膝の痛みで階段がつらい方

膝の痛みで階段がつらい方必見! 関節症を退治する治療法と予防法!

監修: 光伸メディカルクリニック院長 中村 光伸  免責事項について

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最近、膝の痛みがひどくて階段を上がれない……そんな悩みを持っていませんか?

加齢によるものだから仕方がない、と放置してしまう人も多いことでしょう。しかし、関節症は症状が進むと苦痛がひどくなり、『うつ病』にかかりやすくなるという報告もされています。絶対に放置してはいけません。

そこで、今回は関節症の代表格『変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)』についてご説明します。ぜひ、最後までお付き合いくださいね。

  1. 変形性膝関節症について
  2. 変形性膝関節症の原因
  3. 関節症の治療法
  4. 膝のトラブルを予防するには
  5. 楽に階段を上り下りするコツとは?

1.変形性膝関節症について

膝に何かしらの関節症を持っている方なら、どんな人でも階段の上り下りの際に痛みを感じることでしょう。しかし、階段を上り下りする場合にだけ特に痛む、という場合には『変形性膝関節症』の恐れがあります。

では、具体的にどのような病気なのでしょうか。

1-1.変形性膝関節症とは?

軟骨は弾力性に富んだ構造をしており、主に衝撃の吸収や関節の動きをスムーズにさせる働きを持っています。 この軟骨がさまざまな要因ですり減ったり、欠けたり、形が変わる病気が『変形性膝関節症』です。

初期の変形性膝関節症は、関節軟骨がすり減った状態ではありますが、自覚症状はほとんどありません。そのため、多くの人が気が付かずに放置してしまうようです。

放置して中期に入ると痛みがはっきりと自覚できるようになり、立ち上がり動作や歩行動作、膝の曲げ伸ばし動作がつらくなってくるでしょう。また、中期では炎症が発生するため、膝の周辺に熱感や、腫れ、むくみ、膝に水がたまるといった症状が現れます。人によっては膝の変形がひどくなり、膝を動かすとコリコリ、ガリガリといった音が出るようになるでしょう。

初期~中期を過ぎて末期になると、軟骨がさらにすり減って関節の土台の骨である軟骨下骨(なんこつかこつ)が露出したり、骨棘(こつきょく)とよばれる骨が変形するようになります。骨の変形が相当進んできますので、外見的にも関節の変形が目立ってくるでしょう。硬い骨同士が直接ぶつかり合うため強い痛みを感じます。曲げ伸ばしの制限もひどくなるため、日常生活において大きな障害となるでしょう。 仕事はもちろん、買いものや旅行なども思うようにできなくなるため大きなストレスがたまり、『うつ病』にかかりやすくなります。また、外に出なくなることで脳への刺激が減り、認知症の症状が現れてくる人もいるようです。

変形性膝関節症は適切な治療を受ければ症状の進行を遅らせられます。若いころのように自由な動きはできませんが、普通の日常生活を送ることができるはずです。膝の痛みに気が付いたら、早めに病院へ行ってくださいね。

1-2.変形性膝関節症の兆候

どのような症状が出たら変形性膝関節症と疑うべきなのでしょうか。

1番早く現れる症状は、膝がこわばるような軽い違和感です。膝に多少の痛みが出ることもありますが長続きはしません。しばらく休むと痛みがなくなるのが特徴です。

サインを見逃さず、病院へ行くようにしましょう。

2.変形性膝関節症の原因

変形性膝関節症は大きく分けて『1次性』のものと『2次性』のものに分類されます。

1次性の主な原因

変形性膝関節症の多くは、筋肉の衰えや肥満、無理な動作などによって関節の軟骨がすり減ることで発症します。このように明確な原因が特定できないものが『1次性変形性膝関節症』です。

  • 加齢
  • 女性
  • 筋肉の衰え
  • 肥満
  • 膝への負担が大きいスポーツ
  • O脚や偏平足など足部の変形
  • 足に合わない靴およびハイヒール

2次性の原因

1次性が原因の明確でないものを指すのに対し、ケガや病気など原因となるものがはっきりとしているものを『2次性変形性膝関節症』といいます。

  • 膝周辺の骨折による軟骨の損傷
  • じん帯損傷
  • 半月板の損傷
  • 膝蓋骨(しつがいこつ)の脱臼
  • 膝関節のねんざ
  • 慢性関節リウマチ

3.関節症の治療法

変形性膝関節症の治療法にはいくつか種類があり、症状の重さや内容に合った方法をいくつか組み合わせて治療します。薬物療法、温熱・冷却療法、運動療法、といった『保存療法』が基本です。これらの治療でも痛みが緩和されない場合には『外科療法』を行います。

3-1.保存療法

『薬物療法』では、シップの貼り付けや消炎鎮痛剤の服用を行います。膝に水がたまる症状がある場合には、関節内にステロイド剤、ヒアルロン酸などの薬を注射することもあります。

『温熱・冷却療法』では症状に合わせて患部を温めて血行をよくしたり、炎症を抑えるために冷やしたりします。

関節の柔軟性を高めたり、周囲の筋力を高める運動を行うのが『運動療法』です。実は、膝の痛みというのは太ももの表面筋肉である『大腿四頭筋(だいたいしとうきん)』の衰えが原因で起きるケースが多く見られます。大腿四頭筋というのは膝関節を支え、膝を伸ばす働きをする筋肉です。そのため、この筋肉を強化することは症状進行を遅らせることにつながります。

とはいえ、関節がこわばって動きが制限されている人もいるでしょう。このような場合には、関節を無理のない範囲で動かして柔軟性を高めることで対処します。

3-2.外科療法

骨の破壊や変形が進行する末期になると、保存療法を行っても症状が軽減できなくなります。そこで行うのが、『外科療法』です。手術の内容には内視鏡(ないしきょう)を使って行う簡単なものから骨を部分的に切除するもの、傷んだ関節部分を人工関節に取り替えるものがあります。どの手術を行うかは、症状の内容や骨の変形具合、年齢などを考慮して決定されます。

4.膝のトラブルを予防するには

膝のトラブルを予防するにはどのようなことをすればよいのでしょうか。この項目では予防するためにすべきことをご紹介します。

4-1.筋肉の衰えを防ぐ

すでに述べたとおり、膝のトラブルを引き起こす主な原因は大腿四頭筋の衰えです。歳(とし)をとってくるとどうしても家の中で過ごしがちですが、筋肉の衰えを防ぐためにある程度の運動は行うようにしてください。

とはいえ、膝に大きな負担のかかるスポーツは控えましょう。バレーボールやバスケットボール、サッカー、テニスなどは膝に衝撃がかかるためあまりおすすめできません。では、膝に負担がなく、筋力を効率よく鍛えられる運動は何なのでしょうか。

実は『水泳』なのです。水泳はスポーツ選手が膝や腰などをケガした際にリハビリとして行うことで知られています。これは、関節面の負担が少なく、筋肉をよく使うので、関節を怪我した時のリハビリテーションとしては最適です。

4-2.肥満を解消する

膝のトラブルは肥満も大きな原因。運動を行ってダイエットすれば、予防になることは間違いありません。

ここでもおすすめなのが水泳。水泳は関節面の負担が少ないだけでなくダイエット効果も非常に優秀です。実はあらゆるスポーツの中でも最もカロリーを消費する運動といわれています。一説によれば、水泳はジョギングに比べ、1時間あたりの消費カロリーが『3倍』にもなるそうですよ。

4-3.食事に気を付けよう

食習慣を改善することも重要です。骨や筋肉を強くするために、カルシウムやタンパク質などの栄養素を積極的にとるようにしましょう。

5.楽に階段を上り下りするコツとは?

膝にトラブルを抱えている人が1番困ることといえば、階段の上り下りではないでしょうか。日本は土地不足を補うために二階建てや三階建ての家が増えており、また急角度の階段も増えています。膝に痛みを抱えている人にはさぞつらいことでしょう。

実はちょっとしたコツを知っておくと比較的楽に階段を上ることができます。では、どのようなことに気を付けると階段を楽に上がることができるのでしょうか。

5-1.手を前に差し出す

方法はとても簡単で、階段を上る際に『手を前に差し出す』だけです。前傾姿勢になると前へ倒れる力が働くため、その分の力をかけずにすみます。

分かりつらい方は垂直跳びを思い浮かべましょう。走ってスピードを付けると高く跳ぶことができますが、その場で垂直跳びしてもあまり高くは跳べません。もちろん、これは極端な例ですが、これに近い働きが生じるため、楽に上がれるというわけなのです。

ですから、手を前に差し出さずとも、前傾姿勢になって昇れば問題はありません。あくまで手を差し出すのは、重心を前に傾けるためのものです。

5-2.お尻に手を当てる

坂道や階段などで時々お尻に手を当てて上っている人がいます。実はこれも前傾姿勢がポイントです。お尻に手を当てると前傾姿勢になりやすいので上るのが楽になります。

まとめ

いかがでしたか?

今回は変形性膝関節症について中心にご紹介しました。

  1. 変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)』について
  2. 変形性膝関節症の原因
  3. 関節症の治療法
  4. 膝のトラブルを予防するには
  5. 楽に階段を上り下りするコツとは?

関節のトラブルは非常につらく、うつ病を発症する人もいます。早期に病院での診断を受け、進行を遅らせるのが1番大切なことです。加齢によるものと諦めないで、必ず病院へ行きましょう。

光伸メディカルクリニック院長中村 光伸

監修者

中村 光伸
光伸メディカルクリニック(東京 新宿)院長
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科認定スポーツ医
日本整形外科認定リウマチ医
日本体育協会公認スポーツドクター
日本抗加齢学会認定専門医
日本胎盤臨床医学会認定専門医
日本美容皮膚科学会
日本レーザー治療学会

東京生まれ。北里大学医学部卒業、北里大学整形外科入局。
学位習得後、フンボルト大学外傷再建外科学(ドイツ)・チャンガン大学形成外科美容外科(台湾)へ留学。 Jリーグヴァンフォーレ甲府チームドクター、山梨学院大学陸上競技部(駅伝)チームドクターを歴任。 北里大学整形外科専任講師、北里大学救命救急整形外科部長、松倉クリニック&メディカルスパ等を経て、2011年12月、自身の理想とする医療を実現するため「光伸メディカルクリニック」を開業。 “リバースエイジング・健康寿命を延ばす”を命題に“見た目”の大切さと“動き目”の大切さを唱え、「整形外科」「美容外科」「美容皮膚科」「リハビリテーション科」を一つの科として診療している。

著書
「3か月で10歳若返る わたしはリバースエイジングドクター」(H304月1日発刊予定) メディア掲載歴
『Domani』2018年3月号、『VoCE』2017年11月号、『厳選 クリニックガイド』、『VOGUE』2017年9月号、『VoCE』2017年4月号、『VoCE』2017年3月号、『ViVi』2016年8月号、『VoCE』2016年6月号、『InRed』2016年6月号、『VOGUE』2016年1月号、『DRESS』2016年2月号、『MAQUIA』2016年2月号、『VoCE』2015年2月号、『VOGUE』2015年1月号、『MyAge』2015年秋冬号、他多数