つわりと便秘の意外な関係は? 妊娠中の便秘を解消する方法
2015/12/28
監修: 快適ヘルシーライフ編集部
つわりは、妊娠中に起こるつらい症状のひとつ。
嗅覚や味覚が全く変わってしまい、食べ物を受けつけなくなる人もいます。
そして、つわりが始まったら便秘がひどくなったという方も少なくありません。
そこで、今回はつわりと便秘の関係をご紹介します。
つわりはただでさえ胃腸が不快で、気分がすぐれないのです。
その上、便秘にまでなったら、本当に病気のようになってしまう方もいるでしょう。
今回は、できるだけ体に負担をかけない便秘の解消方法もご紹介します。
ぜひ参考にしてくださいね。
1.つわりとは?
つわりとは、妊娠初期に起こりやすい体の異常です。
主な症状として、吐き気や胸のむかつき、味覚や嗅覚の変化などがあります。
つわりは原因もまだよくわかっておらず、人によって症状が全く異なるのです。
つわりがほとんどないという方もいれば、つわりがひどくて入院したという方もいます。
また、つわりがいつまで続くかも個人差があるのです。
安定期に入ったらうそのように無くなる方もいれば、出産直前まで続く方もいます。
2.つわりと便秘の関係
では、なぜつわりになると便秘が悪化しやすいのでしょうか?
この項では、つわりと便秘の関係をご紹介します。
2-1.食事の量が減るため
つわりになると、常に吐き気がするという方も珍しくありません。
また、特定の食べ物しか受けつけ無くなる方もいるでしょう。
さらに、たくさん食べるとすべて戻してしまう、という方もいます。
ですから、自然と食べる量が減ってしまうのです。
便は食べ物から栄養を取り去った残り。
食べる量が少なくなれば、当然便の量も減ります。
そのため、腸の動きが鈍くなって便秘になるケースが多いのです。
また、つわりで戻してしまうと、食べ物と一緒に水分まで体の外に出てしまいます。
水分の摂取量が少なくなると、便は固くなり排出されにくくなるでしょう。
ですから、便秘になりやすくなるのです。
2-2.腸内環境の悪化
つわりで吐き続けると、腸内に住んでいる善玉菌のエサとなる乳酸菌やビフィズス菌なども一緒に出てしまいます。
さらに、何度も吐いていると消化器官も疲労してしまうのです。
ですから、腸内に善玉菌が減り悪玉菌が増えやすくなります。
そのため、便秘にもなりやすくなるでしょう。
2-3.運動不足
つわりになると、とにかくだるくて動けない、という方も少なくありません。
また、常に車酔いのような状態になるので、歩くのもやっとという人もいるでしょう。
運動不足になれば、当然腸の動きも鈍くなります。
それに、食事量の低下や腸内環境の悪化が加われば、より便秘になる可能性が高くなるのです。
3.便秘によるつわりの悪化に注意
健康な状態でも、便秘が続くと苦しいものです。
腹痛や顔のほてりなどに悩まされる方もいるでしょう。
また、便秘が長引くほど体の中の便は硬くなり、排出に苦労します。
無理やり出そうとした結果、切れ痔(きれじ)になってしまう人もいるでしょう。
「何日便秘をすれば体調が悪くなる」と言いきることはできません。
しかし、1週間便秘が続く場合は、何らかの対策を取った方がよいでしょう。
4.つわりが原因の便秘を解消する方法とは?
では、つわりによる便秘を解消するにはどのような方法があるのでしょうか?
この項で、詳しくご紹介していきます。
4-1.意識して水分を取る
つわりで1日に何度も吐くという方は、水分不足の可能性が高いです。
ですから、意識して水分を取りましょう。
水を飲んでも吐く、という場合は少しずつ飲むように心がけてください。
たとえば、コップから直接飲むのではなく、ストローを使うだけでも一度に飲む水分の量を調節しやすいです。
また、ただの水飲みにくい場合はレモンなどのかんきつ類で酸味と香りをつけましょう。
かんきつ類の酸味は気分をすっきりさせる効果があります。
4-2.食物繊維を取る
食物繊維は、胃や腸の中で膨らんで腸の運動を活発にさせる効果があります。
つわりで少ししかものを食べられない場合は、意識して食物繊維を取りましょう。
少量でも便秘解消の効果があります。
今は、飲み物に溶かして摂取できる食物繊維もあるのです。
これならば、飲み物を飲むだけでも摂取できるでしょう。
また、寒天を使った口当たりのよいゼリーのようなものならば、喉を通りやすいです。
これも少しずつ食べるようにするとよいでしょう。
4-3.食事回数を増やす
つわりは、一度にたくさんの量を食べると悪化しやすい傾向にあります。
ですから、つわりの最中は食事時間にとらわれずに、食べられるものを食べられる時間に食べましょう。
つわりはストレスでも悪化します。
ですから、「食べなければいけない」と思ってしまうと、余計に吐き気がひどくなることもあるのです。
なので、何か好きなことをしながら食事をしてもよいでしょう。
お行儀よりも食べられることの方が大切です。
4-4.便秘薬を使いたい場合は、医師の相談をする
しかし、すでに長時間便秘が続いているという場合は、自力では排出できないこともあるでしょう。
そのような場合は、まず産婦人科医に相談をしてください。
妊娠中でしたら、かかりつけ医がいるはずです。
妊婦の便秘は大変ポピュラーなので、妊婦でも使用できる便秘薬はたくさん開発されています。
ですから、医師に便秘を訴えれば安全な便秘薬を処方してもらえるでしょう。
便秘薬が胎児に影響を与える可能性は低いですが、妊娠中は市販の便秘薬を使用しない方が大切です。
また、便秘を解消するためには、トイレにゆっくりと入ることも重要。
ウォシュレットがついているトイレならば、肛門(こうもん)を刺激してみてもよいでしょう。
また、親指と人差し指の間には、便秘を解消するツボがあります。
そこを押しながらトイレに入ってもよいですね。
4-5.朝に白湯(さゆ)を飲もう
白湯(さゆ)は内臓を温めて、腸の運動を促す効果があります。
ですから、朝起きたら毎日マグカップ1杯程度の白湯(さゆ)を飲むと、便秘になりにくいでしょう。
単なるお湯で味もついていませんから、吐き気を感じる方も少ないです。
また、もう少し何かアクセントが欲しいという方は、塩味をつけたりレモンやライムの汁を入れたりもよいでしょう。
温かくさっぱりとした酸味のある白湯(さゆ)は、気分をすっきりとさせてくれます。
5.おわりに
いかがでしたか?
今回はつわりが原因で便秘になる理由や、その解消法をご紹介しました。
つわり中は、とにかく無理をしないことが大切です。
ただでさえつらい時期ですから、まずは体を楽にすることを第一に考えましょう。
胎児のために、と無理に食事を取ろうとする必要はありません。
また、便秘が悪化しないようにと吐き気をがまんして食事を取る方もいるでしょう。
しかし、そこで感じるストレスも便秘を悪化させてしまうのです。
ですから、水や飲み物に混ぜても味の変わらない食物繊維の粉末やオリゴ糖などを利用してもよいでしょう。
また、仕事をしていた方が吐き気を感じずにすんだという人もいます。
体がつらくない方は仕事や趣味などに没頭してみましょう。
そうすれば、吐き気を感じずに済むかもしれません。
さらに、どうしても苦しい場合は医師に相談をしてください。
便秘解消のための処置をしてくれるでしょう。