
にんにくで便秘が解消できる?その理由と効果的な食べ方を紹介!
2016/01/14
監修: 快適ヘルシーライフ編集部
にんにくといえば、スタミナ食として有名です。
疲れたときなどは、にんにくを食べると元気が出るという方も多いでしょう。
しかし、にんにくは便秘解消の効果もあるのです。
そこで、今回はにんにくが便秘解消効果のある理由や、摂取の仕方などをご紹介しましょう。
ただにんにくをたくさん食べればよい、というわけではありません。
また、生と火を通したものでは効果も違うのです。
便秘に悩んでいる方はぜひこの記事を読んで、便秘解消の参考にしてください。
1.にんにくが世界中で食べられている理由とは?
にんにくはユリ科の多年草で、約6千年前から食用や薬用として珍重されてきた野菜です。
イタリア料理や韓国料理などは、料理の多くににんにくが使われています。
にんにくといえば、あの強烈な臭いをイメージする方も多いでしょう。
この臭いの元は、「アリシン」という物質です。
アリシンはビタミンB1の吸収を高めるという効果があります。
ビタミンB1は疲労回復効果があり、ぶた肉などにたくさん含まれているのです。
ですから、肉とにんにくを一緒に食べると疲労が回復しやすく、元気が出ます。
また、にんにくに含まれているスコルジニンという物質は、強烈な酸化還元作用があるのです。
これが体の中に入ると、新陳代謝が活発になり、強壮や強精作用を発揮します。
ですから、にんにくの成分を抽出したドリンク剤や注射も販売されているのです。
昔は、今よりも衛生状態や栄養状態が悪く、病気になっても薬ではなく、本人の体力が生死を分けました。
ですから、精がつくにんにくは薬としても盛んに使われたのです。
2.にんにくで便秘が解消する理由とは?
さて、前項で紹介した「アリシン」という物質には、腸のぜん動運動を活発にする効果があります。
便秘になる理由はたくさんありますが、腸のぜん動運動の低下もそのひとつ。
腸は、全長7m前後もある管状の器官です。
胃で消化された食べ物は、腸のぜん動運動によって腸の中を移動していき、栄養を吸収されて最後には便になります。
最後のぜん動運動が、便を体外に押し出すこと。
それが鈍くなってしまうと、便を体外へ押し出すことができず、便秘になるのです。
ですから、ぜん動運動が活発になれば便秘も解消しやすくなるでしょう。
また、火を通したにんにくには、独特の甘みが出ます。
この甘みの元はオリゴ糖といって、腸内でビフィズス菌のエサになるのです。
ビフィズス菌は腸内に繁殖している善玉菌の一種で、これが活発になると腸内の環境が改善されて便秘も解消しやすくなります。
にんにくを食べることは、ビフィズス菌にエサをやっているのと同じことなのですね。
3.にんにくの効果的な摂(と)り方とは?
にんにくは、薬効の強い食べ物です。
ですから摂(と)り方を間違えるとかえって便秘が悪化したり、下痢になったりすることがあります。
この項では、便秘が解消しやすくなるにんにくの食べ方をご紹介しましょう。
3-1.にんにくそのものを食べよう
にんにくは、おいしいのですが臭いが強く、食べた後も消えるまでに時間がかかります。
ですから、平日の昼食などには食べられないという方も多いでしょう。
にんにくの成分を抽出したサプリメントでは効果がないの?と思う方もいるかもしれません。
しかし、前述したように、腸のぜん動運動を活発にするのは臭いの主成分なのです。
ですから、できる限りにんにくそのものを食べましょう。
また、アリシンはにんにくの細胞が壊れると活性化します。
ですから、丸のまま食べるよりも刻んだりすりおろしたりしたものを食べた方が、効果があるのです。
ただし、臭いもきつくなるので注意しましょう。
3-2.火を通しても大丈夫
生のにんにくはからみが強く、口に含むとピリッとした刺激もあります。
一方、火を通すと辛(から)みと臭いが弱まって、甘みが出のです。
火を通したにんにくの方が食べやすいという方も多いでしょう。
火を通すと、アリシンは活性化せずに臭いも弱まります。
しかし、アリシンの効果は消えたわけではありませんので、火を通したにんにくを食べても便秘は解消するのです。
ただし、生で食べるよりもたくさん食べなければ、効果は出にくいでしょう。
3-3.食べ過ぎに注意
腸のぜんどう運動を活発にするアリシンは、非常に強い殺菌作用もあります。
ですから、生のにんにくを食べ過ぎると、腸に繁殖している善玉菌までが死滅することもあるのです。
その結果、かえって便秘が悪化したり下痢になったりすることもあります。
生のにんにくは1日1片~3片。
火を通したにんにくは3片~5片が適量です。
にんにくを食べた後で胃が痛くなるようでしたら、それは食べ過ぎの証拠。
しばらくはにんにくの摂取を控えましょう。
3-4.野菜と一緒に食べよう
にんにくは単体で食べてもよいのですが、野菜と一緒に食べるとより効果的です。
野菜には、ご存じのように食物繊維がたくさん含まれています。
ですから、一緒に食べることで、より便秘が解消しやすくなるでしょう。
また、にんにくと相性のよい油といえば、オリーブオイルです。
油は、便の滑りをよくして固い便でもスムーズに排出する効果が期待できます。
ですから、野菜をオリーブオイルとにんにくでいためた料理などは、便秘解消効果が大いに期待できるでしょう。
また、ヨーグルトもビフィズス菌がたくさん含まれているため、腸内の善玉菌を増やす効果があります。
なので、にんにく料理を食べた後に、デザートとしてヨーグルトを食べてみましょう。
また、平日はヨーグルトを食べて、臭いを気にせずにすむ休日前の夜ににんにくを食べても効果的です。
4.にんにくの臭いを消す方法とは?
にんにくを食べると、気になるのが口臭です。
特に、生のにんにくを食べると、長い間臭いが続くこともあります。
ミント系のガムをかんだり口臭を消す薬を飲んだりするのもよいですが、にんにくを食べた後で牛乳を飲むのも効果的です。
また、にんにくを食べ過ぎると胃がもたれることもありますが、牛乳を飲むとむかつきがおさまりやすいでしょう。
さらに、なんとなく体からにんにくの臭いが消えない場合は、熱いお風呂に入って汗を流してください。
血液中に溶けこんだにんにくの臭いが、汗と一緒に流れてくれます。
5.おわりに
いかがでしたか?
今回は、にんにくの便秘解消効果についてご紹介しました。
にんにくは、ほかの便秘解消効果のある食べ物より、少量で効果が出やすいです。
また、にんにくを使った料理は多いので、外食でも手軽に食べられるでしょう。
ですから、「なかなか自炊はできないけれど、食べ物で便秘解消をしたい」という場合に、効果的です。
ただし、前述したようにたくさん食べるとかえって逆効果になります。
特に、胃腸の調子が悪い方は気をつけてください。
また、にんにくを食べるだけでなく軽い運動をするのも効果的です。
たとえば、休日の昼間ににんにく入りの料理を外食したら、散歩がてら遠回りをして帰るのもよいでしょう。
食べた後は内臓が動いていますから、そのまま便秘が解消するかもしれません。
また、にんにくをつけこんだ油などを使っても一定の効果があります。
にんにくをたくさん買ったら、皮をむいてオリーブオイルにつけこんでおきましょう。
芽が出ることもありませんし、油もおいしくなります。