膝が痛いの原因

膝が痛くて正座ができない! その原因は何? 対処法とあわせて解説

監修: 光伸メディカルクリニック院長 中村 光伸  免責事項について

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正座は日本独特の文化です。今は和室でも椅子席が増えてきましたが、それでも正座をする機会は多いことでしょう。しかし、膝の関節が痛んだり太ももやふくらはぎの筋肉が強張っていたりすると、正座ができなくなります。正座ができないほどの膝に痛みがある場合は、日常生活にも支障をきたすことが多くなってきます。

そこで、今回は正座ができなくなる原因や対処方法・予防方法などをご紹介します。

  1. 正座ができない原因は?
  2. 正座ができなくなった場合の対処方法
  3. 膝関節の痛みや筋肉のこわばりを予防する方法
  4. 正座ができないことに関するよくある質問

この記事を読めば正座ができない原因が分かり、改善方法も見つかるかもしれません。膝の痛みなどによって正座ができずに悩んでいるという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。


1.正座ができない原因は?

はじめに、正座ができなくなってしまう原因の代表例をご紹介します。どのような原因があるのでしょうか?

1-1.関節の病気

変形性関節症・関節リウマチ・滑液包炎・関節炎などを発症すると、膝関節が変形したり痛みを感じたりして正座ができなくなります。変形性関節症や関節炎などは、年を取るにしたがって患者数が増えて行きますが、関節リウマチや滑液包炎は若い年代の方でも発症する病気です。特に、膝関節の中にある滑液包という袋が炎症を起こす滑液包炎は、長時間正座をすることによっても発症します。病気由来の関節痛は、整形外科を主とした医院で適切な治療を受けないと治りません。また、病気の状態によっては、医師から正座をしないようにいわれることもあります。

1-2.病気未満の関節痛

膝の関節は、人体で最もよく動かす関節の一つです。膝の関節は太ももの骨とふくらはぎの骨・膝蓋骨(膝の骨)の3つの骨と腱から成り立っています。骨の先には軟骨がついており、硬い骨同士がぶつからないようにクッションの役割を担っているのです。しかし、年を取るにつれて軟骨がすり減り、硬い骨同士が直接ぶつかって痛みを感じるようになります。軟骨には再生能力がありますが、年を取ると再生能力が摩耗に追いつかなくなるのです。こうなると、正座をしていても関節が痛むようになります。

若い年代の方の場合は、膝関節の使い過ぎによって痛みを感じるようになることがあります。サッカーや陸上など足を使う運動を長時間行っていると、膝に痛みを感じるようになる方は珍しくありません。このような場合も正座ができなくなります。

1-3.良性の腫瘍

ガングリオンやベーカー嚢腫(のうしゅ)といった良性の腫瘍が膝裏にできると、それが邪魔で正座ができなくなります。ガングリオンは若い女性に発症しやすい良性腫瘍で、手の関節にできることが多いのですが、まれに膝裏にもできることがあります。ベーカー嚢腫も同じように膝裏にできる良性腫瘍ですが、こちらは関節リウマチの合併症としてもできることがあります。良性の腫瘍は無理に取る必要はありませんが、神経や血管を圧迫してしびれや痛みを感じる場合は治療の対象になることもあります。

1-4.太ももやふくらはぎの筋肉の硬直

太ももやふくらはぎには、立ったり歩いたりするための筋肉が多くついています。長時間の立ち仕事や運動不足・姿勢の悪さなどが原因でこの筋肉が硬直してしまうと、正座ができなくなるのです。

筋肉の硬直はむくみの原因にもなるため、足がむくみやすいという方は、筋肉が硬直している可能性もあります。筋肉の硬直は高齢になるほど起こりやすくなりますが、立ち仕事をしている若い方にも起こります。

変形性関節症・関節リウマチ・滑液包炎・関節炎などを発症すると、膝関節が変形したり痛みを感じたりして正座ができなくなるんですね。
ほかにも病気未満の関節痛、良性の腫瘍、太ももやふくらはぎの筋肉の硬直、といったことが原因で正座ができなくなることもあります。

2.正座ができなくなった場合の対処方法

この項では、正座ができなくなった場合の対処方法をご紹介します。どうすれば、再び正座ができるようになるのでしょうか?

2-1.整形外科を受診する

膝関節に痛みを感じる場合は、骨や腱・滑液包などに炎症が起きている可能性があります。また、関節リウマチを発症している場合は、一刻も早く治療を始めることが大切です。関節に痛みを感じたり、膝裏にぐりぐりとした異物(しこり)を感じたら、まずは整形外科を受診しましょう。レントゲン検査などをすれば、膝が痛む原因は大抵特定できます。

2-2.投薬や手術などを行う

関節リウマチや変形関節症・関節炎などは投薬や湿布薬などによる治療が行われます。痛みを取り、関節の炎症が治まれば再び正座ができるようになることもあるでしょう。ただし、関節リウマチは現在の医学では完治させることができません。また、加齢による膝の痛みや関節炎などは、再発することもあります。痛みが消えたからといって無理をしないよう医師の指示に従い充分に注意してください。

関節リウマチが重症化した場合や、変形関節症が進行した場合は手術をすすめられることがあります。関節の変形がひどい場合は、人工関節手術が必要になります。2〜4週間ほどの入院が必要になり術後のリハビリが大切になりますが、痛みや歩きにくさはかなり軽減します。

2-3.整体院で施術を受ける

筋肉の硬直が原因で正座ができない場合は、整体院で施術を受け、筋肉をほぐすと症状が改善することがあります。今は町中にたくさんの整体院があるので、通いやすいところを利用しましょう。ただし、整体院では医学的な治療は行えません。事前に整形外科を受診し、病気ではないと診断された場合に利用しましょう。膝の痛みなども軽減してくれる施術があります。

2-4.適度なストレッチやマッサージをする

膝関節の使い過ぎや、足のむくみなどにはストレッチやマッサージが効果的です。運動前や運動後は、壁に両手をついて足を前後に開き、筋肉を伸ばすストレッチや、膝を曲げて太ももとふくらはぎをくっつけるストレッチなどを10分程度行いましょう。筋肉がほぐれていれば、膝関節への負担も減ります。
むくみや筋肉のこわばりが気になるという場合は、入浴中のマッサージがおすすめです。マッサージローラーなどを利用しても構いません。リンパに沿って足のマッサージを行えば血行も良くなってむくみやこわばりが解消します。仕上げに、布団に横になって足を片方ずつ天井に向かってあげるストレッチなどをしてみましょう。

整形外科を受診して治療することが大切なんですね。
投薬や手術などを行う、整体院で施術を受ける、適度なストレッチやマッサージをする、などの対処もあります。

3.膝関節の痛みや筋肉のこわばりを予防する方法

この項では、膝関節の痛みや筋肉のこわばりを予防する方法をご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。

3-1.適度な運動をして筋肉を鍛える

足の筋肉を鍛えておくと、膝関節の負担を減らせます。普段あまり運動をしていない自覚がある方は、努めて階段の上り下りなどをしてみましょう。ウォーキングやジョギングなどを行わなくても筋肉を鍛えられます。また、立ち仕事をしている方は正しい姿勢を意識して、長時間同じ姿勢を続けないようにしましょう。猫背の方は、矯正ベルトなどの器具を使うのもおすすめです。

3-2.運動のやりすぎにも注意する

運動はやりすぎにも注意が必要です。特に、若い頃に運動をしていて中高年になって再開する方は、無理をして膝関節を傷めることもあるでしょう。運動前と運動後はストレッチを行い、無理のない範囲で運動を楽しみましょう。また、体重が重い方も要注意です。ダイエット目的で運動を始める場合は、膝に負担をかけない運動をしてください。水中ウォーキングなどもおすすめです。

3-3.サプリメントを利用する

現在は、膝の痛みを予防したり軽減したりするサプリメントがたくさん販売されています。サプリメントの主成分としては、グルコサミン・コンドロイチン・コラーゲンなどが有名ですが、実はこれらの物質は経口摂取したところでアミノ酸に変化してしまい、軟骨の再生などを助ける効果は期待できません。

キョクトウ株式会社の「楽らく歩」は、経口摂取してもアミノ酸に変化せず、軟骨の再生を助けるⅡ型コラーゲンと同じ成分を持つ、UC-Ⅱを配合したサプリメントです。飲み続ければ膝の痛みの改善や予防に効果が期待できます。

楽らく歩は、定期購入の割引もあり、家まで配達してくれるので無理なく飲み続けることができる商品です。加齢による膝の痛みが心配の方は、ぜひ利用してみましょう。

「楽らく歩」の詳細については、下記ページをご覧ください。
http://www.my99box.com/膝痛でお悩みの方へ

適度な運動をして筋肉を鍛えるといいんですね。
ただし、運動のやりすぎには要注意です。サプリメントを利用するのもよいでしょう。

4.正座ができないことに関するよくある質問

Q.正座が1時間以上できないのは、やはり関節などの異常でしょうか?
A.正座をする習慣がない方は、なかなか1時間も正座をし続けることはできません。膝が痛むなどの症状がなければ大丈夫です。徐々に慣れていきましょう。

Q.硬い床の上での正座は、足の負担になりますか?
A.板張りの床などで長時間正座をしていると、足に大きな負担がかかります。冬場は冷えも心配です。この場合は座布団などを利用してください。

Q.正座のし過ぎで膝を傷めることはあるのでしょうか?
A.あります。何時間も正座をしなければならない場合は、適当に休憩を入れてください。

Q.膝が痛い場合は無理に正座をしない方がよいのでしょうか?
A.はい。無理をせず、椅子を使用してください。

Q.加齢で一度軟骨がすり減ると回復は難しいのでしょうか?
A.完全に元通りになることは難しいのですが、ある程度回復させることができる可能性はあります。サプリメントなどを利用してみましょう。

正座ができないことについて気になっていることがわかったのでスッキリしました。
しっかりと知識を身につけ、治療が必要な状態を放置してしまわないようにしましょう。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は正座ができない原因や対処方法・予防方法をご紹介しました。法事やお茶席などでは正座が基本ですが、どうしても膝が痛くて正座ができない場合は、無理をしないようにしましょう。無理をするとそのまま立ち上がれなくなります。今は和室用の背の低いいすなどもありますので、積極的に利用してください。また、膝が痛んだ場合は「年だから」と軽視せず、必ず整形外科を受診しましょう。治療が必要な状態になっていることもあります。

光伸メディカルクリニック院長中村 光伸

監修者

中村 光伸
光伸メディカルクリニック(東京 新宿)院長
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科認定スポーツ医
日本整形外科認定リウマチ医
日本体育協会公認スポーツドクター
日本抗加齢学会認定専門医
日本胎盤臨床医学会認定専門医
日本美容皮膚科学会
日本レーザー治療学会

東京生まれ。北里大学医学部卒業、北里大学整形外科入局。
学位習得後、フンボルト大学外傷再建外科学(ドイツ)・チャンガン大学形成外科美容外科(台湾)へ留学。 Jリーグヴァンフォーレ甲府チームドクター、山梨学院大学陸上競技部(駅伝)チームドクターを歴任。 北里大学整形外科専任講師、北里大学救命救急整形外科部長、松倉クリニック&メディカルスパ等を経て、2011年12月、自身の理想とする医療を実現するため「光伸メディカルクリニック」を開業。 “リバースエイジング・健康寿命を延ばす”を命題に“見た目”の大切さと“動き目”の大切さを唱え、「整形外科」「美容外科」「美容皮膚科」「リハビリテーション科」を一つの科として診療している。

著書
「3か月で10歳若返る わたしはリバースエイジングドクター」(H304月1日発刊予定) メディア掲載歴
『Domani』2018年3月号、『VoCE』2017年11月号、『厳選 クリニックガイド』、『VOGUE』2017年9月号、『VoCE』2017年4月号、『VoCE』2017年3月号、『ViVi』2016年8月号、『VoCE』2016年6月号、『InRed』2016年6月号、『VOGUE』2016年1月号、『DRESS』2016年2月号、『MAQUIA』2016年2月号、『VoCE』2015年2月号、『VOGUE』2015年1月号、『MyAge』2015年秋冬号、他多数