便秘で発熱するのはなぜ?考えられる原因と受診目安を解説
2016/10/10
2026/06/08
監修: 快適ヘルシーライフ編集部
便秘が続いているときに発熱すると、「便秘のせいなのかな」「このまま様子を見ていいのかな」と不安になりますよね。
お腹が張るだけでもつらいのに、熱や吐き気、腹痛まで重なると、何から対応すればよいのか分からなくなることもあります。
ただし、便秘だけで高い熱が出ると決めつけるのは危険です。
便秘と発熱が同時に起きている場合、便がたまっているだけでなく、腸炎、腸閉塞、虫垂炎、炎症性腸疾患など、別の病気が隠れていることがあります。特に、強い腹痛・嘔吐・血便・ぐったりしている様子がある場合は、早めの受診が必要です。
この記事では、便秘と発熱が同時に起こる理由、考えられる病気、子ども・高齢者・妊婦の注意点、受診目安、今日からできる便秘対策をわかりやすく解説します。
- 便秘で発熱することはあるのか
- 便秘と発熱で考えられる主な原因
- すぐに受診したい危険なサイン
- 子どもの便秘と発熱で注意したいこと
- 高齢者・妊婦の便秘と発熱の注意点
- 便秘と発熱があるときのセルフケア
- 便秘を繰り返さないための生活習慣
- 便秘と発熱でよくある質問
- まとめ
1.便秘で発熱することはあるのか
便秘が続くと、お腹の張り、腹痛、食欲不振、吐き気などが出ることがあります。便が腸内に長くとどまることで、不快感が強くなることもあります。
一方で、発熱は体の中で炎症や感染などが起きているときに見られる症状です。そのため、便秘と発熱が同時にある場合は、「便秘によるもの」とすぐに判断せず、ほかの原因も考える必要があります。
軽い便秘だけで高熱が続くことは一般的ではありません。発熱がある場合は、腸やお腹の中で炎症が起きている、感染症を起こしている、便秘とは別の病気が重なっている可能性があります。
便秘と発熱を分けて考えるのではなく、「便秘に発熱が加わっている状態」として、体全体のサインを確認することが大切です。
2.便秘と発熱で考えられる主な原因
便秘と発熱が同時に起きる背景には、いくつかの原因が考えられます。
腸炎や胃腸炎
ウイルスや細菌などによる胃腸炎では、発熱、腹痛、吐き気、嘔吐、下痢などが見られることがあります。人によっては下痢ではなく、便が出にくいと感じることもあります。
発熱に加えて、吐き気や腹痛、食欲不振がある場合は、単なる便秘ではなく胃腸の感染や炎症を疑う視点が必要です。
腸閉塞・イレウス
腸閉塞は、腸の中で便やガス、腸液などが先に進みにくくなる状態です。強い腹痛、お腹の張り、嘔吐、ガスや便が出ないなどの症状が出ることがあります。
腸閉塞では、状態によって発熱を伴うこともあります。放置すると重症化する場合があるため、強い腹痛や嘔吐を伴う便秘は早めの受診が必要です。
虫垂炎
虫垂炎、いわゆる盲腸では、発熱、腹痛、吐き気などが出ることがあります。最初はみぞおちやお腹全体の違和感として始まり、時間とともに右下腹部の痛みがはっきりしてくることもあります。
便秘気味だからといって、腹痛と発熱を便秘だけのせいにしないことが大切です。
炎症性腸疾患
潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患では、腹痛、下痢、血便、発熱、体重減少などが見られることがあります。症状の出方には個人差があり、便通の異常として気づくこともあります。
血便や体重減少、長引く腹痛がある場合は、消化器内科で相談してください。
薬の影響
一部の薬は便秘の原因になることがあります。痛み止め、抗うつ薬、鉄剤、抗アレルギー薬、医療用麻薬など、便秘を起こしやすい薬はいくつかあります。
発熱で薬を飲んでいる時期に便秘が強くなることもあります。現在飲んでいる薬がある場合は、自己判断で中止せず、医師や薬剤師に相談しましょう。
3.すぐに受診したい危険なサイン
便秘と発熱が同時にあるときは、症状の組み合わせを確認することが大切です。
次のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
- 38度以上の発熱がある
- 強い腹痛がある
- お腹が大きく張って苦しい
- 吐き気や嘔吐がある
- 便やガスが出ない
- 血便や黒い便が出る
- 水分が取れない
- ぐったりしている
- 冷や汗や意識がぼんやりする様子がある
- 便秘と発熱が数日続いている
特に、激しい腹痛、繰り返す嘔吐、意識がはっきりしない、ぐったりしている場合は、夜間や休日でも救急相談や救急外来を検討してください。
便秘に発熱が重なったときは、「出せば治る」と考えるより、危険なサインがないかを先に確認しましょう。
4.子どもの便秘と発熱で注意したいこと
子どもは便秘になりやすく、便がたまることでお腹の張りや食欲低下、不機嫌につながることがあります。毎日排便があっても、量が少ない、便が硬い、出すときに痛がる場合は、便秘の可能性があります。
ただし、子どもが発熱している場合は、便秘だけでなく感染症や急なお腹の病気も考える必要があります。
次のような様子がある場合は、小児科を受診してください。
- 高熱がある
- ぐったりしている
- 水分が取れない
- 何度も吐く
- お腹を強く痛がる
- お腹が張って硬い
- 血便がある
- 排便時に強く痛がる
- 尿の回数が少ない
子どもの場合、症状をうまく言葉で説明できないことがあります。体温、最後に便が出た日、便の硬さ、食欲、水分摂取、機嫌、嘔吐の有無をメモしておくと、受診時に伝えやすくなります。
5.高齢者・妊婦の便秘と発熱の注意点
便秘と発熱は、年齢や体の状態によって注意点が変わります。
高齢者の場合
高齢者は、筋力の低下、食事量や水分量の減少、活動量の低下、薬の影響などで便秘になりやすくなります。また、症状がはっきり出にくく、重症化してから気づくこともあります。
発熱、食欲低下、ぐったりしている、急に元気がない、いつもと様子が違う場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
今日からできることは、排便の回数だけでなく、便の硬さ・食事量・水分量・腹部の張りを家族や介護者が確認することです。
妊婦の場合
妊娠中は、ホルモンの影響や子宮による腸の圧迫、運動量の低下などで便秘になりやすくなります。
ただし、妊娠中の発熱は、便秘だけで判断せず、かかりつけの産婦人科へ相談してください。自己判断で市販の解熱剤や便秘薬を使うのは避けましょう。
お腹の痛み、出血、強い張り、胎動の変化、嘔吐、水分が取れない状態がある場合は、早めの連絡が必要です。
6.便秘と発熱があるときのセルフケア
発熱があるときは、まず体力を消耗しないことが大切です。無理に排便させようとする前に、危険な症状がないか確認しましょう。
水分を少しずつ取る
発熱時は汗や呼吸によって水分が失われやすくなります。水分が不足すると便が硬くなり、便秘が悪化しやすくなります。
一度にたくさん飲めないときは、少量をこまめに取りましょう。水、白湯、経口補水液などを、体調に合わせて選びます。吐き気が強い場合や水分が取れない場合は、受診が必要です。
消化のよい食事にする
発熱や腹部症状があるときは、無理に食物繊維を増やしすぎると、お腹の張りがつらくなることがあります。
食欲がある場合は、おかゆ、うどん、スープ、やわらかく煮た野菜など、消化のよいものから始めましょう。腹痛や嘔吐があるときは、無理に食べる必要はありません。
お腹を強く押さない
便秘だからといって、お腹を強く押したり、激しくマッサージしたりするのは避けましょう。強い腹痛や腸閉塞がある場合、刺激が負担になることがあります。
お腹が張って苦しい、押すと痛い、吐き気がある場合は、マッサージより受診を優先してください。
市販薬は慎重に使う
便秘薬や浣腸、解熱鎮痛薬を使う前に、症状を確認しましょう。発熱、強い腹痛、嘔吐、血便がある場合は、市販薬で様子を見るより医療機関へ相談するほうが安全です。
特に、子ども、妊婦、高齢者、持病がある人、複数の薬を飲んでいる人は、自己判断で薬を追加しないようにしてください。
発熱を伴う便秘では、「まず薬で出す」より「受診が必要な状態ではないか」を確認することが先です。
7.便秘を繰り返さないための生活習慣
発熱や強い腹痛がなく、慢性的な便秘に悩んでいる場合は、日常の習慣を見直すことが便秘対策の土台になります。
食物繊維を無理なく増やす
食物繊維は、便の量や腸内環境に関わる大切な栄養素です。野菜、海藻、きのこ、豆類、果物、穀類などを、毎日の食事に少しずつ取り入れましょう。
ただし、急に増やすとお腹が張ることがあります。まずは、みそ汁にわかめを入れる、納豆を足す、果物を少量加えるなど、続けやすい方法から始めてください。
今日からできることは、1日1食だけ野菜・海藻・きのこ・豆類のどれかを足すことです。
水分をこまめに取る
水分不足は便を硬くする原因になります。朝起きたとき、食事のとき、入浴後など、飲むタイミングを決めておくと続けやすくなります。
心臓病や腎臓病などで水分制限がある人は、医師の指示に従ってください。
今日からできることは、朝起きたらコップ半分から1杯の水や白湯を飲むことです。
朝食後にトイレ時間を作る
食事をすると、腸が動きやすくなります。特に朝食後は排便のタイミングを作りやすい時間です。
出ないのに長時間座り続ける必要はありません。まずは3分だけ、落ち着いてトイレに座る習慣を作りましょう。
今日からできることは、朝食後にスマートフォンを持ち込まず、3分だけトイレに座ることです。
軽い運動を取り入れる
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は、腸の動きを整える手がかりになります。運動不足が続いている人は、いきなり長時間歩くより、短い時間から始めましょう。
今日からできることは、体調がよい日に5〜10分だけ歩くことです。痛みや息切れが強い場合は無理をしないでください。
薬の影響を確認する
便秘は、生活習慣だけでなく薬の影響で起こることもあります。痛み止め、鉄剤、抗うつ薬、抗アレルギー薬、医療用麻薬などを使っている人は、便秘が気になることを医師や薬剤師に伝えましょう。
薬を自己判断でやめるのではなく、便秘対策を含めて相談することが大切です。
8.便秘と発熱でよくある質問
Q.便秘だけで熱が出ることはありますか?
A.便秘に伴って体調不良や微熱のように感じることはありますが、高熱が続く場合は便秘だけと決めつけないほうが安全です。腸炎や腸閉塞など、別の原因が隠れている場合があります。
Q.便秘で38度以上の熱があるときは様子を見てもいいですか?
A.38度以上の発熱に加えて、腹痛、嘔吐、お腹の強い張り、血便、ぐったりしている様子がある場合は受診してください。症状が軽くても熱が続く場合は、医療機関へ相談しましょう。
Q.便秘で発熱したら浣腸をしてもいいですか?
A.強い腹痛、吐き気、嘔吐、お腹の張りがある場合は、自己判断で浣腸を使わないでください。腸閉塞などがあると危険な場合があります。子どもや高齢者、妊婦も医師に相談してから使うほうが安心です。
Q.解熱剤を飲んでもいいですか?
A.年齢、妊娠の有無、持病、服用中の薬によって使える薬が異なります。特に子どもや妊婦は自己判断で市販薬を使わず、医師や薬剤師に相談してください。
Q.子どもが便秘で熱もあります。何を見ればいいですか?
A.体温、最後の排便日、便の硬さ、腹痛の有無、嘔吐、食欲、水分摂取、尿の回数、機嫌を確認してください。ぐったりしている、水分が取れない、何度も吐く、強くお腹を痛がる場合は小児科を受診しましょう。
Q.便秘薬を飲んでも出ない場合はどうすればいいですか?
A.便秘薬を使っても出ない、腹痛や発熱がある、吐き気がある、お腹が張って苦しい場合は、自己判断で薬を追加せず医療機関へ相談してください。
9.まとめ
便秘と発熱が同時に起きると、便秘が原因だと思いたくなるかもしれません。けれども、発熱は体の中で炎症や感染が起きているサインの場合があります。
特に、強い腹痛、嘔吐、お腹の張り、血便、ぐったりしている様子がある場合は、便秘だけで判断せず早めに受診してください。
発熱や危険な症状がない慢性的な便秘であれば、食物繊維を少し増やす、水分をこまめに取る、朝食後にトイレ時間を作る、軽く体を動かすなど、今日からできる見直しがあります。
便秘対策で大切なのは、無理に出そうとすることではなく、原因に合った方法を選ぶことです。
便秘に発熱が重なったときは、まず体の危険サインを確認し、迷う場合は医療機関に相談しましょう。





