授乳中に便秘しやすいって本当?その原因と解消法とは?
2016/02/06
2016/02/15
監修: 快適ヘルシーライフ編集部
今まで便秘知らずだったのに、授乳中に便秘になってしまった。
という方は少なくありません。
知らない方も多いのですが、実は授乳中は妊娠中と同じように便秘になりやすいのです。
そこで、今回は授乳中に便秘になる理由とその解消法をご紹介します。
授乳中に便秘になる原因は、ひとつではありません。
ですから、解消法もたくさんあるのです。
また、ミルクで育児をしている方も便秘にならないわけではありません。
これから出産を控えている方や、授乳中で便秘に苦しんでいるという方はぜひこの記事を読んで、対策の参考にしてください。
1.授乳中に便秘になりやすい理由とは?
まず始めに、授乳中に便秘をしやすい理由をご紹介します。
お心当たりがある方も多いのではないでしょうか?
1-1.水分不足
母乳は、母親の血液が原料です。
血液は液体ですから水分がたくさん含まれています。
つまり、母親は体内の水分と栄養分を赤ちゃんにあげているのです。
ですから、当然母親の体は水分不足になります。
授乳中やたらとのどが渇くと感じるのは、気のせいではありません。
体の水分が不足すれば、便に含まれる水も減ります。
すると、体内で硬い便ができてしまうのです。
硬い便が出にくいのは、皆様がご存じのとおり。
無理に出そうとして切れ痔(じ)になってしまう方も、珍しくありません。
1-2.トイレに入る時間がない
赤ちゃんのお世話は休みがありません。
特に、初めての育児中の母親は赤ちゃんから目を離せない人も多いでしょう。
トイレにゆっくりと入る時間もなく、便意が起こっても我慢しがち。
その結果、便秘になってしまう方も少なくないのです。
1-3.食生活の乱れ
育児中はご飯もゆっくり食べられない、という方も少なくありません。
赤ちゃんのお世話が優先で、自分の食事は流しこむように食べるということも多いでしょう。
そうなると、おにぎりや菓子パンのように食べやすいものばかり食べる、ということになりがちです。
また、赤ちゃんのお世話が大変で食欲がなくなってしまう方もいます。
食生活の乱れは、便秘につながりやすいのです。
1-4.ストレス
出産すると、生活もがらりと変わります。
特に、初めての育児をする方はその変化に強いストレスを感じる人も少なくないでしょう。
また、睡眠不足も大きなストレスになります。
生まれたばかりの赤ちゃんは昼も夜もありません。
睡眠時間が安定しないことも珍しくなく、夜通し泣き続けることもあるのです。
ストレスがたまると便秘も起こりやすくなります。
中には、便秘と下痢が交互に来る人もいるでしょう。
2.ミルクの育児でも便秘になる?
ミルクで育てていれば、便秘になりにくいのか?と問われれば、答えは「いいえ」です。
ミルクを与えていれば、確かに母親が水分不足になることはありません。
しかし、それ以外の原因はどんな母親も感じることなのです。
ですから、「自分はミルクで育児をするので、便秘にはならないだろう」と思わない方がよいでしょう。
また、今は母乳育児が推奨(すいしょう)され、ミルクで育児をしている母親が引け目を感じることも少なくありません。
それが大きなストレスになって便秘になる方もいるのです。
3.授乳中の便秘を解消する方法とは?
この項では、妊娠中の便秘を解消する方法をご紹介します。
実践できそうなことがあったら、ぜひ参考にしてください。
3-1.水分を取る
産婦人科でも、授乳中は努めて水分を多く摂取するように指導された方も多いでしょう。
水分不足は便秘だけでなく脱水症状や血栓の発生など、健康に悪影響を与えることが多いです。
また、夏場の場合は熱中症になりやすくなるでしょう。
ですから、意識して1日2リットル程度の水分を摂取するように心がけてください。
「ただの水では飲みにくい」という場合は、麦茶、番茶、ほうじ茶がお勧めです。
また、カフェインが心配という方も1日マグカップ1杯程度ならば紅茶やコーヒー、緑茶を飲んでも問題ありません。
緑茶や紅茶、コーヒーにはリラックス効果も期待できます。
カフェインがどうしても不安という場合は、カフェインレスコーヒーなどを利用しましょう。
また、市販されている便秘茶には食物繊維が多く含まれている上にカフェインレスです。
ですから、口に合う場合は積極的に便秘茶を飲むとよいでしょう。
ゴボウ茶などがお勧めです。
3-2.食生活を見直す
便秘には食物繊維が効果的なことは、広く知られています。
しかし、食物繊維には不溶性と水溶性があるのです。
不溶性の食物繊維は体の中で水分を吸収する性質があります。
ですから、不溶性食物繊維を水分不足の方がたくさん食べるとかえって便秘が悪化する場合もあるでしょう。
授乳中の方にお勧めなのは、ヨーグルトや果物、それに海そうやこんにゃくに含まれている水溶性食物繊維です。
サプリメントなどでも市販されていますので、使ってもよいでしょう。
特に、ヨーグルトはドリンクタイプも多いので、短時間で効果的に摂取できます。
それと一緒にオリゴ糖も取れば効果はさらにアップするでしょう。
3-3.適度な運動と睡眠を取る
運動をしないと、腹筋が弱まって腸が下がり便秘になりやすくなるのです。
また、睡眠不足は便秘しやすいでしょう。ですから、赤ちゃんを抱いて短時間でも散歩するなど体を動かすと効果的です。
生後1か月を過ぎれば、少しずつ外に出しても大丈夫。
ベビーカーに乗せて散歩をすれば、赤ちゃんも気分転換になります。
疲れてよく眠ってくれるようになるかもしれません。
また、ストレス解消にたまには赤ちゃんを父親などに預けて外出してみましょう。
30分だけでもかまいません。
喫茶店やファミリーレストランでゆっくりと食事を食べるだけでも、ストレス解消になります。
3-4.薬で便秘を解消しよう
ひどい便秘が続いている場合は、まず解消することが大切です。
しかし、便秘薬を飲むのに抵抗がある方もいるでしょう。
ですが、便秘が続く方が健康に悪影響です。
心配ならば、産婦人科医で便秘薬を処方してもらってください。
また、授乳中にお勧めの便秘薬は座薬です。
経口薬よりも効果が早い上に、胃や腸に負担をかけません。
産婦人科医に相談をすれば処方してもらえますし、市販もされています。
薬局で薬剤師に相談をして購入してもよいでしょう。
4.おわりに
いかがでしたか?
今回は、授乳中に便秘になる原因とその解消法についてご紹介しました。
今は、よい母乳を出すための情報がたくさん出回っています。
そのため、食生活に気を使いすぎて、ストレスがたまる人も少なくないのです。
確かに、脂肪分の多い食事を食べ過ぎて乳腺炎になっては大変でしょう。
しかし、赤ちゃんのためだけを考えてがんばりすぎると、母体が栄養不足になったりストレスで参ってしまったりします。
たとえば、甘いものが好きならば、個数と時間を決めて食べるなどすれば、リラックス効果の方が高いのです。
また、便秘薬を利用する場合は赤ちゃんのお昼寝中に行いましょう。
成長するにつれて、少しずつ長く眠るようになってきます。
その時に即効性のある便秘薬を使えば、ゆっくりとトイレに入れるでしょう。
また、赤ちゃんの生活リズムが整ってきたら母親も決まった時間にトイレに入るようにすると、便秘が解消しやすくなります。