
お灸の便秘解消効果を検証!便秘に効くツボってどこ?
2016/04/18
2016/04/19
監修: 快適ヘルシーライフ編集部

お灸にはどの程度の便秘解消効果があるのでしょうか。
特に女性に多いと言われている便秘。
悪化すると重大な病気を引き起こす可能性もあるため、早めに何とかしたいものですよね。
便秘解消法にはさまざまなものがあります。
食事の改善や運動不足の解消によって効果が出る場合もあるでしょう。
「今まで何を試しても効果がなかった」「即効で効果が出る方法を知りたい」という人のために、お灸による便秘解消効果についてご紹介したいと思います。
便秘に効くツボをお灸で刺激する方法なら、便秘になりがちな妊婦さんでも安心して試すことができるでしょう。
1.便秘の原因
まずは、便秘の原因になるものについて考えてみましょう。
原因を知ることで便秘解消が可能になる場合もあります。
1-1.運動不足
便秘の原因として最も多いのが、運動不足という問題です。
運動不足により筋力が低下すると、便を腸から肛門(こうもん)へ押し出すことが困難になります。
腸のぜんどう運動を活発にするためには、腹筋の力が必要なのです。
腹筋が弱くなると、腸をきちんと動かすことができなくなり、便を肛門(こうもん)までスムーズに運ぶことができなくなってしまいます。
自然と便が腸内にたまる時間が長くなり、必要以上に便が硬くなってしまうのです。
その結果、腸内環境が悪化し、便秘を引き起こしてしまいます。
1-2.食生活の乱れ
食生活の乱れが便秘の原因になることは言うまでもありません。
特に、食物繊維が不足すると便秘を引き起こしやすくなるでしょう。
不溶性食物繊維は、水分をためこんで便を軟らかくし、大腸の通過をスムーズに促してくれます。
そして、水溶性食物繊維は、腸内環境を整える善玉菌を増加させる働きがあるのです。
両方の食物繊維をバランスよく摂取することが大切でしょう。
また、女性に多い無理なダイエットなどは、食事量や水分量を減らすことになり危険です。
水分摂取の減少や食物繊維不足が原因で、便が硬くなって便秘になりやすくなるでしょう。
1-3.ストレス
実は、ストレスも便秘の最大要因なのです。
脳で感じたストレスに、腸はすぐに反応します。
腸は「第2の脳」と言われており、心の状態と密接な関係にあるのです。
もちろん、精神的なストレスだけでなく、肉体的なストレスも便秘の原因になります。
たとえば、毎朝ゆっくりとトイレに行く時間がないと、便意があっても我慢することになるでしょう。
そうすると、だんだんと腸の働きが悪くなり、便秘を引き起こしてしまうのです。
1-4.ホルモンバランスの乱れ
便秘が女性に多いのは、ホルモンバランスが大きくかかわっているためです。
男性の場合は、毎日ほぼ一定のリズムでホルモンが分泌されています。
しかし、女性の場合そうではないのです。
女性ホルモンであるエストロゲンと黄体ホルモンのプロゲステロンが毎日分泌され、体調にも影響を及ぼしています。
エストロゲンは排卵日に近づくにつれて分泌量が増え、排卵後はプロゲステロンが盛んに分泌されるのです。
妊娠中や出産後の女性が便秘になりやすいのは、こういったホルモンの動きが関係しています。
2.お灸の便秘解消効果
肩こりや腰痛に効くことで有名なお灸。
実は便秘にも効果があるということをご存じでしたか?
なぜ、お灸が便秘解消に効果的なのでしょうか。
2-1.便秘とお灸の関係
東洋医学では、便秘そのものを治すことを目的とせず「便秘になりやすい体」を改善することが必要だと言われています。
便秘にはそれぞれ体質があり、東洋医学では2つに分類されているのです。
1つめが、おなかに熱がこもるタイプ。
胃腸の働きが活発になりすぎて熱がたまると、胃の中にある水分が抜けてしまい便秘になると考えられています。
もう1つが、おなかが冷えやすいタイプ。
腸の血流が悪く働きが鈍くなることで便秘になります。
あまりトイレに行かず我慢していると、腸の働きが鈍くなり便秘になりやすい体になってしまうのです。
いずれのタイプだとしても、体に熱を与えすぎても冷えすぎてもいけません。
そこで、体の調整をするためにお灸を使うとよいと言われているのです。
2-2.お灸の種類と使い方
お灸にもさまざまな種類があります。
ソフトタイプは皮膚の弱い人におすすめ。
効き目を早くしたい人には、ニンニクを配合したお灸がよいでしょう。
最近は煙が出ないタイプのお灸もあるため、煙が苦手という人も安心して使用することができますよ。
また、果実の香りやラベンダーなどアロマの香りがするお灸もあるため、女性からも人気を集めているのです。
使い方はとても簡単。
土台が粘着テープになっているため、シールをはがして指先に乗せ、先端部分に火をつけます。
煙がほどよく上がった状態で、便秘に効くと言われているツボに貼りつけましょう。
ほんのり温かさを感じるはずです。
3.便秘に効くツボ
では、便秘に効くツボをいくつかご紹介します。
初めてお灸をするという場合は、比較的添えやすい部分から始めてみるとよいでしょう。
3-1.神門(しんもん)
便秘に効くお灸のツボで、最も有名な部分です。
手のひらを上にした状態で、小指出前の骨が出ている部分と手首の間にあります。
この神門にお灸を添えることで、腸の消化と自律神経の働きを促してくれると言われているのです。
神門からつながる神経が、腸につながっています。
3-2.支溝(しこう)
手の甲を上にした状態で、手首の中心から筋の部分を結んだあたりに存在します。
ちょうど手首から指の幅4本上あたりでしょう。
エネルギーと水分代謝にかかわるツボで、この部分にお灸を添えることで便意を促すことにつながります。
3-3.足三里(あしさんり)
ひざの下にあるくぼみから指の幅4本分下がった場所にあります。
胃腸を整えてくれるほか、疲労回復を促進する効果もあるのです。
4.お灸を使うときの注意点
お灸は火を使うものなので注意して行う必要があります。
まず、煙が出るタイプのお灸を使うときは、必ず換気扇をつけるようにしましょう。
使い終わったお灸はしっかりと水にぬらして、完全に火を消してから捨てるようにしてください。
また、妊娠中は特に注意が必要です。
便秘対策でツボを温める場合は、安定期に入ってからの方が安心でしょう。
おなかのツボも避けるべきです。
最初は1日1回、1個からお灸をスタートすることをおすすめします。
慣れてきて温熱を感じにくい場合は、1つのツボに3個まで追加してみてください。
入浴前後や食事直後、飲酒後、発熱時は避けるようにしましょう。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
便秘解消法にはさまざまものがあり、どの方法が効くかは人それぞれです。
お灸によるツボの刺激で便秘を改善した人もたくさんいます。
注意点を守り、安全な方法でぜひ試してみてくださいね。