膝の痛み・腫れの原因は? 対処法・予防法について徹底解説

監修: 光伸メディカルクリニック院長 中村 光伸  免責事項について

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「膝の痛みが治まらない」「膝の腫れが気になる」など、膝に不安を抱えている方は多いでしょう。なぜ膝が痛くなるのか、メカニズム・原因などをきちんと把握しておかなければ、さらに状態が悪化するおそれがあります。歩けなくなるほど状態が悪化することもあるため、早めに対処しなければなりません。そこで、本記事では、膝の痛みや腫れの原因・対処法・予防法について説明します。

  1. 膝の痛み・腫れについて
  2. 膝の痛み・腫れの原因について
  3. 膝が痛む・腫れたときの対処法
  4. 膝の痛み・腫れの予防法
  5. 膝の痛み・腫れに関してよくある質問

この記事を読むことで、膝の痛みや腫れの原因が分かり、適切な方法で治療を受けることができます。悩んでいる方は、ぜひチェックしてください。


1.膝の痛み・腫れについて

まずは、膝のメカニズムを知ることが大切です。そして、どこかどのように痛み腫れているのか、現在の症状を1つずつチェックしていきましょう。

1-1.膝のメカニズム

膝は、歩いたり座ったりと日常動作に必要不可欠な部位です。日常生活を送る中で当たり前のように使っている膝を動かしているのは、骨・軟骨・靭帯(じんたい)・腱(けん)・半月板(はんげつばん)からできている膝関節となります。また、膝関節を構成している骨は、大腿骨(だいたいこつ)・脛骨(けいこつ)・膝蓋骨(しつがいこつ)・腓骨(ひこつ)の4種類です。痛みと腫れが出てきているのは、膝を構成する部分に異常が起きている証拠となります。
膝関節には、体を動かし支える役割があり、伸ばす・曲げるという動きが関わる部位です。歩く際には体重の2~3倍、階段の上り下りや走る際には体重の約5倍の荷重がかかるといわれています。

1-2.膝の痛みについて

現在、膝のどこに痛みがあるのか確認してください。痛みが出る箇所によって症状が異なります。たとえば、膝の痛みでよくあるのが「膝の内側」です。ズキズキとした痛みや、動かすと鋭い痛みがあるなどさまざまな症状が現れます。
そして、内側の次に多いのが外側の痛みです。膝の外側の痛みは使いすぎによる炎症で現れることがあります。動かすたびに鈍い痛みを感じるでしょう。
ほかにも、座ると痛い・深く曲げると痛いなど膝裏に痛みを感じる方も多いです。

1-3.膝の腫れについて

膝が腫れる箇所は、原因によって異なります。たとえば、打撲による腫れは強打した部分だけ腫れるのが特徴です。リンパが詰まっている場合はリンパ節がある膝裏、水がたまっている場合は膝裏・膝上(お皿の上)が腫れます。症状も、痛み・熱をもつ・患部がぶよぶよする・膝が曲がらないなどさまざまです。

1-4.伴う症状について

症状は、膝の痛み・腫れだけではありません。たとえば、膝を動かすたびに音が鳴る・発熱・膝の不安定感があるなどさまざまな症状が伴います。痛み・腫れに伴う症状によって原因が分かるため、ほかにどんな症状が出ているのか確認してください。

1-5.膝が痛みやすい、腫れやすい人とは

肥満体質・運動不足・O脚・中高年(50歳以上)の人に、膝の痛み・腫れが起きやすいといわれています。膝は上半身の体重を支えているため、肥満の人ほど負荷がかかるのです。日ごろから運動をしていないと、膝の筋肉が衰えて支えられなくなります。また、足に合わない靴・ハイヒールをよく履(は)く人や、激しいスポーツをしている人もなりやすいでしょう。

1-6.患者数について

ハッキリとした人数は分かっていませんが、膝の関節症に何かしらの疾患を抱えている方は、日本全国で約1,000万人いるといわれています。厚生労働省が発表した外来受診率によると、膝の痛み・腫れを含む関節症が第5位であり、今後も増加傾向にあるのです。また、65歳以上の女性3人に1人は、関節痛に悩んでいるといわれています。

2.膝の痛み・腫れの原因について

なぜ、膝の痛み・腫れが出てくるのでしょうか。主な原因と関連する病気について説明します。

2-1.主な原因

さまざまな原因がありますが、「スポーツ・ケガなどによる外傷」「日常的な膝の酷使と加齢による老化」「病気や生体機能の異常」の3つが代表的です。
ジョギング・ランニングといった運動は、下半身を酷使します。いつの間にか膝に負荷がかかり、スポーツ時に痛みを感じるようになるのです。
また、日ごろから重いものを持つ負荷、加齢による筋肉・関節の老化が原因になることもあります。骨・筋肉・靭帯などの体の組織は、30歳をすぎたころから少しずつ衰え始めるものです。老化現象によって、膝の筋力と柔軟性が不足し、炎症が起きやすくなります。
さらに、炎症を引き起こす細菌・ウイルスによる感染で、骨の破壊・変形を伴うこともあるでしょう。先天性のものから、遺伝性のもの、子どもの成長過程で発症しやすいものなどさまざまです。

2-2.関連する病気について

前述した3つの原因ごとに関連する病気があります。それぞれの代表的な病気を、以下にピックアップしてみました。

<スポーツ・ケガなどによる外傷>

  • 半月板損傷(はんげつばんそんしょう)
  • 靭帯損傷(じんたいそんしょう)
  • ランナー膝
  • 鵞足炎(がそくえん)など

<日常的な膝の酷使と加齢による老化>

  • 変形性膝関節症
  • 膝蓋大腿関節症
  • 膝蓋骨不安定症など

<病気や生体機能の異常>

  • 変形性股関節症
  • 単純性股関節炎
  • ペルテス病
  • 関節リウマチ
  • 痛風(つうふう)など

3.膝が痛む・腫れたときの対処法

膝が痛み、晴れたときの正しい対処法を紹介します。

3-1.病院へ行ったほうがよいケース

痛みが続く・腫れが引かない・歩くのが困難・動かすたびに痛むという症状の場合は、病院へ行ったほうがよいでしょう。「自然と治るから大丈夫」と放置すれば、さらに状態が悪化するおそれがあります。いずれは激しい痛みが起こり、歩けなくなってしまうかもしれません。日常生活に悪影響をおよぼす前に、病院できちんと検査して治療を始めましょう。

3-2.治療方法

症状に応じてさまざまな治療法がありますが、大きく「保存的療法」と「手術療法」の2種類に分けることができます。保存的療法は、薬物療法・装具療法・温熱療法・運動療法の4点です。手術療法では、膝を切開してたまっている水を抜いたり、脚をまっすぐに矯正したりするなど、症状・原因で内容が異なります。重症のケースをのぞき、初めは症状に応じた保存療法をいくつか組み合わせて治療をすすめる流れです。一定期間、保存療法を行っても症状が改善されない場合は、手術を検討します。

3-3.セルフケア

治療をすすめると同時に、セルフケアを行いましょう。たとえば、患部に湿布を貼る・冷たいタオルで冷やすアイシングなど、さまざまな方法があります。痛みがひどい場合は、鎮痛剤を服用するのも方法の1つです。ただし、鎮痛剤はあくまで一時的な処置となるため、医療施設で治療を受けることが大きなポイントとなるでしょう。また、痛みと腫れがひどい場合は、安静にすることが1番です。

3-4.注意点

膝の痛みと腫れを放置するほど状態が悪化します。受診が遅かったために、手術せざるを得なくなったというケースもあるので注意が必要です。保存療法で改善するためには、早めの受診が大切なポイントとなります。

4.膝の痛み・腫れの予防法

日ごろから注意しておけば、膝の痛み・腫れが予防できます。では、一体どのような点に注意すればよいのでしょうか。ここでは、膝の痛みと腫れを予防するポイントをチェックしていきます。

4-1.予防のための生活習慣

運動と食生活の2点に注目してください。運動不足の人ほど、膝の筋肉と関節の老化がすすみ、炎症が起きやすくなります。急に激しいスポーツをすると逆に負荷がかかるため、まずはウォーキングから始めてみてください。お風呂上がりの関節がやわらかくなっているときに、ストレッチをするのも効果的です。
そして、食生活では、栄養バランスのよいメニューを心がけましょう。1日3食を欠かさず、ビタミン・ミネラル・たんぱく質など栄養を摂(と)ることで関節軟骨の健康につながります。特に、大豆製品・卵・乳製品などのたんぱく質は、軟骨を丈夫にします。また、細胞の酸化を防ぐビタミン類もおすすめです。

4-2.予防法

日ごろの生活習慣を改善しつつ、肥満にならないよう食べすぎには注意してください。肥満は、膝関節に大きな負荷を与えるので危険です。油っこいもの・お菓子などカロリーが高い食材を控え、栄養バランスのよい食生活に改善しましょう。生活習慣の改善と運動療法で、膝の痛み・腫れの予防へつながります。スポーツをしている方で痛みが出てきたのなら、休息をとることが大切です。無理をしてスポーツを続けてしまうと、症状が悪化して手術になるおそれもあるので注意してくださいね。

4-3.サプリメントについて

食生活をサポートする健康補助食品として、サプリメントを利用するのも予防法の1つです。サプリメントは膝を丈夫にさせる栄養素などが豊富に含まれています。毎日飲み続けることで、膝の痛み・腫れの予防効果が期待できるでしょう。サプリメントを選ぶ場合は、どんな栄養素が含まれているのか確認してください。「私の救急箱」では、3つの有効な成分が含まれている「楽らく歩」を販売しています。関節軟骨の20%を占める非変性II型コラーゲンと同じ成分をもっている食品素材を使用しているので、ぜひチェックしてください。

4-4.NG行為

痛みや腫れが出ているのに、無理をして動かすのはNGです。安静にして、アイシングや湿布を貼るなどの適切な処置をしてください。そして、病院で検査してもらいましょう。よくあるのが、無理をして状態が悪化したというケースです。状態が悪化する前に、きちんと対処してください。また、運動不足・偏った食事もNGです。日々の生活習慣を改善することが、膝の痛み・腫れの予防につながる近道なのだと心に留めておいてくださいね。

5.膝の痛み・腫れに関してよくある質問

膝の痛みと腫れに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.炎症が起きるメカニズムとは?
A.何かしらの原因で関節軟骨が少しずつはがれたり、削り落ちたりします。その細かい削りカスが関節内を漂いながら、関節包の内側にある「滑膜(かつまく)」という組織を刺激するのです。刺激から異物を排除しようと免疫作用が活発化し、関節液を多く分泌し炎症が起きます。つまり、炎症は刺激物質と膝の組織が戦っている証拠なのです。

Q.なぜ膝に水がたまるのか?
A.膝関節は関節包(かんせつほう)という袋に包まれています。関節包は、膝関節をスムーズに動かす潤滑油のような役割を担っており、常に関節滑液(かつえき)で満たされている状態です。しかし、関節滑液をつくり出す滑膜が正常な動きを失ってしまうと、過剰に分泌されてしまい、関節包から関節滑液があふれ出てしまいます。それが、膝に水が溜(た)まる状態です。

Q.治療に使われる薬とは?
A.関節痛の治療に使われるのは、非ステロイド性消炎鎮痛薬(飲み薬・外用薬)とヒアルロン酸・ステロイド剤の注射などです。主に、痛みを抑える目的として使われますが、外用薬は塗り薬・貼り薬などさまざまな種類があります。症状を踏まえつつ、医師と相談しながら適切な種類を選びましょう。

Q.漢方は効果があるのか?
A.治療・予防法の1つとして、漢方薬を使うこともあります。たとえば、炎症で熱が出てきたときは「越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)、冷えで痛みが強まるときは「桂芍知母湯(けいしゃくちもとう)」などが効果的です。ただし、漢方薬は症状・体質に適した種類を選ぶことが大切なポイントとなります。

Q.サプリメントの効果はすぐに表れるのか?
A.毎日飲み続けることで効果が実感できるでしょう。なかなか栄養のある食事が摂れない・栄養を簡単に摂取したいという方におすすめです。

まとめ

いかがでしたか? 膝の痛み・腫れは、筋肉・関節部分に何かしら異常が起きている証(あかし)です。放置するほど痛みと腫れがひどくなり、歩けなくなるという最悪な状態になるおそれがあります。症状が悪化すれば、保存療法では改善できず、手術せざるを得なくなるでしょう。痛み・腫れが出てきたときは、早めに受診することをおすすめします。また、日ごろから規則正しい生活を送り、栄養バランスのよい食生活を心がけることも大切です。日常生活の過ごし方が、膝の痛みと腫れの予防につながりますよ。

光伸メディカルクリニック院長中村 光伸

監修者

中村 光伸
光伸メディカルクリニック(東京 新宿)院長
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科認定スポーツ医
日本整形外科認定リウマチ医
日本体育協会公認スポーツドクター
日本抗加齢学会認定専門医
日本胎盤臨床医学会認定専門医
日本美容皮膚科学会
日本レーザー治療学会

東京生まれ。北里大学医学部卒業、北里大学整形外科入局。
学位習得後、フンボルト大学外傷再建外科学(ドイツ)・チャンガン大学形成外科美容外科(台湾)へ留学。 Jリーグヴァンフォーレ甲府チームドクター、山梨学院大学陸上競技部(駅伝)チームドクターを歴任。 北里大学整形外科専任講師、北里大学救命救急整形外科部長、松倉クリニック&メディカルスパ等を経て、2011年12月、自身の理想とする医療を実現するため「光伸メディカルクリニック」を開業。 “リバースエイジング・健康寿命を延ばす”を命題に“見た目”の大切さと“動き目”の大切さを唱え、「整形外科」「美容外科」「美容皮膚科」「リハビリテーション科」を一つの科として診療している。

著書
「3か月で10歳若返る わたしはリバースエイジングドクター」(H304月1日発刊予定) メディア掲載歴
『Domani』2018年3月号、『VoCE』2017年11月号、『厳選 クリニックガイド』、『VOGUE』2017年9月号、『VoCE』2017年4月号、『VoCE』2017年3月号、『ViVi』2016年8月号、『VoCE』2016年6月号、『InRed』2016年6月号、『VOGUE』2016年1月号、『DRESS』2016年2月号、『MAQUIA』2016年2月号、『VoCE』2015年2月号、『VOGUE』2015年1月号、『MyAge』2015年秋冬号、他多数