
スクワットで膝痛になるのはなぜ? 痛みが出ないやり方と予防方法も
2017/11/20
2018/05/18
監修: 光伸メディカルクリニック院長 中村 光伸
「筋肉をつけたくてスクワットを始めたら膝痛を起こしてしまった」という経験はありませんか? 筋トレの1つとしてスクワットを実践している人は多いでしょう。しかし、スクワットは膝に負担がかかりやすく、正しい方法で行わないと膝に痛みが出る原因になってしまうのです。なぜ、スクワットで膝が痛くなってしまうのか、痛みが出ないスクワットのやり方はどうなのか、知っておきましょう。この記事では、スクワットと膝痛についてご紹介します。
この記事を読むことで、スクワットによって起こる膝痛について詳しく分かるはずです。
1.スクワットと膝痛について
まずは、スクワットと膝痛の関係や、なりやすい人の特徴などをご紹介します。
1-1.スクワットとは?
スクワットはウエイトトレーニングの一種で、真っすぐ立った状態から膝関節の曲げ伸ばしを繰り返す運動です。大腿(だいたい)四頭筋や大殿筋など、下半身の筋力アップに効果があります。トレーニングの中でも消費カロリーが高いため、ダイエットの一環としてスクワットを取り入れる人も多いでしょう。
1-2.スクワットで膝痛になる場合があるのか?
スクワットの方法によっては膝痛が起こってしまうこともあります。特に以下のような場合で痛みが発生しやすいため注意してください。
- やりすぎてしまう
- 腰を下ろすときに膝だけを曲げてしまう
- 重心が前に出てしまっている
- 膝の向きが内側に入ってしまっている
- 片方の足に重心が偏っている
- もともと膝の筋力が弱い
1-3.膝のメカニズム
なぜ膝に痛みが発生するのかを知る前に、膝のメカニズムについて把握しておきましょう。膝関節は骨や軟骨・じん帯・腱(けん)・半月板などから構成されています。それぞれが正常な働きをしていれば膝に痛みが発生することはないでしょう。しかし、私たちは日常生活において思った以上に膝を使っており、歩くだけで体重の2~3倍の荷重がかかっているのです。使いすぎや使い方によっては大きなダメージを与え、痛みが現れてしまうこともあるでしょう。
1-4.なりやすい人
スクワットによって膝痛が起こりやすい人には、以下のような特徴があります。
- 膝の筋力が弱い人
- 肥満体型の人
- 膝に負担がかかりやすい職業の人
- もともと膝にケガをしていた人
2.膝痛にならないスクワットの方法
膝痛にならないように、正しいスクワットのやり方やポイントを知っておきましょう。
2-1.正しいやり方
スクワットの正しいやり方は以下のとおりです。
- 両足を肩幅の間隔に広げて立つ
- つま先をやや外側に向ける
- つま先と膝の方向が同じになるようにして膝を曲げていく
- 太ももが床と平行になるまで重心を落とす
- 元の姿勢に戻す
- 上記を繰り返す
2-2.膝痛にならないためのポイント
スクワットで膝痛にならないためのポイントをまとめました。
2-2-1.基本姿勢を身につける
スクワットで重要なのは、基本姿勢をしっかりと身につけることです。足を肩幅に広げてつま先をやや外側に向けた状態で真っすぐ立ち、背筋を伸ばしてください。視線は前方に向け、息をゆっくりと吸いながら膝を曲げていきましょう。元の姿勢に戻るときは、息をゆっくりと吐きます。膝が内側に入ったり曲げすぎたりすると痛める原因になるため気をつけましょう。
2-2-2.回数に気をつける
スクワットのやりすぎは膝を痛める原因になります。特に、スクワットを始めたばかりの初心者は筋肉がまだついていないため、膝の曲げ伸ばしを10回ほど繰り返したところで休憩し、3セットほど行いましょう。次第に筋肉がついて慣れてきたら、少しずつ回数を増やしていってください。
2-2-3.腹筋を鍛える
スクワットをする際、腹筋に力を入れると体幹が安定して膝への負荷を抑えることができます。普段から腹筋を鍛えておくことで、痛みの発生を予防することにつながるでしょう。腹筋周辺の引き締め効果も期待できるため、ぜひ試してみてください。
2-3.注意点
早く効果を出そうと無理なトレーニングを行うことは逆効果です。回数をこなすために反動がつくようなスピードでスクワットをしないように注意しましょう。スクワットの動作は「ゆっくり」が基本です。スピードを速めても筋力アップの効果が得られないどころか、膝を痛める原因になってしまいます。
3.膝痛の予防方法
膝痛が起こるメカニズムや予防方法をまとめました。
3-1.膝痛のメカニズム
膝は関節と関節が重なり合って構成されており、関節の間にある半月板と関節軟骨で潤滑に動きます。加齢によってその組織がすり減ってくることや、損傷・変形・炎症が原因となり、膝の痛みが発生するしくみです。特に、慢性的な運動不足に陥っている現代人の筋力は低下しています。筋肉疲労によって老廃物質が血流を阻害し、膝の組織破壊が起こっていることも膝痛の原因と考えられるでしょう。
3-2.予防のための生活習慣
普段から負担がかかりやすい膝を痛みから守るためには、生活習慣の見直しも必要です。痛みが発生するとスクワットなどのトレーニングも難しくなるため、日ごろから膝痛を予防する生活習慣を心がけましょう。特に気をつけるべきなのは以下の点です。
- できるだけ重い荷物を持たない
- ヒールのある靴やサイズの合わない靴を履かない
- 床に座らず椅子に座るようにする
- 膝を冷やさない
- 階段ではなくエレベーターやエスカレーターを使う
3-3.予防法
生活習慣以外で膝痛を予防する方法としては、適度な運動によって膝の筋力を鍛えることがおすすめです。ウォーキングや水泳、サイクリングなどの全身運動は膝痛予防にも大変効果的であり、膝や骨の老化を防ぐことにもつながります。また、体重増加による膝への負荷を抑えるために、ダイエットも検討しましょう。変形性膝関節症などは肥満の人ほどリスクが高くなるため、体重を減らす努力をすることが大切です。
3-4.サプリについて
膝痛の改善や予防のためにサプリメントを活用する方法もおすすめです。サプリメントの製造・販売を行っている「私の救急箱」では、膝痛に関する悩みを持つ人のために「楽らく歩」というサプリメントをご用意しています。痛みを和らげる成分や滑らかな膝の動きをサポートする成分が含まれており、1日2粒で膝の痛みに関する悩みを解消できるはずです。今なら30日間980円で試すことができるため、ぜひチェックしてみてください。
3-5.NG行為
膝痛を予防する上でのNG行為についても知っておきましょう。たとえば、膝は本来曲げ伸ばしをする関節であり、ひねったりねじったりすると衝撃を受けて痛みが発生してしまいます。日常生活でもできるだけ無理な姿勢をとることがないよう気をつけましょう。また、実は喫煙も膝痛の原因になる場合があります。ニコチンの作用によって膝周辺の血流が悪くなると十分な栄養が行き届かず、膝の動きが悪くなってしまうのです。膝の痛みが気になるときは、できるだけタバコを控えることをおすすめします。
4.スクワットによる膝痛に関するよくある質問
「スクワットによる膝痛について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。
Q.スクワットには具体的にどのような効果が期待できますか?
A.脂肪を燃焼しやすくする、下半身を引き締める、体力作りに役立つなどの効果が期待できるでしょう。
Q.スクワットで体重を落とすことは可能ですか?
A.スクワットは有酸素運動ではないため、ほとんどカロリーを消費しません。スクワットだけで体重を落とすのは難しいでしょう。食事制限や有酸素運動もうまく取り入れながら体重を落とすことを考えてください。
Q.スクワットがうまくできず、重心が前に出てしまいます。何かよい方法はないでしょうか?
A.重心が前に出ないよう、ダンベルなどを両手に持った状態でスクワットをしてみてください。重心を後ろに保ちながらしゃがむことができます。
Q.スクワットで膝に痛みを感じたときはどうすればよいですか?
A.痛みを感じたらすぐスクワットをやめましょう。しっかりと栄養をとって安静にしてください。完全に痛みがなくなってからトレーニングを再開しましょう。
Q.我慢できないほどの膝痛があるときはどうしたらよいですか?
A.安静にしていても痛みが和らがない場合は、できるだけ早く整形外科を受診しましょう。何らかの病気が原因になっている可能性もあります。病院へ行くまでの応急処置としては、患部を冷やしたり市販の鎮痛剤を飲んだりする方法を試してみてください。
まとめ
いかがでしたか? スクワットによる膝痛について詳しくご紹介しました。筋力アップやダイエットのためにスクワットをする人は多いでしょう。しかし、スクワットはやり方を間違えると膝を痛める原因になってしまいます。ぜひこの記事を参考にして、膝を痛めずにスクワットをする方法や普段からの膝痛予防法を知ってください。

監修者
中村 光伸
光伸メディカルクリニック(東京 新宿)院長
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科認定スポーツ医
日本整形外科認定リウマチ医
日本体育協会公認スポーツドクター
日本抗加齢学会認定専門医
日本胎盤臨床医学会認定専門医
日本美容皮膚科学会
日本レーザー治療学会
東京生まれ。北里大学医学部卒業、北里大学整形外科入局。
学位習得後、フンボルト大学外傷再建外科学(ドイツ)・チャンガン大学形成外科美容外科(台湾)へ留学。
Jリーグヴァンフォーレ甲府チームドクター、山梨学院大学陸上競技部(駅伝)チームドクターを歴任。
北里大学整形外科専任講師、北里大学救命救急整形外科部長、松倉クリニック&メディカルスパ等を経て、2011年12月、自身の理想とする医療を実現するため「光伸メディカルクリニック」を開業。 “リバースエイジング・健康寿命を延ばす”を命題に“見た目”の大切さと“動き目”の大切さを唱え、「整形外科」「美容外科」「美容皮膚科」「リハビリテーション科」を一つの科として診療している。
著書
「3か月で10歳若返る わたしはリバースエイジングドクター」(H304月1日発刊予定)
メディア掲載歴
『Domani』2018年3月号、『VoCE』2017年11月号、『厳選 クリニックガイド』、『VOGUE』2017年9月号、『VoCE』2017年4月号、『VoCE』2017年3月号、『ViVi』2016年8月号、『VoCE』2016年6月号、『InRed』2016年6月号、『VOGUE』2016年1月号、『DRESS』2016年2月号、『MAQUIA』2016年2月号、『VoCE』2015年2月号、『VOGUE』2015年1月号、『MyAge』2015年秋冬号、他多数