膝痛の原因は間違った歩き方にあった! 痛みを防ぐ歩き方を伝授

監修: 光伸メディカルクリニック院長 中村 光伸  免責事項について

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1.歩き方が原因で膝痛になる

歩くことは生活の基本的な動作です。歩き方と膝の関係や、膝の痛みについて説明します。

1-1.膝のメカニズム

膝は、太ももの骨(大腿骨:だいたいこつ)とすねの骨(脛骨:けいこつ)をつないでいる関節で、前面にはお皿といわれる(膝蓋骨:しつがいこつ)があります。それぞれの骨の接触面は、関節軟骨というクッションで覆われているので、硬い骨が直接ぶつかり合うことはありません。
大腿骨(だいたいこつ)と脛骨(けいこつ)は、じん帯でつながれており、前後左右のバランスをとっています。また、膝を曲げたり伸ばしたりできるのは、関節部分の骨が筋肉や腱(けん)とつながっているからです。膝を伸ばす動きは、太ももの前面で膝蓋骨(しつがいこつ)とつながる大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の働きによるもので、膝を曲げるのは、膝の裏側の膝屈筋(ひざくっきん)が働いています。膝の可動域は広く、歩くときには60度、しゃがむときには100度、正座では140度程度曲げることができるのです。

1-2.歩き方と膝痛の関係

立つ、座る、歩くなど、毎日の生活の中で膝は休むことなく動いています。歩くだけでも体重の1.5~2倍の負荷がかかるといわれており、階段の上り下りでは2~3倍、走ると5倍の負荷がかかるのです。
厚生労働省の「平成28年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、20~64歳の1日平均歩数は男性で7,769歩、女性で6,770歩となっています。歩き方が悪いと、この歩数分の無理な負荷が毎日かかることになるのです。その結果として、関節部分に不具合が生じやすくなります。

1-3.なぜ膝痛がおこるか

膝痛を招くような歩き方を引き起こす原因はどこにあるのでしょう。主な要因を3つあげます。

1-3-1.筋力の衰え

関節の柔軟性は加齢とともに失われていきます。30代あたりから関節周りの筋肉や腱(けん)も固くなっていくのです。太ももとふくらはぎの筋力が衰えると、筋肉が膝の動きをサポートすることができません。この状態で、一般的にウォーキングで推奨される「膝を伸ばしてかかとから着地し、後ろ足で蹴り上げる」という歩き方を実践しようとすると、着地の衝撃を十分に吸収することができず、膝に過度の負担がかかるのです。また、衰えた筋肉を急激に動かすと、筋肉に炎症がおこって痛む場合があります。

1-3-2.加齢による軟骨のすり減り

歩くことで膝には体重以上の負担がかかり、これが長年積み重なることで、関節の軟骨がすり減ることが知られています。関節の軟骨がすり減ると、関節内のクッションが弱まるため、膝を動かすことで違和感や痛みを覚えるようになるのです。

1-3-3.O脚、X脚など骨格的特徴によるもの

日本人にはO脚が多いといわれています。立ったとき、両足の膝がつかずに脚が外側にアーチを描いているのがO脚です。一方、左右の膝をつけたとき両足のくるぶしの間が開いてしまうのはX脚といわれます。このように脚の形に問題があると、膝が正面を向いていないため、歩く方向と膝の方向のずれから歪みを生じ、膝に負担をかける歩き方になるのです。
O脚は膝が外側を向いた状態で、いわゆるガニ股歩きのような状態になります。膝の内側に負担がかかり、膝の内側が痛くなるのです。反対にX脚は内股歩きになり、膝の外側に痛みが生じます。

歩き方が悪いと膝に無理な負荷をかけてしまうんですね。
歩くだけで体重の1.5~2倍の負荷がかかります。1日平均歩数は男性で7,769歩、女性で6,770歩ですから、毎日これだけの負荷をかけていることを覚えておきましょう。

2.膝痛にならない歩き方について

歩き方が膝痛を引き起こすことが分かったところで、どうやって歩けば膝を痛めないのか、正しい歩き方を紹介します。

2-1.正しい歩き方とは

膝痛にならないためには、歩行のたびに膝にかかる衝撃をなるべく抑えることが大切です。正しい歩き方として、膝を伸ばしてかかとから着地する歩き方が推奨されることがありますが、これは、モデルなど見た目の美しさを重視した歩き方で、膝や腰には負担をかけてしまいます。膝を痛めないためには、膝は伸ばすのではなく、軽く曲げることで着地の衝撃を吸収することができるのです。
そのためには、歩くときに膝をいつもより少し持ち上げるよう意識しましょう。着地は、足指の裏、指の付け根、かかとの3点でバランスよく体重を支えます。
歩幅は自然を心がけ、無理に大股にする必要はありません。むしろ歩幅を狭くして、スタスタと速めに歩くほうが膝への負担は減るのです。

2-2.ポイント

膝を伸ばしきらないようにすることです。軍隊の行進やモデル歩きのような、膝を伸ばした歩き方にならないように気をつけてください。また、進行方向に膝を向けるように意識すると、関節にねじれがおきないため、負担を減らすことができます。

2-3.注意点

歩いて膝が痛くなるのは、「変形性膝関節症」という病気の可能性もあります。これは、膝関節の軟骨が傷つくことで膝に炎症が起こるもので、歩き始めに膝が痛くなるのが特徴です。変形性膝関節症は進行性の病気なので、早めに受診するといいでしょう。

膝痛にならないためには、正しい歩き方をすればいいんですね。
膝を軽く曲げ、着地の衝撃を吸収するようにしましょう。着地は、足指の裏、指の付け根、かかとの3点でバランスよく体重を支えることを意識してください。
光伸メディカルクリニック院長中村 光伸

監修者

中村 光伸
光伸メディカルクリニック(東京 新宿)院長
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科認定スポーツ医
日本整形外科認定リウマチ医
日本体育協会公認スポーツドクター
日本抗加齢学会認定専門医
日本胎盤臨床医学会認定専門医
日本美容皮膚科学会
日本レーザー治療学会

東京生まれ。北里大学医学部卒業、北里大学整形外科入局。
学位習得後、フンボルト大学外傷再建外科学(ドイツ)・チャンガン大学形成外科美容外科(台湾)へ留学。 Jリーグヴァンフォーレ甲府チームドクター、山梨学院大学陸上競技部(駅伝)チームドクターを歴任。 北里大学整形外科専任講師、北里大学救命救急整形外科部長、松倉クリニック&メディカルスパ等を経て、2011年12月、自身の理想とする医療を実現するため「光伸メディカルクリニック」を開業。 “リバースエイジング・健康寿命を延ばす”を命題に“見た目”の大切さと“動き目”の大切さを唱え、「整形外科」「美容外科」「美容皮膚科」「リハビリテーション科」を一つの科として診療している。

著書
「3か月で10歳若返る わたしはリバースエイジングドクター」(H304月1日発刊予定) メディア掲載歴
『Domani』2018年3月号、『VoCE』2017年11月号、『厳選 クリニックガイド』、『VOGUE』2017年9月号、『VoCE』2017年4月号、『VoCE』2017年3月号、『ViVi』2016年8月号、『VoCE』2016年6月号、『InRed』2016年6月号、『VOGUE』2016年1月号、『DRESS』2016年2月号、『MAQUIA』2016年2月号、『VoCE』2015年2月号、『VOGUE』2015年1月号、『MyAge』2015年秋冬号、他多数