
腹痛を伴う下痢が起こる原因は? 対処法と予防方法を徹底解説
2015/11/02
2015/11/10
監修: 快適ヘルシーライフ編集部
下痢は性別や年代にかかわらず起こる体調不良の一種です。
下痢だけでもつらいですが、腹痛も同時に起こることも少なくありません。
では、なぜ下痢になると腹痛も起こりやすいのでしょうか?
そこで、今回は下痢で腹痛が生じる原因をご説明します。
ドラッグストアに行くといろいろな下痢止めが販売されていますが、下痢止めを飲めば腹痛もやわらぐのでしょうか?
頻繁に腹痛を伴う下痢になるという方は、ぜひこの記事を読んで対処法の参考にしてください。
目次
1.下痢と腹痛の関係とは?
下痢は、腸の運動が過敏になることによって起こります。
通常ならば、胃で消化された食べ物は時間をかけて小腸から大腸へ送られるのです。
しかし、何らかの原因で腸の運動が過敏になってしまうと、消化しかけの食べ物が通常の何倍ものスピードで腸内を通過し、体外へ排出されます。
そうなると、本来なら吸収されるはずの水分もそのまま体外へ出てしまうのです。
そして、腸が激しく動くことによって痛覚神経が刺激されて痛みを感じます。
下痢のときはおなか全体に痛みを感じる人も多いでしょう。
それは、腸がおなかをとりまくように体内に収まっているからです。
下痢が激しいほど内臓の動きも活発になり、おなかがしぼられるように痛くなるケースが多くなります。
2.腹痛が伴う下痢が起こる原因とは?
では、腹痛を伴う下痢が起こる原因には何があるのでしょうか?
この項では、その一例をご紹介します。
2-1.食べ過ぎや飲み過ぎ
食べ過ぎや飲み過ぎで胃腸に負担がかかりすぎると、食べ物を消化しきれずに下痢になります。
これから年末にかけてごちそうを食べる機会も増えますから、食べ過ぎが原因で下痢になる人も増えてくるでしょう。
胃や腸の中に食べ物が無くなれば、治まることが多いです。
2-2.冷え
おなかを冷やしすぎても内臓の動きが活発になり、下痢になります。
寒い季節でも、忘年会などではビールを飲む人が多いでしょう。
冷たい飲み物は内臓を直接冷やします。
ですから、ビールだけでなく冷たいソフトドリンクの飲み過ぎにも注意してください。
2-3.食中毒
食中毒というと夏の病気というイメージがありますが、冬でも食中毒は発生します。
また、これからの季節においしくなる「カキ」は、調理の仕方によって食中毒の原因となる可能性が高まるのです。
食中毒になると体は一刻も早く毒素を出そうと、激しい下痢を起こさせます。
ですから、脱水症状にも気をつけなくてはなりません。
2-4.病気
これからの季節に流行するノロウィルスに感染すると、激しい下痢と腹痛が起こりやすいです。
また、あまり衛生状態のよくない国へ旅行をすると、下痢と腹痛を伴う病気に感染しやすいでしょう。
海外旅行をした直後に激しい下痢と腹痛が起こった場合は、すぐに病院へ行ってください。
病気によっては隔離が必要になります。
2-5.ストレス
腸は第二の脳と言われるくらい、ストレスに敏感です。ですから、過度にストレスがかかる生活を続けていると、腹痛を伴った下痢が頻繁に起こる可能性があります。特に、「過敏性大腸症候群」になってしまうと、腹痛が怖くて外出もままならなくなってしまう場合もあるでしょう。
3.腹痛を伴う下痢の対処法とは?
では、腹痛を伴う下痢になってしまったらどうすればよいのでしょうか?
この項では、その対処法の一例をご紹介します。
3-1.おなかを温め、整腸剤や下痢止めを使う
食べ過ぎや飲み過ぎ、さらに冷えによる下痢の場合は整腸剤や下痢止めを使っておなかの調子を整えてください。
冷えによる下痢の場合は湯たんぽなどで、おなかを温めてあげるとより効果的です。
また、胃腸の調子が回復するまで、消化のよいものを食べましょう。
油っぽいものや食物繊維が多いものを食べると、下痢がなかなか止まりません。
もちろん飲酒も控えてください。
3-2.水分を摂取しながら、下痢が治まるのを待つ
食中毒や病気による下痢の場合は、無理に止めようとすると毒素やウィルスが長い間体内にとどまることになります。
ですから、下痢止めなどは使用してはいけません。
ただし、下痢になると体の中の水分まで出てしまいますから、脱水症状になる危険があります。
そのため、スポーツドリンクや白湯(さゆ)などを少しずつ飲んで、水分を補給してください。
ただし、あまりにも下痢の症状が激しかったり体力が減少したりしている場合は、点滴で水分を補給する必要があります。
ですから、激しい下痢が一晩続いたら、病院を受診してください。
特に、子どもや高齢者は脱水症状が早く進む場合があります。
3-3.ストレスをためない生活を心がける
過敏性大腸症候群になると、身体的にはどこも悪くないのに下痢が止まらなくなる場合があります。
また、腹痛を感じる時間は平日の朝から午前中が多く、午後や休日は全く起こらない、というケースも少なくありません。
過敏性大腸症候群はストレスをためやすい人や、感情表現が苦手な人に発症しやすいのです。
ですから、下痢止めや整腸剤の処方とともに、精神的なケアをする必要もあるでしょう。
また、ストレスをためない生活を心がけることも大切です。
4.年末年始は生活の乱れに要注意
これから年末にかけては、忘年会やクリスマスなどの行事が目白押しです。
ですから、食生活が乱れる方も多いでしょう。
また、年末が近づくと仕事が忙しくなる方も少なくありません。
つまり、生活のリズムも崩れがちです。
こんなときに胃腸に負担をかけすぎると、腹痛を伴う下痢になりやすいでしょう。
今日は飲み会、というときは前日に睡眠をしっかりとり、体調を整えてから参加してください。
また、胃腸の調子が悪いときはお酒や冷たい飲み物は控えましょう。
さらにカキや魚介類はしっかりと加熱してから食べてください。
忘年会は鍋料理も多いですが、生煮えのものを食べると食中毒が起こりやすいです。
さらに、取り箸と食べる箸をきちんと分けましょう。
生の肉などをつかんだ箸で食事を続けても、食中毒にかかりやすいです。
なお、ノロウィルスに感染した家族を看病するときは、薄い医療用の手袋を使い、吐しゃ物などは塩素系の漂白剤入りの水ですすいだぞうきんで始末しましょう。
そうすれば、感染を防ぎやすくなります。
ノロウィルスは学校などで流行することが多いので、子どもを持つ親は十分に注意してください。
5.おわりに
いかがでしたか?
今回は腹痛を伴う下痢の原因や対処法をご紹介しました。
まとめると
- 下痢は腸の過敏な運動によって起こる。
- 腸が過敏に動くと痛覚神経を刺激して腹痛が起こりやすい。
- 冬は冷えや暴飲暴食などでも下痢になる場合がある。
- 冬でも食中毒は発生する。
- ストレスが原因で下痢になることもある。
ということです。
下痢になる原因はたくさんありすぎて、すぐに原因を突き止められないことも多いでしょう。
ですから、下痢になったらまずは昨日食べたものを思い出してください。
心当たりがなければ、冷えや病気を疑いましょう。
おう吐の症状も出たのなら、ノロウィルスに感染した可能性が高いです。
この場合は、症状が落ち着いたら病院へ行きましょう。
特に何の心当たりもなく熱もないのに下痢が止まらない場合は、ストレスの可能性があります。
下痢の治療をしつつ心療内科を受診するのもお勧めです。