関節のこわばり

関節のこわばり対策に! 症状・原因・治療・予防方法を徹底解説

監修: 光伸メディカルクリニック院長 中村 光伸  免責事項について

可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

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「関節がこわばって動きづらい」「理由はわからないけど関節が痛んで動きづらい」など、など関節の悩みをお持ちの方もいることでしょう。関節の動きが悪いと、日常生活にさまざまな支障が出て困りますよね。そこで、今回は、関節のこわばり対策について詳しくまとめました。関節の悩みを解消したい人は、必見ですよ。

  1. 関節のこわばりとは?
  2. 関節のこわばりの原因と病気
  3. 関節のこわばりは女性に多い?
  4. 関節のこわばりの治療法
  5. 関節のこわばりを解消するには?
  6. 関節のこわばりを予防する方法
  7. 関節のこわばりに関するよくある質問

この記事を読むことで、関節のこわばりがなぜ起こるのかを理解でき、適切な治療法がわかるようになります。また、普段からの予防法も習得できるので有益です。まずは、記事をしっかり読んで関節のこわばりについて深く学びましょう。


1.関節のこわばりとは?

最初に、関節のこわばりについて基本を学びます。こわばりとはどんな症状なのかについても理解しておきましょう。

1-1.関節について

関節は、骨同士のつなぎ目に存在します。関節が存在することで、四肢や体幹を自由に曲げて柔軟な動きができるのです。もしも関節が無かったら、私たちは自由に移動したりものをつかんだりすることもできません。関節は、私たちが生きていくためにとても重要な意味を持っているのです。

1-2.関節のこわばりについて

関節のこわばりは、手足の指・手首・足首・膝が出やすくなります。主な症状としては、関節を動かしにくい・関節を動かすと違和感がある・などです。症状が出るタイミングは、朝起きたときが多く、時間と共に消失していくケースもあります。なお、関節のこわばりは痛みや腫れなどの併発症状が起こることも多いものです。

関節が動かしにくかったり、関節を動かすと違和感がある状態なんですね。
痛みや腫れなどの併発症状が起こることも多いものです。

2.関節のこわばりの原因と病気

関節のこわばりの原因と病気について詳しく解説します。どんな病気が考えられるのかしっかり学びましょう。

2-1.関節のこわばりの原因

関節がこわばる原因には、以下のようなものがあります。

  • 関節に炎症がある
  • 関節が冷えている
  • 関節周辺の筋肉疲労
  • 関節周辺の血行不良

急にこわばりが出てきた場合は、関節に負担がかかることをしていないか思い出してみてください。痛みを伴う場合は、炎症を起こしている可能性が高くなります。

2-2.関節のこわばりで考えられる病気

関節のこわばりには、以下のような病気が隠れていることがあります。いずれも早期発見・治療が予後を左右するものばかりです。

  • 関節リウマチ
  • ばね指
  • 膠原(こうげん)病
  • パーキンソン病
  • 線維筋痛症
  • 変形性膝(しつ)関節症
  • 全身性エリテマトーデス
関節のこわばりに隠れている病気があるんですね。
関節リウマチ、パーキンソン病、線維筋痛症など、早期発見と早期治療が予後を左右するものばかりです。

3.関節のこわばりは女性に多い?

関節のこわばりは女性に多いと言われますが実際はどうなのか解説します。チェックリストも試してみてください。

3-1.関節のこわばりが出やすい人はどんな人?

関節がこわばりやすいのは、以下のような人です。

  • 年齢が30代以上
  • 更年期障害になっている(女性ホルモンの分泌量が低下している)
  • 筋肉量が少ない
  • 肥満体型
  • 運動不足
  • 冷え性

なお、関節のこわばりは1対4の割合で男性より女性が多くなっています。

3-2.関節のこわばりのチェックリスト

関節のこわばりに疑いある人は、以下の点をチェックしてみましょう。受診時に役立ちますよ。

  • 起きたときに手足の関節がこわばる
  • こわばりと同時に痛みがある
  • こわばりと同時に腫れがある
  • 手だけ・脚だけなど特定の部分の関節だけがこわばる
  • 関節のこわばりが左右対称にある
  • 寒くなるとこわばる
関節のこわばりは女性に多いんですね。
1対4の割合で男性より女性が多くなっています。気になる方は、チェックリストを試してみてくださいね。

4.関節のこわばりの治療法

関節のこわばりの治療法について解説します。どんな症状が出たら何科を受診すべきか、また、今朝や治療についてなどの知識を身に付けましょう。

4-1.受診すべき症状について

以下の症状があるときは、速やかに受診してください。

  • 激しい痛みを伴っている
  • 時間の経過と共にこわばりが強くなる
  • 明らかにむくみとは違う腫れがある
  • 朝起きたときのこわばりが30分以上継続する

4-2.関節のこわばりは病院の何科を受診する?

関節のこわばりは、整形外科を受診しましょう。そのまま、治療を行うためにも整形外科が妥当です。なお、精神的なものやホルモン分泌異常によるものなど、原因によってはほかの科の受診も並行してすすめられることもあります。いずれにしても、初回は整形外科を受診すれば間違いありません。

4-3.関節のこわばりの検査や治療について

関節のこわばりの検査には、以下のようなものがあります。

  • 問診:医師が患者にこわばりの様子や出現タイミングなどの質問をする
  • 触診・視診:医師が患者のこわばりがある部分を直接診察する
  • レントゲン検査:関節の様子をレントゲン撮影して診断する
  • 血液検査:炎症の有無などを調べる

検査の結果によって病名を特定した後、投薬や手術などの治療を受けることになります。

4-4.受診の際に気をつけるポイント

受診の際には、医師からの問診があります。問診では気になる点はすべて正直に伝えてください。勝手な判断は、治療の妨げになるだけです。また、医師からの説明で疑問を持った点は質問してください。自分が納得して治療を受けることが、最大の効果をもたらすのです。医師の指示ならよくわからなくても大丈夫だと考えることはやめましょう。

病院に行かないといけない場合もあるんですね。
激しい痛みを伴う、むくみとは違う腫れがある、朝起きて30分以上継続する、などの症状があったらすぐに受診してください。整形外科を受診すれば間違いないでしょう。

5.関節のこわばりを解消する方法

関節のこわばりの解消法やセルフケアを学びましょう。ストレッチ・ツボ・運動・生活習慣などをご紹介します。

5-1.関節のこわばりに効果があるストレッチ

関節のこわばりを解消するには、ストレッチやツボも効果的です。それぞれご紹介しますから、試してみてください。

5-1-1.こわばりを解消するストレッチ

手首のこわばりには、以下のストレッチを試してください。

  1. まっすぐ立って胸の前で両手のひらを合わせる
  2. 指の先端だけが触れ合うまでゆっくり両手を下げていく
  3. 元に戻す
  4. 10回から20回程度繰り返す

手指のこわばりには、以下のストレッチが効果的です。

  1. 左手の手指全体を右手でつかみゆっくりと外側(がわ)に曲げる
  2. ゆっくりと戻す
  3. 指を1本ずつ外側に曲げる(無理の無い程度に)
  4. ゆっくりと戻す
  5. 右手も同様に行う

足首のこわばりには、以下のストレッチがおすすめです。

  1. 両足の足首を床につけてイスに座る
  2. 指先を床につけたままかかとをゆっくりと離す
  3. ゆっくりと元に戻す
  4. かかとを床につけたまま指先をゆっくりと離す
  5. ゆっくりと元に戻す
  6. 20回程度繰り返す

いずれのストレッチも、ゆっくりと行うことがコツです。強い痛みを感じたときは中止しましょう。

5-2.関節のこわばりに効果があるツボ

関節のこわばりに効果があるツボには、以下のようなものがあります。

  • 陽池(ようち):手首の甲にできるシワの中央
  • 曲池(きょくち):肘を軽く曲げたときのシワの先端
  • 解谿(かいけい):足首の前側(がわ)で内くるぶしと外くるぶしを結んだ線の中央

いずれのツボも、やや強めに押すことがコツです。各10回から15回程度を1セットとし、ゆっくりと息を吐きながら押してください。

5-3.関節のこわばりを解消する運動や生活習慣

関節のこわばりは、運動や生活習慣で改善することも可能です。具体的にどんな方法があるのかそれぞれ解説します。

5-3-1.関節のこわばりを解消する運動

関節のこわばりを感じたときは、ゆっくりと動かすことが大切です。急に動かすと、関節を痛めてしまう可能性があるのでやめましょう。たとえば、足首や膝の関節がこわばっているときは、ウォーキングがおすすめです。散歩程度のスピードで構いませんので試してみてください。足首や手首は、ゆっくりと回す運動をしてみましょう。手指にかんしては、手を握る・開く動作を繰り返し行ってください。いずれの方法も、ゆっくりと行うことが大切です。

5-3-2.関節のこわばりを解消する生活習慣

関節のこわばりは、生活習慣の改善で解消できることがあります。

  • 早寝早起きをする
  • 体を冷やさないようにする
  • ストレスを解消する
  • 栄養バランスのいい食事をする
  • 肥満を解消する

5-4.解消法やセルフケアに関する注意点

セルフケアも間違った方法では、意味がありません。やり過ぎは、関節のこわばりが悪化することもあるので適度に行うことも大切です。また、セルフケアを行っても改善しない場合は速やかに受診しましょう。いくら効果があるセルフケアであっても、過信は禁物です。

ストレッチが効果的なんですね。
ほかにもツボや運動・生活改善などで解消が期待できます。

6.関節のこわばりを予防する方法

関節のこわばりの予防法について解説します。普段から簡単にできる方法ですから試してみてください。

6-1.予防のために心がけたい生活習慣

関節のこわばりは、日常生活に気を配ることで予防できます。こわばりが出やすい人は特に注意してください。

  • ゆっくりと入浴して体を温める
  • ストレッチなどで関節の周りを柔軟に保つ
  • ストレスを溜(た)めない
  • 栄養バランスのいい食事を摂(と)る
  • 激しい運動をしたり重い荷物を持ち上げたりして関節に負担をかけない

6-2.関節のこわばり予防におすすめのサプリメント

関節のこわばりを予防するために、サプリメントを飲んでみるのもおすすめです。たとえば、コラーゲンなど、関節を柔軟に保つ成分が入ったものがいいでしょう。当キョクトウ株式会社でも、「楽らく歩」を販売しています。関節のこわばりが気になる人は、ぜひ試してみてください。

6-3.予防に関する注意点

関節のこわばりを予防するためには、毎日続けることが大切です。面倒だからと行わない日があると今までの努力が無駄になります。無理をしない程度に、動かしましょう。また、予防法を試してみても改善しなかったり悪化してしまったりした場合は中止し、速やかに受診してください。

生活習慣の改善やサプリメントで予防ができるんですね。
いずれにしても毎日続けることが大切です。積み重ねた努力を無駄にしないように継続を心がけましょう。

7.関節のこわばりに関するよくある質問

最後に、関節のこわばりに関するよくある質問に回答しましょう。ほかの皆さんが悩んでいることも参考になりますよ。

Q.高齢者の関節のこわばりは老化が原因なのでは?
A.確かに、高齢になると関節周辺の筋力が衰え、関節自体にも柔軟性が無くなるのでこわばりやすくなります。ただし、老化は原因のひとつであり、ほかの原因が主になっていることもあるのです。高齢者でも、老化だからとあきらめてはいけません。こわばりの原因を正しく把握し、改善に努めましょう。

Q.関節のこわばりを放置するとどうなるのですか?
A.関節のこわばりは、体からのSOSのサインです。何らかの異常が起きていることの証拠ですから、放置してはいけません。関節は、こわばりが出ていると動かしづらくなります。動かさない状態が続くと、関節周辺の筋肉が固くなってますます悪化するでしょう。すると、関節が固まってしまい元に戻すのが大変になります。こわばりが出たら速やかに対処しましょう。

Q.脳疾患後に関節のこわばりが出た場合でも改善しますか?
A.脳疾患後の関節のこわばりは、神経損傷が絡んでいることが多いので完全に治療することは難しいケースもあるでしょう。しかし、関節を地道に動かすリハビリを続けることで柔軟性を取り戻すことは可能です。医師や理学療法士・作業療法士などの指示に従って、適切なリハビリを受けましょう。また、日常生活でも意識してストレッチをするなど、関節のこわばりを和らげる努力をしてください。

Q.妊娠してから関節がこわばるような気がするのですが?
A.妊娠すると、ホルモンバランスに変化が出る・体重が増加する・動きにくくなるなど、さまざまなことから関節がこわばりやすくなります。妊娠が解消するとこわばりも楽になるため、気にし過ぎないことも大切です。ストレッチなどを行うと楽になります。こわばりが強くてつらいときは、かかりつけ医に相談してみてください。

Q.関節のこわばりは再発しますか?
A.関節のこわばりは、再発しやすい症状です。ひとたび改善したはずでも、またこわばりが出てくることもあります。根本的な原因を解決することで、再発の可能性を低くすることは可能です。まずは、こわばりの原因を解消できるように努力しましょう。ただし、ほかの理由で再発することもあります。症状が出たときにまた対応すればいい、と気楽に考えておく方がいいでしょう。

これで関節のこわばりについて知りたかったことがよくわかりました。
関節のこわばり解消にぜひ役立ててくださいね。

まとめ

今回は、関節のこわばりについて詳しく解説しました。関節のこわばりは、日常生活でも解消したり予防したりすることは可能です。気になる人は、記事を参考に試してみてください。ただし、関節のこわばりにはさまざまな病気が隠れていることも多いため、速やかに受診することが第一となります。いつもと違う症状や痛みや腫れなどの併発症状があるときは、自己判断に任せないことが大切です。

光伸メディカルクリニック院長中村 光伸

監修者

中村 光伸
光伸メディカルクリニック(東京 新宿)院長
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科認定スポーツ医
日本整形外科認定リウマチ医
日本体育協会公認スポーツドクター
日本抗加齢学会認定専門医
日本胎盤臨床医学会認定専門医
日本美容皮膚科学会
日本レーザー治療学会

東京生まれ。北里大学医学部卒業、北里大学整形外科入局。
学位習得後、フンボルト大学外傷再建外科学(ドイツ)・チャンガン大学形成外科美容外科(台湾)へ留学。 Jリーグヴァンフォーレ甲府チームドクター、山梨学院大学陸上競技部(駅伝)チームドクターを歴任。 北里大学整形外科専任講師、北里大学救命救急整形外科部長、松倉クリニック&メディカルスパ等を経て、2011年12月、自身の理想とする医療を実現するため「光伸メディカルクリニック」を開業。 “リバースエイジング・健康寿命を延ばす”を命題に“見た目”の大切さと“動き目”の大切さを唱え、「整形外科」「美容外科」「美容皮膚科」「リハビリテーション科」を一つの科として診療している。

著書
「3か月で10歳若返る わたしはリバースエイジングドクター」(H304月1日発刊予定) メディア掲載歴
『Domani』2018年3月号、『VoCE』2017年11月号、『厳選 クリニックガイド』、『VOGUE』2017年9月号、『VoCE』2017年4月号、『VoCE』2017年3月号、『ViVi』2016年8月号、『VoCE』2016年6月号、『InRed』2016年6月号、『VOGUE』2016年1月号、『DRESS』2016年2月号、『MAQUIA』2016年2月号、『VoCE』2015年2月号、『VOGUE』2015年1月号、『MyAge』2015年秋冬号、他多数