高齢者の便秘の原因

高齢者になると便秘になりやすくなる?その原因と解消法は?

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年を取るにしたがって便秘がちになった、という方は意外と多いのです。
若いときは便秘知らずだったという人も、油断はできません。
では、なぜ高齢者は便秘になりやすいのでしょうか?
そこで、今回は高齢者が便秘になりやすい原因や解消法をご紹介します。
便秘は多くの人が悩んでいる体の不調です。
ですから、解消方もたくさんあります。
しかし、高齢者が便秘を解消するには、注意が必要なのです。
年を取ってからどうも便秘がちになったという方は、この記事を読んで解決のヒントをつかんでくださいね。

目次

  1. 高齢者が便秘になりやすい原因とは?
  2. 高齢者が便秘になるリスクとは?
  3. 高齢者の便秘を予防したり解消したりする方法とは?
  4. おわりに

1.高齢者が便秘になりやすい原因とは?

この項では、高齢者が便秘になりやすい原因をご紹介します。
いったいどんな原因はあるのでしょうか?

1-1.筋力の低下

年を取ると、筋力は低下していきます。
特に、運動の習慣がない人ほど筋肉は落ちやすいでしょう。
もちろん、腸を支える腹筋も少なくなっていきます。
筋力が低下すれば、下腹がぽっこりと出て便秘にもなりやすくなるのです。

1-2.食生活の変化

年を取ると、胃腸もだんだんと弱ってきます。
若いときより食事量が少なくなった、という方も多いでしょう。
食事量が少なくなれば便の量も少なくなります。
便意が起こるには、ある程度便の量が必要なのです。
ダイエットで食事制限をしているときも、便秘になることがありますね。
つまり、ある程度量を食べないと便秘になりやすいのです。
また、水分不足も便秘の原因になります。
年を取るとのどの渇きを感じにくくなるため、水分摂取量が減りがちになるのです。
水分を取らなければ、便も硬くなって出にくくなるでしょう。
また、高齢者の中には「トイレが近くなるから」と意識して水分を控える人もいます。
しかし、水分を控えすぎても健康に悪影響が出るのです。

1-3.飲んでいる薬の影響

年を取ると、薬を常用する人が増えます。
何も薬を服用していない、という高齢者は少ないでしょう。
薬によっては副作用で便秘になるものもあります。
薬の注意書きに、そのことが書いてあるものもあるでしょう。
薬の副作用による便秘は、薬を飲み続ける限り改善が難しいのです。

2.高齢者が便秘になるリスクとは?

では、高齢者が便秘になるとどのようなリスクがあるのでしょうか?
この項では、その一例をご紹介します。

2-1.便秘が悪化しやすい

便秘は、軽いものから重いものまであります。
軽いものは食生活を改善したり運動をしたりすれば改善するでしょう。
しかし、便秘が続くと便が硬くなって病院での処置が必要になる場合もあります。
高齢者は一度便秘になるとなかなか改善せず、病院での処置が必要になるほど便秘が悪化する場合が多いのです。

2-2.消化器官全体に影響が出る

便秘が続くと下腹が張って、食欲が落ちる人も多いでしょう。
高齢者の場合は通常でも食事量が減っている人が多いので、便秘で食欲が落ちれば栄養不足になる可能性もあります。
また、腸が動かなければ胃も消化不良を起こす場合もあるでしょう。
ですから、便秘が消化器官全体に悪影響を与えるのです。
さらに、栄養が不足すれば抵抗力も落ちて感染症などにかかりやすくなります。

2-3.便秘薬が効きにくい

便秘を解消するためには、便秘薬の服用も効果的です。
しかし、高齢者の中には便秘薬が効きにくい人もいます。
そうかといって、効果の強い便秘薬を処方すると今度は下痢になってしまう場合もあるでしょう。
高齢者が下痢をすると、若い人より脱水症状を起こす確率が高くなります。
また、便秘薬の使い過ぎは腸をいためますし、飲んでいる薬によっては便秘薬が使えない場合もあるのです。

3.高齢者の便秘を予防したり解消したりする方法とは?

高齢者が便秘になった場合は、どのように解消すればよいのでしょうか?
この項では、高齢者の便秘を解消する方法を予防法とともにご紹介します。

3-1.努力して運動をする

高齢者は、どうしても運動不足になりがちです。
しかし、便秘を解消したり予防したりするためには、できる限り運動をしましょう。
足腰が弱ってきても、いすに座って上体をひねるだけでも腹筋を鍛える効果があります。
また、足腰が丈夫な人は散歩や気分転換を兼ねて歩くのも効果的。
「ひとりでは運動が続かない」という方は、シルバー向けの運動サークルに入るのもお勧めです。

3-2.水分を積極的に取る

高齢者は渇きを感じにくくなるため、水分の摂取量が少なくなりがちです。
水分不足は便秘以外にも、脱水症状を起こす恐れがあります。
また、年を取ると嚥下(えんげ)能力も低下しますから、水分なしの食事は食べ物をのどに詰まらせる危険があるのです。
ですから、食事中は努めて水分を取りましょう。
スープやみそ汁など、汁気の多いおかずでもかまいません。
ただし、アルコールはかえって体内の水分を尿として排出してしまうので注意が必要です。
お酒をたくさん飲むという方は、少し量を控えてみてください。
また、いつでも水分が摂取できるように、麦茶や水を入れた水筒を手元に置いておくのもお勧めです。

3-3.食事内容を工夫する

高齢者の食事は便秘にならないように、乳酸菌や食物繊維を含んだものを中心にするとよいでしょう。
しかし、高齢者になると歯が弱って硬いものをかめない人が増えていきます。
そこで、野菜はみじん切りにしたり長時間煮こんで柔らかくしたりするなど、工夫が必要です。
また、年を取って自炊が大変になったら、高齢者向けの宅配弁当を利用してもよいでしょう。
スーパーの惣菜(そうざい)よりも、栄養バランスが優れています。
さらに、乳酸菌飲料などを取るのも効果的。
「ヨーグルトなどの乳製品が苦手」という人は、みそや納豆にも腸内の善玉菌を増やす乳酸菌が含まれていますから、塩分に気をつけて積極的に取りましょう。

3-4.便秘であることを医師に相談する

「便秘になったことを相談するのは恥ずかしい」と思っている人も多いでしょう。
しかし、薬が原因で便秘になった場合は、その薬の服用をやめない限り便秘は改善しません。
「副作用として便秘になる可能性があります」という薬を処方されて便秘になった場合は、すぐに医師に相談してください。
副作用の出方には個人差があります。
どの程度副作用が出るのか、医師も処方してみないと分からないのです。
ですから、薬の影響で便秘になった場合はすぐに薬を変えてくれるでしょう。
がまんする必要はありません。

4.おわりに

いかがでしたか?
今回は、高齢者が便秘になりがちな原因とその解消法をご紹介しました。
まとめると

  • 高齢者は筋力も落ち、食事量も少なくなるので便秘になりやすい。
  • 高齢者が便秘になると、悪化しやすく改善にも時間がかかりやすい。
  • 意識して運動したり、便秘解消効果のある食べ物を食べたりしよう。
  • 薬が原因で便秘になったら、すぐに医師に相談しようということです。

また、年を取るほど便意も起こりにくくなるでしょう。
ですから、トイレに行く回数も減ってくると思います。
そこで、毎朝決まった時間にトイレに行くのも効果的です。
たとえ便意がなくてもトイレに座っていれば、腸が動き出すこともあるでしょう。
さらに、朝起きたときに白湯(さゆ)をゆのみ一杯飲んでも腸が動きやすいです。
高齢者の便秘は年のせいでもありますが、努力しだいで改善することも多いでしょう。
運動や食生活に気を配って、気長に改善していってください。
なお、便秘薬を使う場合は事前に医師に相談しましょう。
高齢者の場合は市販の便秘薬を使いすぎると、健康に悪影響が出る恐れがあります。