下剤の副作用の怖さ

下剤の乱用は今すぐ中止を!便秘薬の副作用の怖さを知ろう!

監修: 快適ヘルシーライフ編集部  免責事項について

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便秘解消などのために、下剤を使用している人も多いでしょう。確かに、下剤は正しく使用することで効果が出るものです。下剤の全部を否定することは、できません。しかし、下剤を乱用することは、副作用を伴うのでとても危険です。今回は、下剤の乱用で起こる副作用について、さまざまな視点から解説をすることにしましょう。

  1. 下剤の基礎知識を学ぼう
  2. ダイエットに下剤を使っても良いか
  3. 下剤乱用の怖さをしっかり学ぼう
  4. 下剤を乱用し続けるとどうなる?
  5. 下剤の乱用で起こる副作用にかんする質問に回答!

下剤を飲むことが習慣になっていたり、下剤を乱用していたりする人は、ぜひ記事を読んでください。下剤の乱用で起こる副作用の恐ろしさを学び、すぐに依存することを止めましょう。


1.下剤の基礎知識を学ぼう

下剤について正しい知識を持つことは、乱用を防ぐためにも最も大切なことです。まずは、下剤の基礎知識を学ぶことにしましょう。

1-1.下剤の種類を確認しよう

主な下剤の種類については、下記を参考にしてください。下剤の種類にも、たくさんあることがわかることでしょう。

1-1-1.大腸を刺激する下剤

大腸の粘膜に刺激を与えて、働きを促進するタイプの下剤です。大きく分けて、以下の分類になると覚えてください。

  • アントアラキノン系:センナや大黄(だいおう)・アロエなど植物成分が由来の下剤
  • ジフェニルメタン系:ビザコジルやピコスルファート・ラキソナリンなどの合成化学物質が由来の下剤

なお、ジフェニルメタン系の下剤の方が、おだやかな効き目となるでしょう。

1-1-2.小腸を刺激する下剤

小腸に刺激を与えて、ぜん動を促進して排便につなげる下剤です。小腸を刺激する下剤の効き目は、比較的おだやかでしょう。しかし、妊婦には骨盤の充血を促す作用もあるため向きませんので注意してください。

  • 主な成分:ヒマシ油など

1-1-3.腸の中で膨張する下剤

腸の中で水分を吸収してふくらむことで、便のかさを増したり腸を刺激したりして排便を促すタイプの下剤です。おだやかな効果を望むことができますが、即効性はありません。

  • 主な成分:寒天・小麦ふすま・オバタ・プランタゴなど

1-1-4.塩類下剤

塩類下剤とは、腸内の水分量を増すことで便をやわらかくして排出を促すタイプの下剤です。副作用が比較的少ないので、高齢者などの処方にも向くでしょう。ただし、即効性は期待できません。

  • 主な成分:酸化マグネシウム・硫酸マグネシウムなど

1-1-5.糖類下剤

糖類下剤も塩類下剤と同様に、腸内で便をやわらかくして排出を促す効果のある下剤となります。また、糖類は腸内の善玉菌のエサとなるために腸内環境の改善にも役立つでしょう。糖類下剤も、即効性の低い下剤と言えます。

  • 主な成分:ソルビトール・麦芽糖など

1-1-6.浸潤(しんじゅん)性下剤

浸潤(しんじゅん)性下剤は、表面活性剤の性質を利用した下剤です。体内に入った後、便の表面張力を低くしてスムーズな排便を促すことが特徴と言えるでしょう。塩類下剤や糖類下剤と同様に、比較的おだやかな効果の出方をします。

  • 主な成分:ジオクチルソジウムスルホサクシネート

1-2.下剤の効能やメカニズムを理解しよう

下剤を飲むと、腸まで有効成分が届いて刺激を与えることになります。便秘の原因は、腸の動きが何らかの理由によって鈍(にぶ)くなっていること。鈍(にぶ)くなった腸を刺激することは、排便のためのぜん動を促進します。便秘薬の中には、刺激が強いために使用中に激しい脱水を伴うものもあるので注意してください。

1-3.下剤の使用が適している人・便秘解消目的の使用を考えよう

下剤の使用が適している人は、病気などで腸の活動が弱っていたり腹筋が弱くなっていたりして医師が下剤の使用を適当だと認めた人と言えます。実際に大量の便が溜(た)まっていることは、体に取ってよくありません。血圧の高い人は、便を無理に出そうとすると血圧が上がり過ぎて危険です。脳卒中後の人も、同様に排便をスムーズにして血圧を上げないように管理する必要があるでしょう。

1-4.下剤を使用してはいけない人・使用してはいけない場合を考えよう

下剤は、確かにひどい便秘解消に効果があります。しかし、薬の力で便意を起こしているために、体には負担があるのも事実でしょう。たとえば、小さな子どもや体力の無い高齢者、病み上がりの人や、妊娠中の女性などは、できるだけ下剤の使用を避けるべきです。また、ほかの病気の治療を行っている人も医師への相談無しに下剤を使用することは、避けましょう。理由は、ほかの病気の治療を妨害する恐れがあるからです。便秘で悩んでいる場合は、まず、下剤以外の解決方法を考えてください。

2.ダイエットに下剤を使っても良いか

ダイエット目的で、下剤を使用する人もいます。でも、下剤は便秘を解消するためのもの。本当にダイエット目的のために、下剤を使っても良いのでしょうか。

2-1.下剤を使用することによるダイエット効果について

下剤を使用することで、一時的に体重を減らすことは可能です。しかし、体重が減ったとしても本来のダイエットとしての意味はありません。下剤で体重が減ったときは、水分と宿便が体外に出ただけです。ダイエットは、体に付いている余分な脂肪を減らすことが主な目的。下剤による体重減少でダイエットと喜ぶのは、早急ですね。確かに、宿便を出すことは、体に脂肪が付きにくい体質に変えるためにも大切でしょう。しかし、体に負担を掛けないためにも下剤を使用しない方法で便秘解消を試みてください。

2-2.便秘解消以外の目的で下剤を使用して良いのか

そもそも、下剤は体内に溜(た)まっている便を早急に排出するための薬です。目的は、あくまでも便秘解消であってダイエットではありません。しかも、下剤は長期連用を想定していないことがほとんどです。下剤の長期使用は、体にとって大きな負担。ダイエットなど、便秘解消以外の目的で下剤を使用することはやめましょう。

3.下剤乱用の怖さをしっかり学ぼう

下剤の乱用を防ぐためには、怖さを十分に理解することが大切でしょう。ここでは、乱用の定義やどんな人が乱用しやすいかなどを含めて学ぶことにします。

3-1.乱用の定義や期間を確認しよう

下剤の乱用の定義について、お話をしましょう。状況としては、決まった用量より多くの下剤を、決まった回数以上に長期連用してしまうことを指します。また、下剤無しで排便が不可能な状態になっていることが特徴と言えるでしょう。下剤の乱用の期間をハッキリ定めることは、難しいです。しかし、決まった服用量を大幅に超えて数か月以上連用している場合は、乱用していると定義しても良いでしょう。

3-2.どんな人が下剤を乱用してしまう?

下剤を乱用してしまう人は、少し神経質なことが多いでしょう。また、自分の容姿にこだわりを持っていることも、大きな特徴です。少し太っただけでも、過激なダイエットに走ってしまうこともあるでしょう。体重を素早く減少するためには、体に悪いとわかっていても下剤を乱用してしまうのです。さらには、摂食障害を持っていて過食気味の人も下剤の乱用をしやすいので注意してください。

3-3.なぜ下剤を乱用してはいけないのか

下剤を乱用することで、腸は常に緊張している状態になります。また、腸壁も荒れてしまうため栄養や水分の吸収もできません。下剤は、便だけでなく大切なものまで同時に流してしまうのです。さらに、下剤は常習性があるでしょう。乱用することは、下剤としての効果も期待できなくしてしまうのです。

3-4.下剤の乱用による副作用や健康被害を学ぼう

下剤の乱用は、多くの副作用や健康被害をもたらします。下剤の乱用による副作用や、健康被害については、下記をご覧ください。

  • 体のむくみ
  • ビタミン不足
  • 脱水
  • 自然な便意の喪失    

下剤の乱用は、腸の本来の機能を失うきっかけになります。便秘解消で健康になるはずが、乱用で不健康になっては本末転倒だと考えましょう。また、夏場は下剤の乱用による脱水と高温による脱水で危険です。健康な体を取り戻したい人は、下剤の乱用を止めましょう。

4.下剤を乱用し続けるとどうなる?

下剤を乱用し続けるとどうなるのか、具体的に確認しましょう。体や心にどんな影響があるか学ぶことは、乱用防止のためにも効果的です。

4-1.下剤を飲み続けるとどうなるか

下剤は、腸に大きな負担を掛けています。下剤を飲み続けることは、便秘解消のためであっても好ましくないことを知っておきましょう。下剤を飲み続けると、まずは、便秘に対する効き目が無くなります。最初は適量で便意があっても、徐々に適量では効き目が無くなってくるでしょう。人間の体は、薬を常用することで慣れてしまうのです。

4-2.下剤の乱用が引き起こす怖い病気

下剤の乱用は、怖い病気を引き起こすことがあります。下剤の乱用で引き起こす可能性がある病気としては、以下のようなものを覚えておくと良いでしょう。下剤は、大腸の機能を大きく低下することでさまざまな病気のきっかけになるのです。

  • 低ナトリウム血症(けっしょう)
  • 大腸メラノーシス
  • ビタミン欠乏症
  • 大腸がん

上記の病気のうち、大腸メラノーシスとは、大腸の表面に黒い色素がこびり付いてしまう病気です。大腸メラノーシスになった部分は、大腸としての正常な機能を維持することができません。正常に働くことができないことで大腸がんに移行することもあるので、気を付けなくてはいけない病気なのです。

4-3.下剤の乱用・下剤依存の治療方法を確認

下剤の乱用・下剤依存の治療方法について、確認しましょう。

  • 治療を受ける場所:胃腸内科・消化器内科など
  • 治療方法:電気刺激・薬や食事による腸内環境の改善・生活習慣改善や運動習慣の推進

軽度の場合は、食事や生活習慣の改善で依存症から抜け出すことも難しくありません。しかし、重度になると医師の治療以外では完治は無理と言えるでしょう。下剤依存になった体を健康な状態に戻すためにも、早めに医師の治療を受けてください。

4-4.下剤を乱用しないための対策法

まずは、下剤が必要以上に目に入らない環境を整えることが大切です。たとえば、家族と同居している人は家族に下剤の管理を任せると良いでしょう。自分で下剤を管理することは、飲み過ぎの原因となります。決まった用量と用法を守るためにも、家族に協力してもらって飲み過ぎないようにしてください。また、ひとり暮らしなどでほかの人の協力を得ることができない場合は、下剤の処方をできるだけ少しずつにしてもらうのも良いでしょう。1回に数週間の薬を受け取ってしまうことが、乱用につながりますからね。

5.下剤の乱用で起こる副作用にかんする質問に回答!

下剤の乱用で起こる副作用について悩んでいるのは、皆さんだけではありません。ほかの人が悩んでいることを参考にすることも、役に立ちますよ。         

5-1.下剤とほかの病気に対する治療薬を同時に飲むと副作用が出ますか?

ほかの病気の治療薬の性質によっては、下剤との相性が悪い可能性があります。現在病気治療中の人は、下剤を使用するときにも必ず医師に相談して処方してもらいましょう。医師からの処方を受けているなら、副作用について必要以上に心配することもありません。ただし、正しい使用方法と使用量を守ることが大切です。

5-2.副作用を気にして下剤を飲まないことで便秘がもっとひどくなるのでは?

下剤は、正しく服用することにかんして問題はありません。医師に処方を受けている場合は、体質や体調を考えて適切な薬の種類を選んでもらっているはずです。副作用を気にして飲まないことは、好ましくないでしょう。副作用が出るのは、下剤が体質に合わなかったり乱用をしたりした場合です。医師に指示を受けたとおり、正しく使ってみてください。

5-3.体に合った下剤に交換することで副作用も無くなりますか?

現在、医師から処方を受けていたり市販の下剤を使用したりして副作用が出ている場合は、まず早急に服用を中止してください。同時に、医師に副作用について相談して指示を仰ぎましょう。下剤の種類が体質に合わない場合は、ほかの種類に替えてもらうことで副作用に悩まなくなる可能性は高いです。副作用が無くなるかどうかまでは、現時点で断言できません。しかし、可能性が高くなることは事実です。

5-4.下剤の乱用がいけないとわかっていても止めることができない理由は?

下剤の乱用が体に悪いことがわかっていても、止めることができない人はたくさんいます。悪いとわかっていても止められない理由は、心の問題と言えるでしょう。便秘や太っていることに対して、必要以上に神経質になっていたり恐怖心を持っていたりすることが下剤の乱用につながります。ひとたび、皆さんの心の状況と向かい合ってみることも大切でしょう。

5-5.下剤の乱用や依存症を治療するためでも健康保険は利用できますか?

下剤の乱用や依存症の治療目的の場合は、健康保険が利用できます。たとえば、下剤の種類を交換したり検診を行ったりなどは問題が無いでしょう。健康保険は、あくまでも病気や体調不良の治療のために存在しています。下剤の乱用や依存症も、健康保険が適用となるので安心してくださいね。

まとめ

今回は、下剤の乱用による副作用の怖さを皆さんにお伝えするためにまとめましたが、いかがでしょうか。下剤は、即効性があることで便秘などの治療で使用することが多いですよね。しかし、間違った使用や乱用は、危険な副作用を伴うことも知っておいてください。特に、長期間乱用をすることで思わぬ副作用を呼び寄せてしまうものです。重大な副作用が起こる前に、下剤の乱用を止めることが大切でしょう。