ランナーズニーの原因

ランナーズニーとは?知っておきたい原因・予防・治療法について

監修: 光伸メディカルクリニック院長 中村 光伸  免責事項について

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マラソンやジョギングをしている人に多い“ランナーズニー”という症状があります。ランナーズニーはスポーツ障がいの1つです。正式名称は「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」という名前になります。ランナーズニーで悩んでいる人はできるだけ早めに改善していかなければなりません。

そこで、ランナーズニーになる原因や予防法、治療について詳しく説明します。

  1. ランナーズニーの原因
  2. ランナーズニーの予防法
  3. ランナーズニーの治療法
  4. まとめ

1.ランナーズニーの原因

中距離ランナーに多い“ランナーズニー”とはどのような症状なのでしょうか。ランナーズニーを解消するには、詳しく知識を身につける必要があります。ランナーズニーとは何なのか、また、原因についても詳しく説明しましょう。

1‐1.ひざの曲げ伸ばしがしにくくなる症状

ランナーズニーは基本的に日常生活に支障はありません。しかし、ランニングやジョギングを20分~30分ほどし続けていると、次第にひざが曲げ伸ばししにくくなってしまいます。ひざの曲げ伸ばしができなくなる特徴こそ、ランナーズニーの症状です。ランニング・ジョギングをするときは常にひざを曲げ伸ばしすることになります。

ひざの屈伸運動を続けることで太ももの骨と腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)がこすれ合い、炎症を起こすのです。炎症がひどくなった結果、上手に曲げ伸ばしができなくなります。そして、痛みが出てくることもあります。特に、O脚や内股で走っている人ほどランナーズニーになりやすいと言われています。

1‐2.ランニングフォームが正しくない

ランナーズニーの原因は一体何なのでしょうか。いまだ、原因についてわからない人は多いと思います。ランナーズニーの主な原因は“間違ったランニングフォーム”です。あなたは、正しいランニングフォームで走っているでしょうか。自分は正しいと思っていても誤っている可能性があります。間違ったランニングフォームを続けていると、体の変なところに負担をかけてしまうのです。そして、ひざに大きな負担がかかった結果、ランナーズニーになります。

現在、体がぶれている人はランニングフォームが間違っている証拠です。また、ランニングシューズが自分の足に合っていない可能性もあります。そとがわのかかと部分がすり減っている人は注意が必要です。

1‐3.生活習慣の乱れ

ランナーズニーの原因は“生活習慣の乱れ”も入っています。あなたは毎日規則正しい生活習慣を送っているでしょうか? 生活習慣の乱れはひざに必要な栄養素を与えることができません。ひざの関節を守っている“軟骨”は老化とともにすり減ってしまいます。すり減った分、必要な栄養素で補ってあげることが大切です。

よって、栄養バランスの良い食事、十分な睡眠を心がけてください。最近、食生活が乱れてきている人は注意しなければなりません。少しずつ栄養バランスの良い食事を心がけていきましょう。

2.ランナーズニーの予防法

2‐1.適度なランニングの時間・距離

人によってランナーズニーの原因はさまざまですが、日ごろの積み重ねによってなりやすくなると言われています。特に、過剰なランニングの時間・距離はランナーズニーを引き起こしやすいのです。たとえば、運動をしていなかった人が急に長い距離を走ってしまえば、体が悲鳴をあげます。関節や筋肉に大きな負担をかけてしまい逆効果になります。大切なのは“自分の体に合ったランニングをすること”になります。ある程度鍛えていた人ならランニングの時間を増やしても良いでしょう。しかし、運動不足になっている人は短距離から始めてくださいね。

自分に合った、無理のない時間・距離でランニングをしましょう。また、調子が悪いときは無理をしないよう注意してください。

2‐2.ウォームアップをする、休息をしっかりとる

ランナーズニーの予防法は「ウォームアップ」や「休息」にもあります。ランニング・ジョギングを始める前は、必ずウォームアップをしてください。ウォームアップとは準備運動のことです。準備運動をすることで体中の筋肉・関節を温めほぐすことができます。しっかり温めておけば、ケガ予防にもなるでしょう。そして、運動した後の「クールダウン」も大切なポイントです。運動後は体温が上昇しており、疲労物質がたまっています。

よって、軽めのストレッチやウォーキングをすることで疲労物質を流すのです。また、疲れたときは必ず「休息」をとってください。休息をこまめにとらないせいでランナーズニーになる人は結構多いです。決して無理をせず、自分のペースでランニングをしていきましょう。

3.ランナーズニーの治療法

3‐1.原則は“保存療法”

ランナーズニーの治療法は原則的に“保存療法”になります。保存療法とは、ランニングの休止です。続けていきたい気持ちはありますが、ランナーズニーになった結果、治るまでランニングを控えておかなければなりません。ランナーズニーになっているのにもかかわらずランニングを続けてしまうと、さらに悪化してしまいます。簡単に症状がやわらぐことはできないため、1度休止したほうが良いでしょう。そして、ストレッチの強化や炎症を抑える薬の投与、超音波を使った治療などを続けてください。

ランナーズニーは治るまで時間がかかります。専門的な病院での治療+日ごろの生活における改善が必要不可欠です。
決して焦らず、時間をかけながら治していきましょう。

3‐2.ひざに栄養を与えるサプリメントを利用する

ランナーズニーの治療法は日常生活の改善も当てはまります。老化によってすり減ってしまう関節・ひざの軟骨を栄養補給で形成していかなければなりません。不規則な生活習慣になっている人は、生活を正しくしていきましょう。そして、栄養バランスの食事を心がけてください。栄養バランスの良い食事は、ひざに必要な栄養素を与えてくれます。しかし、忙しい時期が続くとどうしても栄養バランスに乱れが生じるでしょう。

「栄養が足りていない」と感じるときは“サプリメント”を利用してください。サプリメントの中には、関節を形成してくれる成分が含まれている種類があります。サプリメントを毎日飲み続けることで、体内に栄養が保持できるのです。

4.まとめ

ランナーズニーの原因や予防法、治療法について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。ひざが曲げ伸ばししにくいと感じたときは、すぐ専門の病院を受診してください。ランナーズニーの治療は長い時間がかかってしまうため、できるだけ初期症状のうちに改善しておかなければなりません。効率的に治療するためにも、ランニングをお休みしてくださいね。

  • ひざの曲げ伸ばしがしにくくなる症状
  • ランニングフォームが正しくない
  • 生活習慣の乱れ
  • 適度なランニングの時間・距離
  • ウォームアップをする、休息をとる
  • 治療の原則は“保存療法”
  • ひざに栄養を与えるサプリメントを利用する

以上のポイントは要チェックです。毎日サプリメントを利用しながらひざのケアを続けていきましょう。ランナーズニーの再発を防ぐためにも、自分に無理のない時間・距離でランニングをしてください。決して無理しないよう、ウォームアップや休息もきちんととっていきましょう。

光伸メディカルクリニック院長中村 光伸

監修者

中村 光伸
光伸メディカルクリニック(東京 新宿)院長
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科認定スポーツ医
日本整形外科認定リウマチ医
日本体育協会公認スポーツドクター
日本抗加齢学会認定専門医
日本胎盤臨床医学会認定専門医
日本美容皮膚科学会
日本レーザー治療学会

東京生まれ。北里大学医学部卒業、北里大学整形外科入局。
学位習得後、フンボルト大学外傷再建外科学(ドイツ)・チャンガン大学形成外科美容外科(台湾)へ留学。 Jリーグヴァンフォーレ甲府チームドクター、山梨学院大学陸上競技部(駅伝)チームドクターを歴任。 北里大学整形外科専任講師、北里大学救命救急整形外科部長、松倉クリニック&メディカルスパ等を経て、2011年12月、自身の理想とする医療を実現するため「光伸メディカルクリニック」を開業。 “リバースエイジング・健康寿命を延ばす”を命題に“見た目”の大切さと“動き目”の大切さを唱え、「整形外科」「美容外科」「美容皮膚科」「リハビリテーション科」を一つの科として診療している。

著書
「3か月で10歳若返る わたしはリバースエイジングドクター」(H304月1日発刊予定) メディア掲載歴
『Domani』2018年3月号、『VoCE』2017年11月号、『厳選 クリニックガイド』、『VOGUE』2017年9月号、『VoCE』2017年4月号、『VoCE』2017年3月号、『ViVi』2016年8月号、『VoCE』2016年6月号、『InRed』2016年6月号、『VOGUE』2016年1月号、『DRESS』2016年2月号、『MAQUIA』2016年2月号、『VoCE』2015年2月号、『VOGUE』2015年1月号、『MyAge』2015年秋冬号、他多数