物繊維が多く含まれる食材を取り入れることを意識しましょう。水分も積極的に取り入れてください。

10-2-3.自己療法でもダメなら小児科へ

上記の自己療法を取り入れても改善がないなら、早めに小児科を受診してください。 月齢別に合う治療法を提案してもらえるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?便秘解消には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を含む食材をバランスよく取り、規則正しい生活を心がけることで改善することが多いのです。便秘解消法で一時的に改善したからといって、普段とおりの生活に戻してしまい、便秘のリバウンドも起こります。期限を定めず、健康を意識した食生活や生活のリズムを大切にしてください。
安易に便秘薬に頼ると、腸の蠕動(ぜんどう)運動機能低下を招きかねません。
子どもの便秘は月齢により、発症原因は異なります。母乳・ミルクの飲み具合や食生活など、きちんと医師へ伝えられるようにし、的確な医療を受けられるようにしてください。

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