
便秘体質は遺伝するの? 解消法はあるの?
2015/05/21
2015/05/22
監修: 快適ヘルシーライフ編集部
「赤ちゃんや子どもは便秘をしない」と思っている方もいますが、小さい子どもでも便秘になることもあります。
「自分が便秘体質だから、子どもにも遺伝したのだろうか」と悩んでいる方もいるでしょう。
そこで、今回は便秘と遺伝についてご説明します。
便秘体質が遺伝した場合は、一生便秘で悩むことになるのでしょうか?
また、便秘体質を改善する方法などもご紹介します。
自分が便秘体質なので子どもに遺伝していないかどうか心配という方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
目次
1.便秘体質とは?
まず始めに、便秘体質についてご説明しましょう。
長年誰にも相談できずに悩んでいる方もいるのです。
1-1.便秘しやすい体質とは?
便秘は、最もポピュラーな体の不調です。
「生まれてから1度も便秘したことがない」という人の方が、少ないと思います。
便秘の原因はさまざまです。
ストレスで便秘になる方もいるでしょうし、旅行中など家を離れると便秘になる方もいるでしょう。
また、妊娠したら便秘になってしまったという方も多いです。
便秘体質の人は、普通の人よりも便秘になりやすく解消しにくいといわれています。
中には、便秘が何日も続いておなかがポッコリ膨らんでしまう人もいるのです。
1-2.便秘体質の人が抱えやすい問題とは?
便秘体質の人は、しょっちゅう便秘になります。
本人もなぜ便秘になるのかわからない場合も多いでしょう。
そして、解消までに時間がかかります。
普通の人は、2日~3日便通がないと下腹付近が重くなったり食欲がなくなったりしやすいです。
しかし、便秘体質の人は7日以上便が出ない場合も珍しくありません。
また、便秘を解消する食事や体操などをしても便秘が解消しにくく、市販の便秘薬を飲んでやっと解消する場合も多いです。
ですから、便秘体質の人は便秘の悪影響を受けやすいでしょう。
一例をあげると、肌が荒れやすかったり、体重が増えやすかったりします。
また、頑固な便秘は腸の病気の原因になる場合もあるのです。
さらに、硬い便を無理やりだすと、痔(じ)にもなりやすくなるでしょう。
2.便秘体質は遺伝するの?
「親が便秘体質だから、子どもも便秘体質になるのだろうか?」と悩んでいる方もいるでしょう。
特に、赤ちゃんや小さな子どもが便秘になると「やっぱり遺伝したかも」と心配になりますね。
結論から申し上げると、便秘体質が遺伝することはほとんどありません。
ごくまれに、「一般の人よりも腸が長い」という人がいて、その体質が遺伝した場合は便秘しやすくなります。
しかし、ほとんどの便秘体質は生活習慣が原因です。
また、赤ちゃんや小さい子どもの便秘は、食事や生活の変化が原因の場合が多いでしょう。
ほとんどは、時間とともに解消します。
もし、なかなか改善しない場合は小児科医に相談しましょう。
3.便秘体質になりやすい生活習慣とは?
では、便秘体質になりやすい生活習慣とはどんなものがあるのでしょうか?
この項では、その一例をご紹介します。
3-1.食生活の乱れ
- 子どもが偏食のため、つい子どもが喜びそうなメニューばかりを作る。
- 共働きで仕事が忙しいので、外食や弁当が多い。
このような食生活をしていると、親子で便秘になりやすいです。
子どもが喜ぶハンバーグやオムライスのような料理は、肉や炭水化物が多いのが特徴。
また、外食やお弁当も野菜が少ないです。
さらに、納豆やみそ、ヨーグルトといった発酵食品も外食やお弁当にはあまり使われていません。
つまり、野菜や発酵食品不足が便秘体質を作りだしているのです。
子ども向けメニューを作る際は、具だくさんのおみそ汁をそえる。
外食をしたりお弁当を買ったりする場合は、野菜中心のメニューを選ぶなど工夫してみましょう。
また、さつまいもやヨーグルトなどはおやつにもなります。
3-2.運動不足
便秘体質の人は、腸の動きが弱い場合が多いです。
運動不足になると、全身の筋肉が落ちるでしょう。
当然腹筋も弱くなり、おなかの中にある腸も下にさがります。
こうなると、腸を動かす力も弱くなってしまうのです。
また、運動で腹筋が刺激されれば腸の動きも活発になりやすいでしょう。
最近は、外で遊べる場所も減って運動不足の子どもも増えています。
意識して運動しないと、子どもでも便秘体質になる可能性があるのです。
3-3.寝不足
意外に思われますが、寝不足と便秘は関係があります。
腸の動きをつかさどる「副交感神経」は、寝ている間や入浴中などリラックスしているときに活発化するのです。
ですから、夜更かしをして寝不足になると副交感神経が鈍り、便秘体質になりやすいでしょう。
最近は、中学受験をする子どもも増え、小学校4年生くらいから夜遅くまで勉強する子どもも多いです。
また、親が夜遅くまで起きていると子どもも一緒になって起きている場合があります。
最近便秘が続いているという方は、早寝早起きを心がけてみましょう。
それで便秘が改善する場合もあるのです。
4.漢方で体質を変えてみよう
子どもの便秘は、前述したようなことを見直すだけで改善しやすいです。
しかし、大人の便秘体質は改善までに長い時間がかかるでしょう。
もし、食生活を改善し運動をしても便秘が解消しにくい場合は、漢方薬を試してみましょう。
漢方を主体とした便秘薬の中には、便秘を解消しつつ体質を改善するものもあるのです。
一定期間飲み続ければ、自然な便通がつきやすくなるでしょう。
また、頑固な便秘の場合はまずは便をだすことを優先してください。
「便秘薬を使えば、習慣化するのではないか?」と不安になる方もいるでしょう。
しかし、用法と用量を守って使えば習慣化することはありません。
子どもの便秘にも使える便秘薬も、市販されています。
また、赤ちゃんの場合はオリーブオイルをぬった綿棒でこう門のあたりを刺激してあげると、一気に便秘が解消する場合があるのです。
試してみてください。
なお、便秘の中には病気が原因というものもあります。
生活習慣も変わっておらず、運動もずっとしているのに急に便秘になって治らないという場合は、病院で診てもらいましょう。
腸にポリープできている場合や大腸がんの可能性があります。
どちらも早期発見すれば治る可能性が高い病気ですので、できるだけ早く病院を受診してください。
5.おわりに
いかがでしたか?
今回は便秘体質と遺伝についてご説明しました。
まとめると、
- 便秘体質の原因は遺伝よりも生活習慣によることが多い。
- ごくまれに一般の人より腸が長く、便秘になりやすい体質が遺伝する場合がある。
- 生活習慣を改善すれば、便秘が解消する場合もある。
- 漢方で体質が改善できる場合もある。
ということです。
便秘体質を改善しようと思ったら、根気強く行いましょう。
便秘体質になるのと同じくらいか、それ以上の時間をかけて改善していく気持ちで取り組めば大丈夫です。
ただし、3日以上便秘が続いて苦しい場合は、薬に頼ることも必要。
また、便秘体質の人は水分をあまりとらない方が多いといわれています。
水分を取らないと便が硬くなりやすく出にくくなるのです。
しかし、水分を取るといっても紅茶やコーヒー、緑茶は利尿作用があり便秘解消に向きません。
便秘を解消するために取るならば水や麦茶がお勧めです。
子どもに普段与える水分も、麦茶ならば健康的でしょう。
スポーツドリンクは、糖分と塩分が取りすぎになる場合もあるのです。