便秘が体に及ぼす影響

便秘が体に及ぼす影響~慢性便秘の方必見! 最新情報~

監修: 快適ヘルシーライフ編集部  免責事項について

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便秘で悩む女性

お通じが悪くてスッキリしない。お腹(なか)が張って、まるで太っているみたいで嫌だ。
慢性的な便秘に悩まされている方は、上記のような症状に慣れ始めていることでしょう。
ですが、「お通じが悪い」ということは、「排せつ物が体内にたまっている」ことを示しています。そのため体に悪影響がないか心配になるでしょう。
インターネットで【便秘】【治す】と検索してみても、さまざまな情報が入り乱れているか、似通った情報ばかりで、どれを信じてよいか困ってしまうと思います。
この記事では、便秘が体に及ぼす影響について情報を一挙にまとめていますので、最初の項から順番に見ていきましょう。

  1. 便秘は体に悪影響!
  2. 便秘が引き起こす主な症状
  3. 慢性便秘と怖い病気
  4. 妊婦が便秘になると?
  5. 便秘の影響を受けないために
  6. 便秘の影響に関するよくある質問

この記事を読むことで、あなたの便秘に対する不安が和らぐことを願います。心配するなとは申しませんが、精神面から便秘が悪化するケースもあるでしょう。「明日から快便だ!」という前向きな気持ちでいることが賢明です。


1.便秘は体に悪影響!

便秘が体に悪影響なのは皆さんご存知かと思います。この項では、便秘にどんな危険がひそんでいるのかを改めて解説していきましょう。

1-1.便秘は万病の元

便秘が万病の元とされているのは、腸内環境が体に直接影響する点にあります。腸にたまった便は3日ほどで腐敗し、火山ガスなどに含まれる硫化水素などの「有毒物質」を生成。有毒物質は水に溶けやすい性質を持っていますので、血液とともに全身を循環し、血流を悪くするどころか血液自体を汚してしまいます。血が汚れるに伴って疲労感におそわれ、血管が詰まった場合は心筋梗塞(しんきんこうそく)に陥ることもあるでしょう。腸内環境は最悪ですから、腸の粘膜が刺激されて大腸ガンのリスクも高まります。

1-2.腸の機能低下→消化能力の低下

便秘の影響で、腸の機能は著しく低下します。便だけではなくガスもたまっていますので、胸の辺りで下から圧迫されているような感覚が続き、食欲がわかないこともあるでしょう。本来、消化された食べ物は、腸に行きつくころには便に変わっているのですが、そこには便秘のせいで先約がいます。すると、体は便の排出を促すのですが、便秘の方はこのサイクルがうまく作用しません。そのため薬剤などを使ってスッキリしても、「私の体は消化を放棄しているのか?」と疑いたくなるほどに便秘を繰り返し、慢性化していくのです。

1-3.腸内環境の悪化→免疫力の低下

便秘のせいで、腸には有毒物質・ガス、いわゆる「悪玉菌」が生産されています。免疫は体を守る役目を担っていますが、たくさん生まれた悪玉菌たちのせいで血流が悪くなると、さまざまな菌をやっつけてくれる「白血球」の動きが鈍くなるでしょう。すると、免疫力が低下し、腸内環境は改善されません。

1-4.毒素がたまる→血流低下

便秘の影響で前述した「有毒物質」が腸で生成され続けると、血液に入り込んだ毒素で血流が滞ってしまいます。慢性化した便秘ですと、腸では毒素が絶え間なく生産されていることになりますので非常に厄介でしょう。

1-5.自律神経の乱れ

慢性の便秘に悩んでいる人は、自律神経が乱れているケースが多いでしょう。
自律神経は、昼間に活動する「交感神経」と、夜間に活動する「副交感神経」の2つからできています。それぞれ均等に活動するのが平常ですが、仮に1日中ストレスを感じているとどうでしょう。交感神経がずっと働いていますので、副交感神経が全く活動できません。すると、腸は副交感神経に影響を受けますので、機能が低下。便秘になりやすい状態に変わってしまいます。

1-6.便臭(べんしゅう)

慢性の便秘ですと、その影響から体臭が「便のにおい」になる場合があるでしょう。
仕組みは簡単です。便秘のときにおならをすると非常に臭いのは、腸内にある有毒物質のせい。そして、有毒物質は血液に溶けて全身を回りますので、その結果、口臭や体臭が「便臭」に変わってしまうのです。

2.便秘が引き起こす主な症状

便秘の影響は体の至るところに表れ、慢性の場合はその症状もなかなか治りません。この項で、あなたの症状が便秘によるものか確認してみましょう。

2-1.肌荒れ・吹き出物

便秘の影響は肌にも及びます。有毒物質を生成する「老廃物」が常に体内にあるので、体は異物を排出しようとするでしょう。ですが、便秘なのでうまくいきません。そのため腸壁から毒素が吸収され、血液に乗って体の至るところから外に追い出されるのです。このとき肌を通り抜けていくわけですが、肌は有毒物質の放出で手一杯になってしまい、本来の「肌をきれいに保つ」という機能がおろそかになってしまう。そうして、肌荒れが起き、吹き出物ができやすくなるのです。

2-2.消化機能の低下・お腹の張り

便秘の影響で消化機能が低下し、お腹が張ることがあります。お腹が張るのは便が腸にあることで、消化・排出のサイクルが狂うことが原因でしょう。腸内で細菌のバランス崩れ、脂質などの分解が追い付かず、体に必要な栄養をうまく吸収できないのです。さらに、腸で生成されたガスの影響でへそ周りのお腹が張り、食欲がわかなくなることもありますので、慢性の便秘だと生活習慣病にかかりやすくなってしまうでしょう。

2-3.だるさ・疲労感

慢性の便秘ですと、体がだるく、疲労感が消えないことがあるでしょう。脳と腸は約2000本の神経でつながれており、影響力の強い関係にあります。ですので、腸の調子が悪いと、脳は腸の不調をだるさや疲労感として認識してしまう。つまり、便秘という異常事態に脳が警戒し、体を休めようと指令を出しているのです。

2-4.肩こり・腰痛

慢性の便秘が影響し、肩こりや腰痛を発症する方がいます。もともと肩こりや腰痛になりやすい方に見受けられますが、痛みの原因は、便秘によって腸がふくらみ、周りの神経や血管を圧迫して「刺激」になっていることが挙げられるでしょう。

2-5.痔(じ)

慢性の便秘が影響し、痔を引き起こす場合があります。きっかけは排便時ですが、「イボ痔」「切れ痔」「痔ろう」の3つが主な種類でしょう。排便時に力むことで肛門(こうもん)周りの静脈がうっ血してしまい、こぶができてしまうのがイボ痔で、かたい便を押し出そうとして肛門の口が切れてしまうのが切れ痔。痔ろうとは、細菌で肛門が化膿(かのう)し、痛みを伴う痔です。

2-6.腹痛

便秘が直接影響するものは「腹痛」でしょう。体内というのは、空気の移動で痛みを生じるほどにデリケート。そのため大腸に便がたまっているせいで行き場を失った空気やガスが周囲を圧迫すると、激しい痛みを生じます。排便できればうそのように痛みはなくなるでしょう。ですが、慢性の便秘ですとそのぶん痛みも増大。立っていられない激痛におそわれることもあります。

3.慢性便秘と怖い病気

慢性便秘はさまざまな症状を引き起こしますが、本当に怖い病気にかかることもあります。この項では、病気の危険と特徴について触れていきましょう。

3-1.大腸メラノーシス

慢性便秘を改善しようと下剤を服用する方は多いでしょう。ですが、その影響で「大腸メラノーシス」にかかることがあります。大腸メラノーシスは、アロエ・センナ・大黄(だいおう)などの成分を含む下剤(アントラキニン系)を長期間飲み続けたことが原因。大腸の粘膜が黒っぽく、ヒョウ柄のような状態に変わってしまう病気で、色素が変異しており、細胞が硬化しています。大腸全体の機能が低下するので、大腸ガンのリスクも高まってしまうので大変危険でしょう。
しかし、特別な治療法は必要ありません。
上記の下剤をやめれば、半年から2年ほどで大腸は元の機能を取り戻します。

3-2.糖尿病

慢性便秘が糖尿病の原因になることをご存知でしょうか? 腎不全(じんふぜん)や失明を併発する糖尿病ですが、この病気は血糖値が上がることで発症します。本来は肝臓機能・すい臓が生成するインシュリンによって血糖値は抑制されているのですが、便秘の影響で血流を腐敗ガスが巡り、肝臓とすい臓の働きを阻害。その結果、血糖値は上昇し、糖尿病のリスクが高まってしまいます。

3-3.腸閉塞(イレウス)

慢性便秘は腸閉塞という病気も引き起こす可能性があります。腸閉塞は、腸の消化管がねじれるなど、腸が塞がってしまう病気で、腹痛や吐き気を催し、腸が壊死(えし)することもあるので侮れません。便秘がどう影響するのか解説しますと、排泄(はいせつ)されない便によって腸が詰まり、腸閉塞を発症する条件をそろえてしまう点にあります。腸が塞がった瞬間、転げ回るほどの激痛におそわれ、入院することになってしまいますので、2週間を目安に排便がない場合は医療機関を受診しましょう。

3-4.大腸ガン

今まで慢性便秘は大腸ガン発症のリスクが高いとされてきましたが、2007年に関連性が薄いと発表されました。ですが、大腸ガンは血便などの症状を伴い、最悪死に至る恐ろしい病。「毎日排便していたが最近は2日に1回」など便の習慣が変わったり、便秘の間に下痢が起きたりする場合は、大腸ガンの可能性がないとは断定できませんので要注意でしょう。

3-5.過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)

慢性便秘から考えられる症例として、日本人に多いのが過敏性腸症候群でしょう。この病気は腸・血液には異常がないにもかかわらず、左下腹部に便意を伴う痛みを感じることが多く、便秘や下痢を引き起こします。ストレスなど精神面が影響していると考えられていますが、完全な治療法は発見されていません。食生活や精神面から治していくしか手はないようです。

4.妊婦が便秘になると?

お腹の中に赤ちゃんがいるわけですから、妊娠していて慢性の便秘にかかると不安でしょう。この項では妊婦の便秘に注目し、対処法について解説していきます。

4-1.主な症状

慢性の便秘ですと分娩(ぶんべん)に影響するので要注意!
普段は便秘と無縁だった方も、妊娠すると女性ホルモン「プロゲステロン」の影響で腸の動きが弱まります。そして、つわりなどで食が減って消化機能も低下してしまうと、ますます便秘になりやすくなってしまうでしょう。
また、赤ちゃんが育つにつれて大腸が圧迫されるのも便秘の要因です。

4-2.妊娠時における便秘の影響

妊娠中に慢性の便秘にかかっても、赤ちゃんの発育に影響はないとされています。ただ、母体の腸内細菌は赤ちゃんに受け継がれますので、便秘によって悪玉菌が多い状態は好ましくありません。出生後に赤ちゃんが下痢になりやすかったり、免疫力が低かったり、便秘になったりする傾向があるでしょう。また、分娩時に母体が一緒に排便した際、赤ちゃんが感染症にかかる恐れもあります。

4-3.授乳時における便秘の影響

慢性便秘でも授乳に影響はないとされています。ですが、母乳に水分を持っていかれますので、この時期のお母さんは便秘になりやすいでしょう。実際に妊婦の便秘は多いようで、赤ちゃんの面倒に気を取られすぎてトイレを我慢し、「便秘になる」なんてこともあるようです。

4-4.注意点

慢性の便秘に悩んでいるお母さんは、「赤ちゃんは泣くことが仕事だ」と割り切って、便意は我慢しない方が賢明です。食物繊維や水分の多い食事を心がける、毎朝決まった時間にトイレに行くなど、生活習慣を見直してみましょう。妊娠中の方は、妊娠中期であれば飲める下剤もありますので薬局で尋ねてみてください。

5.便秘の影響を受けないために

慢性の便秘にかかってからでは遅いです。まずは食事・睡眠・運動などの生活習慣を見直し、常時ストレスにさらされてしまうという方は発散場所を見つけましょう。腹部を冷やしていると便秘になりやすいので冬場はカイロや腹巻きが必要! 今すぐできるものとして、寝る前あおむけになって、両指の腹を使いへその周りで円を描くようにマッサージすると便秘の予防に最適でしょう。

6.便秘の影響に関するよくある質問

この項で便秘の影響について寄せられる質問をまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。

Q.便秘で食欲がありません。無理してでも食べた方がよいのでしょうか?
A.食事を抜くのはおすすめできないですが、食事がつらいようでしたら、今は栄養に富んだサプリメントが数多く販売されていますので試してみてください。

Q.妊娠しているのですが、便秘は何科で相談すればよいのでしょうか?
A.通院されている産婦人科で大丈夫ですよ。妊婦さんは便秘になる方が多いので、看護婦さんも対処法に詳しいでしょう。決して恥ずかしいことではないので、遠慮なく相談してください。

Q.便秘薬のおすすめはありますか?
A.正直、薬局などで売っている便秘薬はあまりおすすめしません。薬がなければ排便できない体質になってしまい、腸内環境を整えてくれる善玉菌も一緒に排出してしまうからです。薬を飲むなら、それで「便秘を治す」のではなく、「体本来の機能を取り戻す」成分が含まれているものを選ぶ方がよいでしょう。『私の救急箱』では熊の胆のうを主原料とした「熊胆(ゆうたん)」という商品があるので、ぜひ検討してみてください。

Q.ダイエット中なのですが、便秘に困っています。何かよい対処法はあるでしょうか?
A.どのようなダイエットをしているかにもよりますが、絶食はおすすめしません。食事を口にしないと腸の活動が弱まり、主食を抜くことで1日に摂取できる食物繊維が減ってしまうからです。また、油を完全に断つのも控えた方がよいでしょう。取りすぎはダメですが、油は腸内の滑りをよくするので食事に取り入れた方が賢明です。

Q.食物繊維を多く取っているのですが便秘が治りません。何を食べたらよいのですか?
A.食物繊維を取られているということで、便秘の改善にはいい方法でしょう。ですが、もしかしたら、食物繊維だけを摂取していませんか? たとえば海藻類をたくさん食べても、腸でゲル状になっているだけで排便にはつながらないです。みそ汁と一緒に食べるなど、ほかの食事とバランスよく取ることが秘訣(ひけつ)でしょう。

まとめ

最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございます。今回は便秘について詳しく書いてみましたが、いかがでしょうか? 女性に限らず、今は便秘に悩む男性も多いので、掲載してある情報が役に立つと幸いです。体から便臭がするのだけは、絶対に避けましょうね。