便秘には温罨法が効果的

便秘には温罨法が効果的! 知って得する便秘解消法!

監修: 快適ヘルシーライフ編集部  免責事項について

可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

はてなブックマークに追加 Twitterでシェア Facebookでシェア

女性のお悩みで特に多いことというと、やはり便秘でしょう。食事法やエクササイズなど、いろいろ試しているのになかなか治らない……そんな方に効果的なのが、温罨法(おんあんぽう)です。そこで、今回は温罨法と便秘にまつわる情報をご紹介していきます。

  1. 罨法とは?
  2. 便秘の基礎知識
  3. 温罨法と便秘について
  4. 温罨法のやり方

1.罨法とは?

罨法というのは、患部の症状を和らげるために、温熱や寒冷刺激を与える看護技術のこと。看護師が独自の判断で、計画・実施することができます。

1-1.どんなことをするの?

温熱や寒冷刺激によって鎮痛や消炎の効果を発揮し、安静や安楽を患者に与えることを目的とする技術です。この際、蒸しタオルや温湿布などで温める罨法が『温罨法』、冷水や冷湿布などで冷ます罨法が『冷罨法』となります。

罨法は単純な処置法だと思われていますが、実は実施しただけで終わりではありません。実施後にどのような効果が得られたかや、副作用はなかったかなどの判断までが含まれています。

1-2.副作用ってどんなのがあるの?

たとえば、蒸しタオルで体温よりも高い温度に長時間触れられていれば、低温熱傷になる確率が上がります。逆に長時間冷水で患部を冷やし続けると、凍傷になるリスクが高まるでしょう。もちろん、皮膚がただれたり壊死(えし)したりするレベルにまでなることはほぼあり得ないので、危険性が高いわけではありません。

ただし、人によっては皮膚組織の損傷が起きやすいパターンがあるのが注意点です。

たとえば、知覚鈍麻や浮腫(ふしゅ)などの持病を抱えていれば、皮膚の損傷に気がつくのが遅れがち。結果として、副作用のダメージが大きくなってしまうことがあります。

ほかにも、小児や判断能力の欠如した高齢者(痴ほうやアルツハイマーなど)、意識障害者に対して行う場合には、言葉で異常を知らせられないのでさらに注意が必要となるでしょう。

また、単純に栄養状態が悪いと、リスクが高まることもあります。

ですから、場合によっては医師や看護師と十分に相談し、罨法を実施している患部の状態は頻繁に確認しておかなければいけません。

2.便秘の基礎知識

まずは便秘の基礎知識を学んでいきましょう。

2-1.便秘について

女性の悩みで特に多い便秘。便秘は大したことがないと思われがちですが、場合によっては非常に重大な症状を引き起こします。

真っ先に起こるのが腹痛やおなかの張りなどです。その状態が長引くと食欲不振などになるようになっていきます。その状態でも放置し続けると、腸内にたまったガスが血液に運ばれ、汗などと一緒に放出されるようになるようです。つまり、体臭が便やオナラの臭いに変わってくるということ。この状態が何ヶ月も続くと、やがて腸の中で便が腐るようになり、ひどい場合には腸壊死(えし)になってしまいます。さらに、最悪の場合、腸が破裂し、内臓破裂によって死に至ることも。

そのため、便秘はしっかりと解決する必要があるのです。

2-2.食べ物を食べなくても便は作られる!

便秘が危険な状態であることをお話ししても、中には『私は食事をほとんどとってないから……』とか『ベジタリアンだから……』なんて、思っている方もいるはず。

しかし、食べ物を食べないから便が作られないので便秘でも問題はない、というのは間違えです。

実は、便を構成しているもののうち、食べ物はたったの『20~30%』しかありません。残りの『70~80%』は何かというと、実は腸などの細胞。腸は頻繁に新しい細胞と入れ替わるため、古い細胞が多く便に含まれるのです。

そのため、手術などで絶食をしていても、正常な人は便が発生します。

2-3.便秘の原因は何?

便秘の原因にはいくつかあります。

女性の便秘の場合、多いのは『筋力の低さ』と『食事量の低さ』です。

筋力の弱さについては、主に腹筋や骨盤底筋群が便秘に大きく関係してくる箇所。腹筋というのはおなか周りにある筋肉で、骨盤底筋群というのは肛門(こうもん)付近にある筋肉となります。これらの筋肉が低下していると、便を排出するための力がかかりづらく、結果として便秘になりやすくなるのです。

食事量の低さについては、いうまでもないことでしょう。便の多くは腸の細胞ですが、そうはいっても食事量が低ければその分だけ便の量が少なくなります。

3.温罨法と便秘について

    3-1.なぜ温罨法はなぜ便秘に効くの?

    温罨法によって患部が温められると、腸管の働きが良くなることが分かっています。なぜ、腸管の働きが良くなるかというと、自律神経が関係しているためです。皮膚に熱刺激が与えられると、その情報は脳を通り、自律神経へ送られます。自律神経は内臓を支配していますので、腸に対する刺激を与えてくれるのです。

    また、温めることで体がリラックスし、副交感神経が高まります。副交感神経が高まることによって、内臓の働きが高まるのです。

    3-2.本当に温罨法は便秘に効くの?

    タオルで温めただけで、本当に効果があるのかと首をかしげる方も多いでしょう。そこで、実際に調査したことがありました。

    病院や老人保健施設などで便秘に悩む24~97歳の男女54名に対して実施した調査によると、温罨法で59.3%の方に排便が発生したそうです。また、温罨法によって「おなかがごろごろしてきた」という方もいることを考えると、体感的には50~70%程度の確率で改善が認めるといえます。

    4.温罨法のやり方

    4-1.温罨法の前準備

    温罨法で最低限用意しておくべき道具をご紹介します。

    • 温罨法に使用するタオル
    • 厚手のゴム手袋1~2セット(やけど対策)
    • お湯
    • お湯を張るための桶(おけ)やベースン
    • バスタオルやビニール布

    4-2.温罨法のやり方

    1. 腰の背部を十分に露出しバスタオルで覆う
    2. 桶(おけ)やベースンに70℃前後のお湯を張ります。
    3. フェイスタオルを数枚重ねてセンス折りにしましょう。
    4. ゴム手袋をした手(できれば2重が安全)でお湯にタオルを漬け、きつく絞ります。
    5. 第4~5腰椎を中心にタオルを当てましょう。この際、皮膚が敏感な方は皮膚保護剤を塗布しておいてください。
    6. 保温のためのビニール布でフェイスタオルを覆い、さらにその上からバスタオルで覆ってフタをします。
    7. 10分程度貼り付けましょう。あまり暖まっていない感じがするようなら、繰り返します。
    8. 貼り付け後は、乾いたタオルで湿気をよく取り除き、やけどなどがないことを確認しましょう。

    4-3.腹部でも効果がある

    今回ご紹介したものは、背中側で行いましたが、おなか側で行うことも可能です。

    便秘なのだからおなかの方が効くように感じると思う方もいるでしょう。しかし、実際にはおなかの方が脂肪がつきやすいので、太っている人だと効果が薄くなってしまいます。

    特に、女性の場合は脂肪がつきやすいので、基本的には背中の方を温めるようにしましょう。

    まとめ

    いかがでしたか?

    今回は温罨法と便秘にまつわる情報をご紹介しました。

    1. 罨法とは?
    2. 便秘の基礎知識
    3. 温罨法と便秘について
    4. 温罨法のやり方

    便秘は放置していると、非常に大きな問題となってきます。特に、体臭が便やオナラの臭いになるというのは、女性としては絶対に避けたいところですよね。

    今回の記事を参考にして温罨法を試してみてくださいね。きっと、アナタの便秘も解消されるはずですよ!